私の個人的な好みとして、
「どうせやるなら、とことん吸収したい、活用したい」
というところがあります。
ゆえに、広く浅く、が良い方とはちょっと指向が違うと思います。

というわけで、ここに書いていることは
「こうした方がいい」というよりは
「私だったらこうする」というだけで
皆様に「こうした方がいい」と押し付けるものではありません。

ただ、ご自身で考えられた上でのその行動ならば、
何も申し上げることはありませんが、
考えることなく、なんとなく選択している行動なのであれば、
一度振り返ってみませんか?と
提案している、と思っていただけると幸いです。



さて、今日電車に乗ったところ、
幼稚園年中くらいの男の子とママ様が座っておられました。
男の子は、音楽のワークブックを広げていて、
職業柄どんな教材かしら?と思ってしまい、
失礼とは思いましたが、教材やその親子の様子を拝見していました。

ワークブックはピアノを習い始めの子どもに与えるタイプの、
鍵盤の絵が描いてあり、「ドの位置に色を塗りなさい」とか
手の絵が描いてあり、「1の指(親指)に色を塗りなさい」という、
塗ったり書いたりするようなものでした。
バッグを見ると、某有名音楽教室のもので、
小学校受験に強い、などと言われている人気のお教室です。

電車の中は不安定で、およそ「書く」「塗る」といった作業には適しません。
男の子もなかなかやりたがらず、
「電車が止まったらやる」などといい、
ママ様も「ほら、今停まってるから急いでやりなさい」と
停車のたびに、急かしていました。
当然、塗り方などもその子ができるであろうクオリティを
満たしていないように見えましたし、
筆圧も弱く、
集中もできておらず、
もったいないやり方だなぁ、と思ってしまいました。

たまたまその日、宿題をやり忘れて
あわてて車内でやっつけ仕事で終わらせているのか?
と思いましたが、
どうもそうではなく、ママ様がめくったそのワークの過去のところも
同じような出来映えでしたので、
もしかするとしょっちゅう移動中に済ませているのかもしれない、と想像しました。

お子さんがワークをなんとか終わらせたあと、
ママ様は、先生との連絡帳のようなものを取り出し、
何か書いておられました。
まだ、年齢的にも、進度的にも習い始めて日が浅く、
習慣づいていないため、
ママに声をかけられなければ
宿題などできないでしょうから、
子どもが忘れていた、というよりは
ママ様が忘れていた、のだと思います。

電車の中で何かをすることは、
一見合理的に時間を使ってよいことのように思えますが、
この親子の場合、
お子さんは塗りにくいため、
座席シートにワークを広げ、
床に座り込んで、シートを机のようにして塗っていました。

こういうことが、後々、電車内で一からメークをするなどの
まるで自分の家のような感覚で
空間を使うことへの抵抗を薄れさせてしまうようにも思いましたし、
そんなことを覚えさせるくらいなら、
正直に先生に謝って、次回に繰り越した方がマシだと
私は思います。

「とにかくやってさえあればよい」という姿勢でやらせることを続けてしまうと、
その後、学校へ上がった際、
学校の宿題や、学習、テストなども
「やってあればよい」「書いてあれば良い」と無意識に思ってしまわないだろうか、
と心配になりました。

この親子からはほかにも思うことがあったので、
後ほど続きを書こうと思います。