『むすび』2016.10.30(381号):「秋の一日、春の七日」 | 周防大島・塾と田舎暮らし

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木村学習塾通信『むすび』  山口周防大島の小さな学習塾の通信です
<教える-教わる>の関係から、一人ひとりが結び合った関係に。子どもも大人も。そんな願いを込めて『むすび』。

穏やかな秋晴れ、文化の日。憲法公布から70年。「明治の日に」?
雲ひとつない晴天。放射冷却で「今季一番の冷え込み」。
海は秋から冬へ。

 

 

畑も夏から冬へ。今日が最後の収穫かも。

木村学習塾通信『むすび』

2016.10.30(381号)

「秋の一日、春の七日」

 

畑仕事に関する言葉を聞くとはっとさせられます。この言葉はつい最近新聞で見かけたのですが、今年もそう。「時期を見て適切な作業をきちんとしている?」と問われています。野菜畑やみかん畑の様子に思いをめぐらすと・・・。出来ていない。またまた今年も苦い思いを・・・。

学校が夏休み中のお盆の頃はもう秋です。恥ずかしながらこの歳になってようやくそういう感覚になってきました。夏休みだもん、夏に決まっている、ずっとそう思って大人になりました。子どもたちもきっとそうだよね。でも今年は二十四節季の夏の最後の節季である大暑が7月22日、ちょうど夏休みの始まりのころです。そして8月7日、お盆前が立秋でした。土用の入りが7月19日でうなぎを食べて暑さのピークを頑張って過ごすとすぐに秋。土用ぼうずがいるので土用に入ると庭では草取りに金けのものは使ったらだめ、といわれています。土用が明けるのは立秋になってから。これは暑さがピークだから庭仕事はほどほどに、ということなのでしょう。だからなまけものの私は「気をつけなければ」と堂々と畑が遠くなります。

 

また、8月の庭にはまだきゅうりやトマト、なす、ピーマン、おくらなど夏野菜真っ盛り。だから冬野菜の準備をという気になかなかなれず、種蒔きが遅れるのです。遅れを取り戻そうと思ってもその前に畑の草取り、畑の準備をしなければなりません。こんなふうに遅れ遅れの作業を残暑の中でやっていると冬野菜にたどり着けないのです。また今の時期ソラマメやエンドウの種まきの時期です。豆類は冬の寒さを越して春に実をつけます。ほどほどの大きさの苗に育っていないと冬をうまく越しません。豆はまだ簡単なのですが、たまねぎをなかなかうまく育てられません。たまねぎも今植えつけの時期です。

 

いつの年だったか残暑が厳しくいきなり冬の気候になって「今年は秋がありませんでした」なんて事を書いた記憶がありますが、今年もどうもそのようです。夏の台風も影響して今年の紅葉の美しさは今ひとつだろうと聞きました。大好きな秋が短いのはとっても寂しいうえに、季節はどんどん進んでいます。

 

延々と夏からの畑のことを書きましたが、秋から冬に向かって日が短くなり、気温も下がってくるので野菜の成長にとって環境は厳しくなります。だから、適切な時期にしなければならないことをしないとうまくいきません。春ならだんだん日も長くなり気温も上がっていくので、少しの遅れはいくらでも取り返せます。秋の一日が春の七日に相当する価値があるということ。秋の一日はとても大事ということ。「秋の一日、春の七日」。

 

このように何事にも適する時期があるように思います。でも、しなければいけないだろうと分かっていてもついつい先延ばし。許容範囲何ならいいけれどそれを越してしまうと、どんどん他にしわ寄せが出てしまいます。多くのことが制限時間ぎりぎりということをたくさん経験しています。

 

さらに大事なことは「時期を逃さない」ためには、いつそのことをするのがベストの時期かを知っていなければいけません。今年はお盆すぎてすぐにブロッコリーとカリフラワーと大根などを種まきした。本葉数枚の頃青虫にいっぱい食べられてしまい対処が遅く残り少なくなってしまったのですが、先日早速大根を食べることが出来ました。私にしては珍しくヒットです。野菜作りは1年サイクル。種まきから収穫までは数ヶ月ととても短いです。では子どもたちの勉強はどうでしょう。

 

1日の課題などを片付ける手順、次の定期考査や学力テストのスケジュールに合わせての計画、あるいはそれぞれの入試に合わせての計画。目先のことだけでなく少し遠い目標もしっかり見据えておくと今やっていることがどうつながっていくかがわかります。大事なことだと思います。そのあたりも塾の時間の中でアドバイスできたらと思います。また中学生は毎時間塾に来たら英語のはじめは単語テストを各自しています。次の定期考査の範囲になるところを繰り返しやってテストまでに完全に覚えてしまおうということです。でも「やらされているから仕方なく」というふうに見える人がいて残念です。覚えることは誰も他の人に代わってもらうことはできないのだから、この時間は集中し一つでも多くきちんと覚えていく時間にして下さい。テスト週間にあわてて単語を覚えるなんてことをしなくて済むはずです。

 

畑仕事について「百姓の来年」という言葉もあります。来年こそ同じ失敗をしないぞということ。あるいは今年以上に来年はもっといいものをということでもあると思います。失敗を繰り返さず次に向けて改善をしていくために、まずすべきことは記録をとっておくことです。どのようにやってどんな結果になったかはとても役立ちます。見える化しておかないと記憶だけではたよりにならず同じ失敗を繰り返しやすいです。

 

私はスマホではないのでわかりませんが、自分の学習内容をスマホに記録していくなんていうアプリがあるのでしょうか。ビッグデータではないですが自分のデータを記録して見やすくしておくことはパソコンやスマホを使えば手軽にできます。私は畑仕事を日記形式でパソコンに記録しコピーした去年の日記の上に今年の日記を書くようにしています。そうすると去年の作業を必ず確認することになり抜けてしまうようなことはなくなりました。改善に役立っています。勉強の仕方を改善するためにまず記録をつけてみることをお勧めします。

 

今日は10月30日。旧暦神無月一日、立冬は11月7日、冬の始まりです。そして大学受験も始まります。中学生も受験の季節に入ります。体調に気をつけて、スケジュールもしっかり意識して計画的にやっていきましょう。