1か月ぐらい歯医者通いが続いているが、今回は散々な目に遭った。
歯茎が腫れ、歯肉炎と診断されたのは仕方がないが、「腫れた肉を削ぎ取りましょう」と衝撃の一言。
自慢じゃないけど、健康診断の採血では毎年具合が悪くなって目を回す人間に向かって「肉を削ぎ取る」って・・・
心臓バクバク、血圧急上昇、にぎり締めたハンカチには大量の脂汗・・・
まあ、なんとか終わったものの血が止まらない。
身も心もボロボロになりながらランチに向かったのが本郷3丁目。
赤門も休日には閉じているんだね。
この大学は元はと云えば加賀前田家の江戸屋敷。
昔は江戸を一歩でも出ると、大名行列に出合うとなると道端で土下座をしなきゃいけないってんで江戸っ子は嫌がったそうですね。
これが、江戸の中では尻を向けてやり過ごすことができた。
落語にもあるが、
「今通って行ったのはどこの大名ですか?」
「本郷のテーショーだよ!」
「なんだ~、加賀か~」
百万石の大名も江戸っ子の毒舌にはかないません(笑)
菊坂を下りていくと、左手に見えるのがこちらのお店。
キッチンまつばさん。
もう何度も紹介しているが、ホントはあまり教えたくないほどお気に入りの店。
お目当てのオムライスは、包み込む正統派タイプと、いわゆるタンポポタイプの2種類。
迷うことなく正統派を注文。
しかし口の中は相変わらずの流血状態なので、消毒しないといけないね。
ウ~ン、旨い!
ふとテーブル脇を見ると、さりげなく飾ってある女の子の絵。
花子とアンの主人公の子にも似てるけど、いかにも本郷らしいこういうセンスって好きだな~。
●オムライス(850円)
きれいに整った気品のある美しさは、さっきの女の子のようだ!
まさに流れるような流線型。
それではいただきます
サラダ
豚ひき肉の豚汁。
これ、お代わりしたくなるほど美味い!
外はふんわり、中はトロトロのオムレツ。
玉子とライスが一体化し、オムライスのお手本だと言っても過言ではない。
お肉はひき肉を使っているが、パラパラになった挽肉が米粒にまとわり、一口ごとに肉の味を感じる。
ここはオムライスよりさらに高い技術が必要なオムレツも、ほれぼれするほど完璧に仕上げる。
明治の文豪が数多く居を構えた商店街の一角にある家族だけで営む小さなお店。
上品な山の手言葉を使う優しいおばあちゃんの接客も大好き!
「洋食」って日本で生まれた料理の分野だが、少なくてもフレンチやイタリアンにはけして負けていない。
オムライスもナポリタンも誕生の根底にあるのは優しさだもの。
美味しい食事をいただき感謝をこめて
「ごちそうさま!」
【お店】 ★★
・キッチンまつば
・東京都文京区本郷4-34-17
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