アーティスト

  鈴木勲トリオ/カルテット

  (SUZUKI.ISAO TPRIO/QUARTET)

 

アルバム

  ブロー・アップ

  (BLOW UP)

 

 

 

1973年発表のアルバムで

レコーディングも同じ50年前

昭和48年3月29&30日

東京アオイ・スタジオ

 

スイング・ジャーナル主催

第7回(1973年度)

ジャズ・ディスク大賞

日本ジャズ賞受賞と帯に有り

 

ベースorチェロの鈴木薫は

初めてのリーター・アルバムで

チェロの演奏時は

水橋孝がベースです

 

 

 

同じレーベル関係のアップは

その-06 スリー・ブラインド・マイス

その-51 山本剛トリオ『ミスティ』

その-73 今田勝+戸田谷子『横浜コンサート』

に続いて4回目のアップですが

 

 

 

我が家所有の

スリー・ブラインド・マイス

(Three Blind Mice

略称TBM=1970-1980)の

アルバムは3枚しか有りません

 

 

 

このアルバムのメンバーは

いろいろなライヴ・ハウスや

バンドで顔を合わせ

気心も知れていて

 

誰がリーダーとなって

アルバムを発表しても

不思議の無い実力派アーティストです

 

 

 

レコーディングは

ベースorチェロ

鈴木 勲

(すずき いさお=1933-2022)

東京生れの

ベース(コントラバス)と

チェロの奏者で作曲家

何歳の頃から楽器を始めたかは

不明ですが

立教大学在学中には

米軍キャンプで

演奏をしていた様で

サックス奏者の

松本英彦(1926-2000)

渡辺貞夫(1933-)の

グループに参加

 

アート・ブレイキー

(Art Blakey=1919-1990)に

スカウトされ

ジャズ・メッセンジャーズの

メンバーとして1970年渡米

全米やヨーロッパの

ツアーに参加しています

 

ライナー・ノーツに

解説を書いているジャズ・評論家

『いソノてルヲ』(1930-1999)が

オーナーの自由が丘にある

ジャズ・喫茶ファイブ・スポット

(5Spot)をホームとしていて

 

アルバム収録時は

田園調布に住み

ジャケットに使われている

猿の他にワニや小鳥や魚も

ペットにしていたそうですが

 

2022年3月8日

新型コロナウィルスに感染し

肺炎のため死去されました

 

 

 

ピアノ&フェンダー・ピアノ

菅野 邦彦

(すがの くにひこ=1936)

東京生れのジャズ・ピアニスト

学習院大学在学中に

ジャズ・バンドに参加しましたが

卒業後は一般企業に就職するも

一年後には音楽活動に戻り

1960年頃から

今回のアルバム・メンバー

鈴木勲やジョージ大塚と演奏し

そのトリオに

松本英彦(1926-2000)を

加えたカルテットとしても

演奏しています

 

ドラムス

ジョージ 大塚

(ジョージ おおつか=1937-2020)

東京生まれジャズ・ドラマーで

クラリネット奏者

鈴木章治(1932-1995)の

バンド・ボーイをきっかけに

渡辺貞夫(1933-)のバンドや

かまやつひろし(1939-2017)と

演奏を始め

1966年自身のトリオで

活躍をしていました

 

 

 

ベース

水橋 孝

(みずはし たかし=1943-)

海外でも評価され

日本を代表する

ベーシストの一人

 

経歴が面白いアーティストで

2019年5月26日の

インタビュー記事が有り

かいつまんで紹介しますが

興味の有る方は

下記アドレスをコピー&ペーストで

インタビュー記事を読めると思います

 

https://www.arban-mag.com/article/40122

 

1943年北海道夕張生まれ

炭鉱の爆発事故で

父親が他界後の幼少期に上京

 

10代後期に近所の知り合いから

立っているだけで良いからと

触ったことの無いベースを

五反田のキャバレーで

弾いているふりをして

ステージへ立ったのが

最初だったようです

 

ベースを弾くとメンバーから

『頼むから弾かないでくれ』と

言われながらも

いろいろな人に可愛がられ

 

石川県のクラブで仕事の時

朝食を食べに通っていた

ジャズの流れる喫茶店で

レコードを聴いていたら

突然ベースの流れが理解出来

ある程度弾けるようになり

 

東京に帰った後は

赤坂や銀座のライヴ・ハウスや

ホテルのラウンジで

ベースを弾き

 

今回アップのドラマー

ジョージ大塚に誘われ

1969年レコーディングに参加

 

海外のアーティストでは

ピアニストの

ハービー・ハンコック

(Herbie Hancock=1940-)と

レコーディングや

サックス・プレイヤー

アーチ・シェップ

(Archie Shepp=1937-)の

ヨーロッパ・ツアーに参加

 

ジョージ大塚のグループや

今田勝や大野雄二

菅野邦彦のトリオを経て

1974年自身のトリオを

結成しています

 

収録曲は6曲総て

インストゥルメンタル(器楽曲)ですが

オリジナルに歌詞の有る2曲は

ヴォーカル・ヴァージョンの

YouTubeを貼っています

 

 

SIDE A

01-アクア・マリーン

  (AQUA MARINE)

澄んだブルーの宝石が

曲名となっていて

出だしのフェンダー・ピアノと

ツリー・チャイムが涼しげですが

続くチェロはチョット重く感じ

私は小説の『砂の器』や『飢餓海峡』を

連想してしまいます

ライターは鈴木勲

アルバムから♪アクア・マリーン

Isao Suzuki Trio Aqua Marine

 

 

02-エブリシング・ハプンズ・トゥー・ミー

  (EVERYTHING HAPPENS TO ME)

曲調がガラッと替わり

軽快なミディアム・テンポの

楽しくなる曲で

フランク・シナトラ

(Francis Albert “Frank”Sinatra-1915-1998)が

トミー・ドーシー

(Tommy Dorsey=1905-1956)の

オーケストラをバックに

1940年に発表した曲で

 

SIDE B 1曲目

ライク・イット・イズや

ミスティのライター

エロール・ガーナー

(Erroll Louis Garner=1921-197)

ビル・エヴァンス

(Bill Evans=1929-1980)

セロニアス・モンク

(Thelonious Monk=1971-1982)

チャーリー・パーカー

(Charlie Parker=1920-1955)他が

レパートリーにしている名曲です

 

作詞は映画音楽の作曲や

脚本を書いていた

トーマス・アデール

(Thomas Montgomery Adair=1913-1988)

作曲はマット・デニス

(Matthew Loveland Dennis=1941-2002)

アルバムから

♪エブリシング・ハプンズ・トゥー・ミー

Everything Happens To Me / Isao Suzuki

 

ヴォーカルで注目の若手サマラ・ジョイ

♪エブリシング・ハプンズ・トゥー・ミー

Samara Joy - Everything Happens to Me

 

 

03-ブロー・アップ

  (BLOW UP)

アルバム・タイトル曲

アップ・テンポで

ドラム・ソロも聴き応えもが有り

ライヴでは聴衆もノリそうです

ライターは鈴木勲

アルバムから♪ブロー・アップ

Blow Up - Isao Suzuki

 

 

SIDE B

01-ライク・イット・イズ

  (LIKE IT IS)

聴いていてウキウキして

体が動いてしまいそうな曲で

ライターはエロール・ガーナー

アルバムから♪ライク・イット・イズ

Like It Is / Isao Suzuki Trio

 

 

02-云いだしかねて

  (I CAN’T GET STARTED)

1936年ブロードウェイの

ミュージカル・レビュー

シークフェルド・フォリーズ

(Ziegfeld Follies)で

コメディアンのボブ・ホープ

(Bob Hope=1903-2003)と

女優のイヴ・アーデン

(Eve Arden=1908-1990)が

歌った曲

作詞は

ガーシュウィン兄弟の兄

アイラ・ガーシュイン

(Ira Gershwin=1896-1983)

作曲は詩人で作曲家の

ヴァーノン・デューク

(Vernon Duke=1903-1969)

アルバムから♪云いだしかねて

I Can't Get Started - Isao Suzuki

 

プラターズで♪云いだしかねて

The Platters - I Can't Get Started (Remastered)

 

 

03-ロー・フライト

  (LOW FLIGHT)

軽快な曲です

ライターは鈴木勲

アルバムから♪ロー・フライト

Low Flight - Isao Suzuki

 

 

 

追記-01

スリー・ブラインド・マイス(TBM)は

残念ながら2014年に

活動を止めてしまいましたが

その後ソニー・ミュージックや

ディスクユニオンから

90を超える作品が

CDでリメイクれています

 

おまけ-01

映像が綺麗な鈴木勲の♪アヴエ・マリア

「曽爾高原」 Isao Suzuki - AVE MARIA

 

 

お礼

暑中お見舞い申し上げます

今回も長々とお付合いを頂き

心より感謝申し上げます

 

大雨で被害の方々には

お見舞いを申し上げます

 

酷暑が続きますが

体調に気を付けて

お過ごしください