会田誠の個展「天才すぎてごめんなさい。」に行って参りました。

行きたいと思ったのは、先日の記事でもちらっと出した
セーラー服へのコンプレックスについての連載で名前が出ていたからなんです。
そこで会田誠氏の絵を見て、なんだか面白いなあと。
もともと絵画にはさほど興味がないし、技巧とか良し悪しとかまったく分からないんですが。

彼の作品の中には、少女がエロ・グロの対象になっているものがあり、
そのためにどっかから抗議されているのをネットで見かけましたが
それを禁止されちゃったら表現でも何でもないじゃん、と。
倫理観なんかに捉われていて、面白いものが出来上がるんですかね。
まさに「嫌なら見るな」。
あ、抗議したのは児ポの団体みたいです。
http://paps-jp.org/action/mori-art-museum/
そこに関しては、これ以上触れないことにします。


今回の個展、一言で言えば「行って良かった」。
私にとっては、エネルギーになったり鼓舞されたり、そういうタイプの刺激ではなかったのですが、
その空間を存分に楽しめる展示になっていて、そこに個展として開催する意味を感じました。
個人的な嗜好としてはエログロが大好きでも嫌いでもないのですが(ちょっと好きかもしれないけど)、
それを"芸術"の名においてどう表現するのか、その人の頭の中はどんなだろう、
という興味です。

何かと面白い発想だなあと思いました。
そしてなんだかロック。
アンチ政治・権力の色が強い作品は、単純に笑って見られないのであまり好きじゃないですが
風刺画のようなおもしろさがありました。当たり前か。
厭味をまじめに表現しているものもあれば、
落書きみたいにふざけて描いているのもあったりして、
(ふざけたことをまじめに描いているものもあったし、)
どんな作風でも通じるもんだなあ、という発見も。


個人的に強く印象に残ったのは、結構ド頭にあった『切腹女子高生』、
18禁コーナーに展示していた『キングギドラ』、
大量の女子があんまりグロくない感じで潰されていく『ジューサーミキサー』、
文字通り"大作"の『ジャンブル・オブ・100 フラワーズ』。
この感性はいずれも、現代的もしくは日本的であると感じました。

ちなみに音声解説の小型機貸し出しを行っていて、
会田誠本人による大雑把な解説と制作秘話みたいなものが聞けたそうです。
それもおもしろかった、という感想を耳にして、ちょっと後悔している上に
『切腹女子高生』のクリアファイルを買いに、もう一度見に行きたいと思っています。
が、月末でおしまいなんですよね。
作品保護のために引き上げられた『あぜ道』も見たかったなあ。

解説にも感想にもならないこの駄文。どうにかしたい。
まあ、個人的なメモとして。


最後に、抗議に対してちょっとだけ。
「公の場でけしからんものを展示するなんて!」とお怒りのようですが
ネットで探したら一瞬で出てきちゃうという現実。
展示を楽しむには、わざわざ会場に足を運んで、入場料を払って
エレベーターで上がって、歩き回らなきゃいけない。
ネットの方が、子どもでさえ目にすることができちゃうと思うんだけど
そのへんどうなのよ?と。