クライマックス御一緒に/あんみつ姫(小泉今日子)(1984年)【春のキャラクター歌謡 3選 ①】 | ミュージックロボットAOIの原色★歌謡曲図鑑

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脱・聖子ちゃんカットとあんみつ姫で、キョンキョン奔放路線へ!

「漫画の中の女の子が、夢のために、グッと意思の強さを見せる瞬間の表情がいいんですよ。スカッとします。」

小泉今日子は、対談集「小泉放談」で少女漫画の魅力を熱く語っている。

 

そんなキョンキョンの初主演ドラマは、1983年のフジテレビ月曜ドラマランドの「あんみつ姫」。「のらくろ」の田河水泡の門下生、倉金章介による、戦後復興期の人気漫画が原作だ

 

江戸時代の大名のお姫様あんみつは、それまでおしとやかなヒロインが多かった少女漫画では異色の存在。おてんばな姫が、口うるさい家老の目を盗んで城下町に繰り出す奔放な姿は、少女たちに大人気を博した。

 

あんみつ姫を演じたデビュー2年目のキョンキョンは、それまでの聖子ちゃんカットをバッサリとショートにして、ファンを驚かせた。歌も「真っ赤な女の子」で活発な女の子路線に転換した時期で、奔放なあんみつ姫のイメージと見事にシンクロした。

 

「クライマックス御一緒に」は84年のドラマ第三弾の主題歌として、「小泉今日子」ではなく「あんみつ姫」名義でリリース。そのせいか、この曲のキョンキョンのボーカルは、より遊び心が満載で楽しい。

「Do Do Dokkin Do Do Dokkin!」というサビのフレーズは、2ヶ月後にリリースされる「渚のはいから人魚」の「ズキドキン!」の姉妹版の趣き。作詞は同じ康珍化で、男の子に恋の駆け引きを仕掛ける女の子がキュートに描かれている。

 

Bメロの「ねぇ〜シーン1〜♪」やラストの「Sekkin あなたSekkin〜♪」で聴かせる、キョンキョン得意の「カラッとしたアイドル的しゃくり」も絶好調!「アハン」という吐息まで入り、奔放な女の子路線を、見事に確立。

 

あんみつ姫の「江戸のおてんばなお姫様」のコンセプトは、その後、宮崎あおい主演の大河ドラマ「篤姫」にも受け継がれ、大ヒットに繋がった。

 

 

「クライマックス御一緒に」

  作詞:珍康化

  作曲・編曲:井上大輔