全てを超える

 

 パリオリンピックも中盤戦から終盤戦へ移ろうとしている。

 パリオリンピックでの選手たちの勇姿に花を添えている楽曲は間違いなく今回紹介する楽曲だろう。

 

舞台に立って/詞・曲:Ayase 

 

スポーツマンガが題材に

 昨年の「第74回NHK紅白歌合戦」のハイライトは間違いなくこのユニットだった。そんなYOASOBIはご存じの通り、「小説を音楽にするユニット」だ。

 今回、この楽曲を手掛けるために3つのスポーツマンガから小説を執筆して楽曲が制作されている。

  • はなれたふたり・作:タイザン5
  • パラレルレーン・作:桐島由紀
  • 終わらないデュース・作:春野昼下
 この3作を元に江坂純が小説を執筆し、それをAyase が歌詞に変換した。
 
 そうして完成したこの楽曲は「NHKスポーツテーマ2024」としてパリオリンピック・パラリンピックをはじめとするNHKスポーツ中継などで利用されている。

 

ギターから始まる楽曲

 この楽曲はikuraの歌唱と共にギターが鳴り、始まるバンドサウンドだ。NHKのスポーツテーマとしてはこのような要素で歌唱された楽曲は「風が吹いている(いきものがかり)」以来だろうか。 しかし、この楽曲は鳴り続ける。

 

 一方、「NHKサッカーテーマ」に目を向けると、バンドやロックが先行した楽曲となっており、今回のテーマと類似する点が数多くある。一応、断わっておくがギターが鳴るのがダメという事ではないし、楽曲批判をしているわけでもない。

 

 YOASOBIは昨年の「アイドル」に象徴するように電子音を多用する。その理由としては仮曲の段階ではボカロを用いたデスクトップミュージックとして完成しているからだ。そう考えると、YOASOBI的にはバンドサウンドは珍しいことになる。

 しかし、コンポーザー・Ayase は以前バンドを結成しており、ルーツにはバンド・マキシマム ザ ホルモンも含まれている。昨年の「アイドル」の大ヒットからも考察するに、バンドサウンドで制作するのは自然な流れでもあるだろう。

 更に、”夢の舞台に挑戦に行く”アスリートを後押しする楽曲でYOASOBI自身も”多くの世代が聴く楽曲を制作する挑戦”をしている。だからこそ、YOASOBIの新たな世界でそれに応えたのだろう。

 

SNSの世界を歌う

不条理を前に立ち尽くすこともあった
他人は好き勝手ばっかり言うし

(歌詞より引用)

 

 5年前、突如Youtubeに投稿されたMVがSNSを中心に話題を集めた。2020年の大晦日「第71回NHK紅白歌合戦」に「角川武蔵野ミュージアム」からの中継でその姿を全国へ明かした。

 そんなYOASOBIが声高らかに上の歌詞を歌う。この歌詞は前回のオリンピックでも問題となった選手への誹謗中傷も含まれているだろう。

 

 SNSが発達する前までは会場でのヤジやブーイング、テレビの前でのお茶の間の会話で済んでいたものが、より広く表明できるようになったからだろう。しかし、YOASOBIはそんなSNSでの評価に基づき、ラジオ・テレビへの出演が始まった。

 だからこそ、刺さる部分だと筆者は感じているのだ。

 

 そんな多くの人の思いや自分においての”壁”など多くのものを超えた先に、立てる舞台がある。未来の自分が見える。

 SNS時代、正真正銘”令和”に生まれた応援歌を世界に注目される2人が完成させたのだ。

 

 

予想調査を行っています

 MUSIC LIFEが提供する話題の中心にもある「NHK紅白歌合戦 出場歌手&曲目予想」を今年も行います。

 

 昨年同様、「NHK紅白予想調査」も行い、予想に反映させます。

 実施方法は昨年同様でありますが、大変わがままなことだと思いますが、回答は以下の凡例に従って頂けるとこちらの集計が行いやすくなります。

 調査フォームは「Google Forms」と「Microsoft Forms」の2種類(内容は同じ)を利用しております。

 皆様の「推しの魅力」などもどうぞお書きください。

 皆様のご協力の程、よろしくお願いいたします。

〇Google Forms

 

〇Microsoft Forms