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懐かしいコーラス
今回は、私が10年くらいピアニストをつとめた女声合唱団のお話です。
指揮・合唱指導は、小手田昭彦先生。
毎週1回公民館で練習し、年に数回、合唱祭や文化祭に出演していました。
数年前、団員数減その他の理由でそれが続けられなくなり、
私の伴奏で月に2回合唱を楽しむ会に変わり、コロナ禍でもできる限り続けてきましたが、今年の春にとうとう解散しました。
あっという間に冬が来て、ある団員さんにお葉書をいただきました。
小手田先生は、いわゆる…
・楽譜が読めなくても大丈夫♪
・歌が好きな方！初心者も歓迎♪
・みんなで楽しく歌いましょう♪
こんな感じのシニア世代のアマチュア合唱団でも、
ご自分の現役時代（東京混声合唱団でご活躍）のご経験・価値観からぶれることなく…
普段は穏やかなのですが、時には私でもヒヤリとするくらい、
🔥ソプラノさんっっ！（ソプラノパートは旋律が覚えやすいのと表現力が求められるため、いち早く発声発音の指示をし、ただ歌うだけではダメでした。）
🔥出てー！！（歌い出しがもやっとしている時）
🔥吠えろ！！（しっかり声が出ていない時）
🔥休憩っっ！！（と言い放ち、ぷいと部屋から退出。覇気なく進歩もない時）
と大声で厳しいご指導されていました。
「趣味なので、ただとにかく楽しく」
と音楽のこだわりや上達を排除する合唱団（そういうのを私たちは「おうたの会」と表現していました。）もあるくらいですから、
このような合唱団は少数派だったかもしれません。
でもやはり
振り返れば、「鍛えられた頃が懐かしい」んですね…。
先生は当たり前のこと…つまり「真剣に音楽をする」ということをしているだけのおつもりだったことでしょうし、
ある意味、団員さんたちの力を尊重し、諦めたり手抜きしたりもない、強い芯のようなものを私は感じました。
神々しいシーラカンスのように見えました…
「ピアノの先生」も、次第に楽しさばかり求められて…ここでふと振り返ると、数十年前には感じた、ゆるさ甘さへの違和感も、気づいたらマヒしていました。
勿論、楽しさは大事です。
私は子供時代、怖くも厳しくもない優しい先生に習って楽しかったですし。
しかし、毎回褒められてばかりいたわけではありませんし、
楽しかろうが楽しくなかろうが、毎日練習し、
新曲は先生が弾いてくれるわけでも説明を受けるわけでもなくても、両手で弾けるようにし、
暗譜するとか、直されたところは直すとか、課されたリズム練習を反復するとか…
レッスンが受けられる状態に、自分で準備したものです。
合唱の小手田先生は、コンクールはあまり好まれず、お客様を感動させる演奏することだけを目指しておられました。
私も、コンクールは、全面的に否定するわけではありませんが
勝つこと、賞賛されること、審査員の好みの演奏することは一番大事なことではないと思っています。
今ピアノレッスンに来られている生徒さん方は、コンクールではない目標に向かってそれぞれ頑張っています。
ふと
コンクールが目標ではなくても熱血指導🔥についてこられる人ってどのくらいいるだろう…
熱血指導🔥しなくても、自分の向上のために自律的にこつこつ努力できる人ってどのくらいいるだろう…
合唱団員さんのお葉書で、そんな疑問がわきました。
ピアノレッスンも
あの頃楽しかったなと…
それは、ただ楽しく（＝好き勝手に、とかおだてられてのせられてとか）ではなく、
しっかりお稽古事をやった充実感や達成感、挑戦や出会いや自分の成長の喜びなどを伴って
やっぱり楽しかったなと、懐かしく思い出してもらえたら…と思います。
〜 🍀 〜
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