ぜひ、生で観たいと思いつつも
この作品が日本でできるか不安だったが
ついに幕をあけることになったため
初演を職場の副主任と観にいってきた
9.11の中、アメリカの領空が封鎖されたため
人口1万人にも満たないカナダのガンダー島に
約7000人を載せた38機の飛行機が緊急着陸し
島民たちが助け合いながら被災者たちを助けた
ノンフィクション・ミュージカル
いつも主役級の役を演じてる俳優さんたちが
6~12役演じてるなんて信じられず
だけど、しっかりと演じ分けしているのが
さすがでしかなかった
以下、キャスト感想(敬称略)
ダイアン、他:安蘭けい
ダイアンはじめ8役を演じる安蘭さん
ニック演じる石川禅さんとの掛け合いよく
大人の第2の人生を生きる中で
デュエットの「Stop the World(世界をとめて)」での優しい歌声がよかった🎶
その前の「Screech In(ラム酒を飲め)」での知ってる人がいないからホントの自分になれるとはっちゃける姿があるからこそ
バラードでの優しさがより強く感じた
ニック、他:石川禅
ニックはじめ8役演じる石川禅さん
管制官のダグでは地元民の前では普通だが、妻のボニー(シルビア・グラブ)の前ではボニーに負けて狼狽える姿が面白かった
そして、ニックではイギリス人としてのジョークであったり表現がよく伝わり、ダイアンに恋心抱きつつ1歩踏み出せずにいる姿があどけなく感じた。ラスト前にダイアンのおでこにキスをするのもニックらしいところである❤
ケビンT、他:浦井健治
ケビンT含め11役演じる浦井健治さん
Tは社交的というか楽観的で、すぐにガンダーに溶け込もうとする。「Costume Party(仮装パーティー)」でみんなが現実を受け入れられない中『ものの見方を変えなくちゃ』と次に進もうとするのもケビンTらしいところかとおもうし、ケビンJ(田代万里生)との掛け合いもよかった。「Screech In」で、島民になる儀式に参加したときの温度差もこのカップルだからこそかもしれない
そして、「Prayer(祈り)」での聖歌の歌声がとても綺麗だった✨
ボブ、他:加藤和樹
ボブ含め10役演じる加藤和樹さん
ボブのニューヨーカーとして犯罪が当たり前な中、地元民たちの優しさに触れて心を許す変化がわかりやすく表現されていた。
その優しさがあったからこそ、ダラスに帰ったときにアメリカでの現状を目の当たりにしたときの深刻さがよりヒドイものだったのだと感じさせる。
ボブのほかはコメディキャラも多く、アネット(濱田めぐみ)の妄想で過大評価されてるブリストル機長でセクシーに語りかけるところは笑ったw
ジャニス、他:咲妃みゆ
ジャニスはじめ7役演じる咲妃みゆさん
ジャニスの新人として駆け回る姿や、ハンナ(森公美子)の話を聞いて現状に心を折れかける心情が見事に表されていて心に沁みた。プログラムでも〈ジャニスは寝る時間も服を着替える暇もなく、リポーターとしての役割を全うした〉とあり、初日から5日間。そして10年後と大きく成長する姿が見事に現れていたかとおもう👏👏
そして、「Welcome to The Rock(ザ・ロックへようこそ)」や「Screech In」でのダンスがキレが良くてとても綺麗だった°・*:.。.☆
ボニー、他:シルビア・グラブ
ボニーはじめ9役演じるシルビア・グラブさん
動物を愛するボニーの動物たちと接する時の優しい雰囲気とダグ(石川禅)に対する強い感じの対比が面白かった。動物たちには家族のように話し、妊娠しているボノボチンパンジーに母親として語るすがたはうるっときた
ケビンJ、他:田代万里生
ケビンJ含め10役演じる田代万里生さん
ケビンJではとても現実的であり皮肉を言ったりすることもある。「Costume Party」でガンダーに溶け込もうとする恋人のケビンTと次第にすれ違う姿にグッときた。そして、テノールのいい声が響いてた•*¨*•.¸¸♬︎
そして、イスラム教徒のアリでは、周りから偏見の眼差しで見られる中、自分は自分であるというような芯をもちすすんで動こうとする姿だったり、背筋を伸ばして歩く姿が印象的だった。ビューラ(柚希礼音)に次第に受け入れられていい事もあった中飛行機に乗る時に徹底的な身体検査をされたりとイスラム教徒に対する周りのあたりの強さに苦しさを感じるアリの姿に周りへの恐怖を感じさせられた。
このアリという役はとても重要で、観る立場からしたら〈イスラム教徒というだけで偏見にあい差別をされて可哀想〉と受けるかもしれないが、その時の他の乗客からしたら〈イスラム教徒がのることでこの飛行機も爆破されて殺されるかもしれない〉という恐怖があったと感じるとすごい課題を与えてくれる役柄なのかもしれない。
クロード、他:橋本さとし
クロード含め12役を演じる橋本さとしさん
「北米の北東の果てニューファンドランド」という声で物語がスタートするが
とても声がよく引き込まれた°・*:.。.☆
クロード以外にもアップルトンの町長も演じているが
声をうまく変えて変化をつけていてよかったです!
稽古中の会見ではポンコツ話が飛び交っていたが
本番ではみんなを率いてかっこよかったw
ビバリー、他:濱田めぐみ
ビバリー含め6役演じる濱田めぐみさん
6役で少ないというよりもビバリーやアネットの出番が多い
アメリカン航空初の女性機長であるビバリー
1番印象的なのがところどころで歌われる「私はトム、大丈夫」と夫のトムに電話で話すところかな
それぞれによってフレーズは同じだけど捉え方が変わってくる。それがよく出来ているように感じる
そして、なんといっても「Me And the Sky(空と私)」がすごくよかった(*´□`*)~♪
濱田さんのまっすぐな歌声が意志のつよいビバリーのキャラにぴったりでよくあっていたw
アネットでは男性陣との絡みとくにブリストル機長(加藤和樹)で妄想するときの感じが笑ったw
ハンナ、他:森公美子
ハンナ含め10役演じる森公美子さん
ハンナの消防士の息子の安否が知りたい「I Am Here(私はここにいる)」での無事を信じたい心からの祈りがとても伝わって涙がうるうる( ´•̥̥̥ω•̥̥̥`)
結末を知ってるとこの歌がより切なくなってくる
勝手な解釈だけど、「Costume Party」のときに同じ消防士の息子をもつビューラ(柚希礼音)に「消防士の息子がいると聞いて」というところで〈息子から連絡があったのでは〉と期待したが「自分にも消防士の息子がいる」となったときの〈聞きたいのは息子の安否だけ〉と落胆する表情が感じられた
だけど、そのビューラが常にそばにいてくれたから、彼女の心が少しづつ和らいでいった感じもとても伝わった
ビューラ、他:柚希礼音
ビューラはじめ8役演じる柚希礼音さん
色々な人に目を配り、ハンナ(森公美子)に気を配ったり、困ってるひとに手助けだけでなく傍で見守ってくれる優しさが伝わった
アリ(田代万里生)に対しても最初は中東の男性ということで偏見を感じていたが彼のことを知ってから料理の手伝いに誘ったり、お祈りの場を提供したりしたことが印象だった
「Blankets and Bedding(毛布と寝具)」での奮闘ぶりも良かったが必需品を買いに行ったオズ(吉原光夫)とのやりとりも面白く、とても緊迫感が漂ってるというよりはコミカルな所もあるおかげでシリアスになることなく落ち着いて見られるとおもう
オズ、他:吉原光夫
オズを含め13役(!)演じる吉原光夫さん
オズの強気な感じが吉原さんにぴったりでよかったw
他にも飛行機の乗客の「Wherever We Are(ここがどこだろうと)」でその前の「28 Hours(28時間)」での不安な空気を吹き飛ばしてお酒をのんで楽しむ雰囲気をつくる歌もコミカルな吉原さんにあっていたようにみえるwww
そのぶん、「Prayer」でユダヤ教のひとを演じたときの落ち着いた雰囲気とのギャップがよかった。
深みのある歌声がとても綺麗でここちよく感じた
この作品はリアルを描いてるぶん情報もおおく
「28 Hours」や「38 Planes(38機の飛行機)」だけでなく
細かな日時がセリフに盛り込まれていた
そのぶん、日本語で伝えられるか不安になったが
「28 Hours」では2音加えることで「28時間」というフレーズをいれることができたし、
「Me And the Sky」でテロ攻撃が起きた「8時46分」というフレーズもはいることができた
だけど、聴こえづらいとかもなく
情報がしっかりと耳に残ったようにかんじる
細かな情報がながれていたが、そのくらい人々は情報に飢えていたように感じる
それにしても、今回は
主役級俳優たちの贅沢な使い方をしたとおもう
ソロの歌があるのは2曲
デュエットは1曲で
あとは全員で歌うところがほとんどなため
皆がコーラスに回ることがあるが
こんな使い方していいの!?ってくらい
素晴らしかった°・*:.。.☆
今回がこのメンバーあつまるの
最初で最後かもといわれているが
ぜひ、また集まってほしいと感じる