今朝、ブログ画面を開いて、あまりのアクセス数の多さに自分の目を疑いました。
調べてみたら私のブログが『アメトビ』になったようで…びっくりしています。
このブログは私自身の心の整理の為に書いています。



父は借りることが大嫌いな人でした。
プライベートでも商売でも「借りない」を徹底していた。

「絶対に借金はしない!」
「友人に絶対頼らない!(借りを作らない)」

会社の事務所を購入した時だけはローンを組みましたが、それ以外は借りたことはなかったと思います。

海外と商売していたので、オイルショックやドルショックの時は資金繰りが大変で、母の話しによると、月末になると財布には小銭だけというギリギリ生活をしていたようです。


父は大正10年生まれ。
学徒出陣。
中国へ渡った人です。


「あの戦争で私よりも優秀な人間がたくさん逝ってしまった」
よく話していました。

だから、生きて帰ってきた父は誰に対しても迷惑をかけることはしたくなかったのだと思う。

父は苦労人でした。
私生児で母子家庭だった。
小さい頃から貧乏でお腹を空かしていた。
「この貧乏から抜け出す為にはどうしたら良いのか?」
そうして父は「勉学」という手段を思いついた。

父は貧困から抜け出す為に勉強した。
奨学金を得て大学へ進学。
そして、学徒出陣で中国北京へ。

英語と中国語を専攻した父は兵役中は軍の通訳になった。
最前線へ向かうことは免れたが、戦争で沢山の不条理を目撃したそうだ。
人間の嫌な部分を嫌になるほど見たのだろう。
だからこそ、終戦後は清く誠実に生きる事を大切にしていた。


父が心臓病亡くなる一ヶ月前。
病室で父と二人きりになった。
当時の私は社会人一年生。
バブル期真っ只中の時代。

「お前は『ソクラテスの弁明』を読むといい」

いきなり父から言われました。
私には哲学の本は難解そうで、その時は直ぐには読む気にはなれませんでした。

その後、父が亡くなり遺品を片付けていたら『ソクラテスの弁明』が本棚にあるのを見つけました。

長い話しではありませんが…
やはり難解。
だけれども頑張って読みました。

父が私に教えたいことが書いてあると思ったから。

『無知の知』
『真実を追求すること』


『正しく良く生きるとは何か?』



今、改めて問われているように感じます。



借金だらけのまま脳梗塞で倒れた兄。
身体には麻痺が残り、もう自力では歩けない兄。
どうすることが正しいのか?


例え冷たい人間だと言われたとしても、私は兄に借金を肩代わりすることが正しいとは思えない。
兄にとってもそうすることが良いとも思えない。


私自身の生き方を自分に問いかけています。

自分の人生をどう生きることが正しいのか?

答えを見つけることよりも、
考え抜くことが大切…

考えることができるならば
また、正しいことを為せるのでは?


これからは兄にも考えて貰おうと思う。