1920年の「ヴァイオリンとチェロの為のソナタ」は、私がモン

フォール・ラモリ( パリより西の町 )* に身を置くようになって

からの作品。 *(晩年暮らした邸宅は、現在、記念館として公開)

私は、このソナタが私の経歴の変遷の中で、ひとつの転換点を指

し示していると確信している。そのことは、検討の内に、極限に

まで推し進められている。ハーモニーの魅力を放棄することによ

り、益々、メロディの方向性の中で反動として示される。

 全く別の次元で、2幕からなる叙情ファンタジー「子どもと魔

法」は、似通った関心事の上に付き従う。

 (関心事の)見い出し、我が手に納めたメロディの風合いは、

私が好む、アメリカ風オペレッタのエスプリを用いるというテー

マによって形をなした。コレット夫人の台本は、妖精の世界の中

に、その柔軟性を認める。それは物語の世界を形成する歌である。

オーケストラは演奏技巧を軽んじず、にもかかわらず、新たな側

面に留まる。

 「ツィガーヌ」( ヴァイオリンとピアノ、又は、ヴァイオリン

とリュテアルを伴うピアノ )は、ハンガリー風狂詩曲の味わいを

持った作品。