お知らせです。

 

品川区医師会のしながわ多職種勉強会にて、医療における音楽療法とボニー式音楽イメージ療法(

GIM)の話をさせていただきます。80分の短い時間なのですが、少しだけ音楽イメージ療法の体験も入れたいと思います。

 

お近くの方で、ご興味のある方はどうぞお出かけください。

詳細のリンクを添付します。

 

 

日時:2018年12月7日、午後7時半〜9時

場所:品川区医師会 3階ホール

 

詳細:

http://care-shinagawa.org/wp-content/uploads/sites/30/460d0ac0194621ef921daabfff31ffc7.pdf?fbclid=IwAR0WPswIHyW13btGiAPFOVP9a-1kihA9oC-EdaXIumVk2Oc6SkmfKLWTSSA

 

 

 

(毎度のお願いです。クライエントさんの許可をいただいてブログを掲載しています。どうぞ、無断での転載はご遠慮ください。リンクを貼りたい方はご連絡ください。)

 

ボニー式音楽イメージ療法の詳細はHP 

http://musicure-mt.com/gim/

もしくは、過去のブログ

https://ameblo.jp/musictherapynotes/entry-12300390954.html

をご覧ください♪

 

 

 

 

もしご自分の子どもが突然、不登校になったら、どう感じますか?

 

 

 

これまでのクライエントさんの中には、お子さんが発達障がいや自閉症を持っていらっしゃる方がいらっしゃいます。その中で私が感じたのは、子どものケアも大事だけれど、保護者の方のケアも欠かせないという事。

 

一概には言えませんが、多くの方がご自分を責めたり、子どもへの愛情をどうしても感じられなかったり、自分の子どもだと思えなかったり、『なんで?』『どうして私なの?』という疑問に苦しめられていたりします。そのうち良くなると希望を持って、でも何かある度に失望して。周りの理解を得られず、他の家族や親戚にもわかってもらえない。ひいては教育機関であるはずの学校ですら理解してもらえずに悩んでいらっしゃる方もいました。保護者の方のケアをまずしなければ、子どもが目一杯成長する環境が損なわれてしまう事もあります。

 

 

 

このクライエントさんのお子さんは、5年生で不登校になりました。

 

 

 

私は、実は、クライエントさんのお子さんに障がいがなく、不登校というケースは初めてだったのですが、やはりクライエントさんは、とても重いものを背負っていらっしゃいました。

 

お子さんの事はもちろん大切です。でも、『死にたい』と書いているのを見て線路に飛び込んだらどうしようと不安に駆られたり、お子さんが荒れた時には怒りが湧いてきたり、感情が揺らされる事が多くあったようで、そんな日々の中で自分を責め続けていらっしゃいました。

 

クライエントさん自身は、子供の頃から『良い子だった』そうです。周りからも『頑張り屋さん』と評価され、なんでも器用にこなしてきました。でも、その裏では隠れて泣いていたんです。当時の自分は『よく調教された子犬』のようだったとおっしゃっていました。中学に入ると、だんだんと生きる感覚が薄れ、死にたいと思うようにもなりました。『すぐ諦める』『消えたい』など、どこか他人事のような生き方をしてきました。自分のことではそれが許されていたのですが、子どもの事ではそうはいきません。それが、クライエントさんの抱える苦しさでした。

 

最初のセッションでは、時々マグマのように湧いて出る怒りについて探っていきました。

音楽が始まると、心臓のドキドキが強くなります。そして気づくと黒くて大きな人が自分の上に乗っていました。胸と腕が痛みます。どいて欲しいのに、そう伝えても、『でも必要でしょ?』と返されてしまいます。イメージの中に女の子が出てきます。座って泣いている女の子に『大丈夫だよ、一人じゃないよ』と声をかけると、女の子の表情が明るくなり、黒い人は透明になっていきました。最後には、背中から羽根が生え『飛んでいいよ、自由でいいよ』という声が聞こえました。

 

クライエントさんは、黒い人が、自分の中で全ての表現できない黒い感情を引き受けてくれていたんだと、気づきます。その黒い人との向き合い方が課題になりました。

 

 

 

2回目のセッションでは、過去の恐怖と向き合うというテーマになりましたが、イメージの中で出てきたのはまた、黒い人でした。胸の上にその人が乗っているため、呼吸ができず、潰されるほどの重みを感じます。しかし、なぜそこにいるのかを問いかけた時、『皆んなと家族を世間、批判、お金から守りたいから』という答えが返ってきました。その黒い人は形をかえ、宇宙のようになります。必要なものは『許し』でした。でも、許しは見つかりません。その宇宙の重さと向かい合ううちに、『辛さを忘れないで・・・』と思い当たります。忘れないよ・・・と声をかけると、それは小さくなり一回消えますが、また戻ってきます。

 

そして、イメージの部屋の片隅に見えたのは、死神でした。恐怖が襲いかかります。死神はこちらを見て笑い、『ざまーみろ!お前がやったことだろう!苦しみを味わい続けろ』と、言います。その死神の持つ慢性的な闇は、クライエントさんがずっと悩まされてきた闇でした。『誰か、助けて・・・助けて・・・。』それは、闇と向き合い続けた彼女の心の声でした。白い馬のイメージが現れ、少し力を得ます。そして、その闇に向けて『どけ〜!!!』と叫ぶ事ができました。でも、闇は少し小さくなって戻ってきます。『大丈夫だよ、いるのわかってるよ。ちゃんと向き合うよ』クライエントさんは、その闇と向き合う覚悟を、きちんと闇に伝える事ができました。闇から逃げるのではなく、白い馬のイメージがら得た力で、やっと向き合う覚悟ができたセッションでした。そしてここで大切なのが、その白い馬もクライエントさんの中にあった力だということです。きちんとプロセスを踏んでいくことで、自分の中の必要な力が、自分の助けとなって現われます。どんな方にでも必ず、自分を癒す力があります。時にそれが見えなかったり弱まっていたりするだけなんです。

 

 

 

次の3回目が大きな転機となりました。テーマは『進むのを妨げているのはなんだろう』。

音楽が始まると、真っ暗な中にある螺旋階段をひたすら下へと降りていきました。実は階段を降りるというイメージは、無意識の中に入り込んで行くときによくあるイメージです。そして、真っ暗な湖に辿り着きます。誰もいない寂しさが押し寄せます。誰もいないのに、見えない手が胸を押していて、息ができません。その手があると自分が出せない!そう気づきますが、闇の中から『自分で押してるんだ』という声が聞こえます。そこにはやはり、死神がいました。見えない手は死神の手になり、斜めから胸を押しつぶします。死神は『お前なんか大嫌いだ!死んじゃえばいい!生まれてこなきゃよかった!生まれる価値がない。潰れてしまえばいい!自分で自分を殺しなさい!!!』とクライエントに言います。そのあまりの酷さに、言葉を失います。でも、それはクライエントさん自身の、自分に向けた言葉でした。

 

誰でもいいから助けてくれる人を求めますが、誰もいません。そして、究極まで追い詰められたクライエントさんは、ついに今までにないほどの大きな声で、『やめて!!!!!もう押さないで!!!!!やだよ!早く帰って!!!消えちゃえーーーー!!!!!!』と死神に向かって叫びました。初めて人を頼るのではなく、自分の力で闇をはねのけたのです。死神の手が胸から離れ、死神は小さなダンゴムシに姿を変えました。そして『もう、良い子はやめなよ・・・』と言ったのです。クライエントさんは、『あ〜、良い子、してたなぁ・・・』そう気づきます。

 

音楽の終わりに出てきたのは、気持ちの良い草原でした。青い空があって、白い鳩が2羽。そして、白いユニコーンがいました。ユニコーンは、『大丈夫だよ』と言いながら、クライエントさんを守ってくれています。暗闇と向き合い、自分の力で取り除き、ようやっと見えた平和な世界でした。

 

『もっとやりたい事やっていいよ。大丈夫だから』

 

『何かにならなくていい。そのままでいい』

 

そう言われる嬉しさを感じながら、このセッションが終わりになりました。『そのままでいい』というのは、心の闇(でも自分に押し付けた重み)に苦しめられ続けたクライエントさんが、自分で自分を解放した瞬間の言葉でした。セッション後のマンダラを、最後に載せます。タイトルは『大丈夫だよ』でした。

 

 

 

3ヶ月に渡って3回のセッションを行ったのですが、何よりも、親子の関係が変わったとおっしゃいます。自分の心にゆとりが生まれることで、親子関係にもゆとりが生まれたそうです。

 

これは、その後のやりとりでのクライエントさんの言葉です。

 

『子どもたちのおかげで、自分の魂のお洗濯ができました。その汚れも自分でつけた食べこぼしみたいなもので、結局自分は自分をいじめて満足して、そして苦しんでのどMごっこだったのがよくわかりました』

 

この気づきがあれば、きっと親子関係をより良いものにし、前に進んでいけると信じています。

 

 

 

最後に、不登校の問題で親子関係が複雑になっているケースに関しては、発信が必要だと思います!と快くブログに掲載することに同意をくださった、クライエントさんに心からのお礼を述べたいと覆います。ありがとうございました。

 

 

 

 

『大丈夫だよ』

 

 

 

 

 

 

お知らせです♪

 

名古屋(愛知県春日井市)にて、音楽療法アドバンスメソッドであるボニー式GIMと分析的音楽療法を使うグループスーパービジョンを開催します。

 

11月11日(日)13:30〜16:00

 

おそらく、日本初の試み。

 

今回のテーマは、『人を助けるとは?』

人の役に立ちたくて今のお仕事を始めた方は多いかと思います。でも、日々の中で苦しくなっていませんか?自分を犠牲にして働いていませんか?自分の進む先が見えずに不安に感じていませんか。

 

長く質の良い臨床を続けていくのには、セルフケアとスーパービジョンが不可欠です。グループで、あなたの『人を助けたい』原点を探り、これからの臨床につなげていきましょう。

 

音楽療法士の方だけではなくて、福祉・心理・介護など、人のケアに関わる方が対象です。

 

少し告知が遅くなってしまったのですが、ご都合がつけば、音楽療法の4大アドバンスメソッドを二つも一度に試せる貴重な機会です。

 

お申し込みや質問はメールにて。

nyoshiahra@musicure-mt.com

 

お待ちしております。