子鹿物語(仔鹿物語)

 

可愛いバンビちゃんで和みたい!と思って観たら…

思っていたのと全然違いました。

子鹿との別れのシーンは「あらいぐまラスカル」を思い出させますが、現実はもっと残酷で涙、涙です。

 

超イケメンの優しいパパ(グレゴリー・ペック)、家族を守るのに必死でいつも不機嫌だけど可愛いママ(ジェーン・ワイマン)、金髪サラサラヘアーの息子ジョディ(クロード・ジャーマン・Jr.)。

ちっとも田舎臭くないキャスティングのお陰で、生きることの厳しさという重いテーマが和らいでいます。

 

子鹿が大きくなったり小さくなったりするので、一瞬、時系列を見失ったりもしましたが、動物や自然相手の撮影に苦労は付き物。

これが1946年の作品だということには感動するしかありません。

 

 

音楽はハーバート・ストサート。

「オズの魔法使」他、沢山の映画音楽を作曲しています。

オープニングでいきなり聞いたことのあるメロディーが流れてきました。

タイトルも何も分からなかったのですが、調べてみるとフレデリック・ディーリアスの「アパラチア」が元になっているようです。

 

 

長いですが、何度もテーマのメロディーが聞こえてきます。

作曲家ディーリアスの名前も「アパラチア」という曲名も初めて知りました。

なのに、メロディーを知っていたということは、どこかで耳にしていたのかな。

 

この映画の舞台はフロリダですが、ディーリアスは2年間フロリダ住んでいたことがあるようで「フロリダ組曲」を作曲しています。

 

 

なんですか?

この素晴らしい曲は!

 

こちらも「アパラチア」と同じく30分を超える長い曲ですが、どちらも柔らかな日差しを感じるような温かい気持ちになれる、そんな音楽です。

「フロリダ組曲」はフロリダの1日を音楽で表現しているので、まるで「子鹿物語」の世界観そのもの。

この映画のお陰でディーリアスの素敵な音楽にも出会えました。

 

おまけ♪

 

始まってすぐにさらっと流れていく親子の会話が少し不思議だったのでメモしておきます。

 

ジョディ 「時間がたつのは早いね」

パパ   「4月だからな」

 

???

 

1月は行く

2月は逃げる

3月は去る

4月もですか?

眠いからかな…