栄光のル・マン

栄光のル・マン

音楽がミシェル・ルグランということで一応チェックしていた映画です。
セリフはほとんどなく、車の音と音楽でストーリーが進んでいきます。
シェルブールやロシュフォールのような分かりやすい音楽は流れてきませんが、それがまた良いのです。
車好きレース好きでなければ、なかなか退屈な映画かもしれませんが、やっぱりスティーブ・マックイーンはカッコイイ!

前年の大会の衝突事故で夫を亡くしたリサの、
「そんなに大切なの?早く走ることが?」
問いに、その衝突相手であるデラニー(マックイーン)が答えます。
「世の中苦手なことばかり。運転が得意なものにとってレースは、人生なんだ」
私も素朴に疑問だったので、胸に刺さりました。

ところで...
この映画を観ている間中ずっと、クレイジーケンバンドの「あるレーサーの死」という曲が重なっていました。

  雨が降る 雨が降る シャンパンの雨が
  闘い敗れた俺の胸を叩く
  振り切れぬきのうの悔しさが
  この雨のように 止めどなく溢れ出す

レースが終わったシーンはまさにこの歌詞のよう。
そしてエンディングではやっといつものミシェル・ルグラン節が!!



「あるレーサーの死」は歌詞だけでなく、音楽的にもこの映画にかなりインスパイアされている、と分かる人には分かります。