眠れぬ夜/西城秀樹(1980年)【春のポップサイド・ヒデキ! 3選 ②】 | ミュージックロボットAOIの原色★歌謡曲図鑑

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恋人への未練と自由の狭間の葛藤を、ヒデキらしく歌唱!

80年代ヒデキの音楽的冒険、オフコース・カバー!

「西城秀樹君が『眠れぬ夜』をシングルにすることになって…」

1980年11月、オフコースのコンサートで小田和正がファンにそう告げると、会場からは「え〜!」と非難の声があがった。

 

「眠れぬ夜」は、オフコースのライブ定番の人気曲。

が、西城秀樹のカバーには、思いの外ファンの抵抗が大きかった。

 

前年にシングル「さよなら」が大ヒット。が、オフコースはライブやレコーディングを優先し、テレビの歌番組に出演しない活動スタイルが、ファンの支持を得ていた。

当時、「ニューミュージック」と呼ばれたロック・フォーク系のシンガーやバンドは、従来の歌謡界といかに一線を画し、カウンターカルチャーたり得るかをアイデンティティとしていた。

 

そんなオフコースの曲を、歌謡界の象徴・西城秀樹が歌唱⁉︎

当時のオフコースファンの脳裏には、「情熱の薔薇」のごとくワイルドに「眠れぬ夜」を熱唱するヒデキの姿がよぎり、それぞれが不安で眠れぬ夜を過ごした。

 

が、ヒデキ版の「眠れぬ夜」を聴いたオフコースファンの反応は「意外に地味で安心した」「こっちもなかなか良いかも」と好感触だった…。

 

「たとえ君が目の前に ひざまづいてすべてを  忘れてほしいと涙流しても」と、この曲は、傷つけ合った恋人と別れ、自由な生活を選ぶ男性が主人公。

小田の歌詞には、恋人への未練と自由との狭間で戸惑う、それまでのヒデキの歌にはない繊細な男性心理が描かれていた。


ビートルズの「オブラディ・オブラダ」を意識したミディアムポップな原曲を、ヒデキはやや抑えたトーンで歌唱し、オフコース版にはない女性への「包容力」を感じさせる。

ヒデキが歌うと「この歌の主人公は色々葛藤しながらも、きっと正しい道を選ぶんだろう」という安心感が、楽曲に加味されるのだ。

 

80年代のヒデキは、他にも横浜銀蝿やもんたよしのりら新しいアーティストと積極的にコラボ。「眠れぬ夜」は、そんなヒデキの音楽的冒険の大きな成果曲だ。

 

「眠れぬ夜」

 作詞・作曲:小田和正

 編曲:船山基紀

 

 

舞台公演決定! 

舞台「原色★歌謡曲図鑑」

昭和から来た新人シンガーが、令和のヒットチャートを駆けめぐる!

 

【日程】2023年5月11日(木)〜14日(日) 全8公演

【劇場】CBGKシブゲキ ‼︎(東京・渋谷)

【出演】平松來馬/島津見/北澤優駿/山沖勇輝/山本ひかる/中西智也/筒井巧/夢月/IKKAN /森恵

【演出】扇田賢 【脚本】倉貫ソウゴ 

【主題歌】森恵「迷宮のエトランジェ」https://linkco.re/MEHYx82f

     

【公演HP】http://be-withmusic.com/stage/

 

【公演Twitter】https://twitter.com/CCAXihSTOTn5I9F