♬ これからも～いつもまってるよ ♬
今年、3月にテレビアニメ「ちびまる子ちゃん」の主人公・まる子役の声優・TARAKOが旅立った。
テレビ史の中で最高視聴率を獲得したアニメとしても知られる「ちびまる子ちゃん」ではあるが、このアニメの注目すべき点はオープニングとエンディングを飾る数々の名曲ではないだろうか。
事実、３月から何週かは、再放送や再構成をした編成となり、懐かしの楽曲たちが流れ、大きな話題となった。
そんな、「さくらももこと音楽」について深堀しよう。
条件は巨人の優勝｜うれしい予感・渡辺満里奈
初代オープニング楽曲となった渡辺満里奈「うれしい予感」は完成までに多くの時間が必要となった。何故なら、作曲を担当した大滝詠一からの条件として「巨人の優勝」が課されたからだ。
無事に巨人が優勝して完成した楽曲は洋楽の風が感じられる懐かしさあふれる楽曲となった。更に、コーラスアレンジは山下達郎が行い、アニメテーマとしては現代では考えられない熱量が注ぎ込まれた。
「うれしい予感」と共に収録した同期エンディング楽曲「針切じいさんのロケン・ロール」は植木等が歌唱、コーラスにはさくらももこ、イルカ、TARAKOが担当してる。
余談だが、2021年にNHK BSプレミアムで放送された「我が心の大瀧詠一」では「うれしい予感」をTARAKOがカバーした。
植木等のエッセンス｜おどるポンポコリン＆アララの呪文
現在はももいろクローバーZが歌唱しているオープニング楽曲である「おどるポンポコリン」、2004～2012年のエンディング楽曲「アララの呪文」
作品のタイトルで「まる子、クレージーキャッツに入りたい！」がある。上で挙げた「針切じいさんのロケン・ロール」はクレージーキャッツのメンバーであった植木等が歌唱しているが、そのシンパシーや共通性がある楽曲が「おどるポンポコリン」と「アララの呪文」だ。
クレージーキャッツの代表作ともいえる「スーダラ節」は「♬スイスイ スーダララッタ スラスラ スイスイ」、「おどるポンポコリン」では「♬ピーヒャラ ピーヒャラ パッパパラパラ」、「アララの呪文」では「♬アララ カタブラツルリンコ」と意味がありそうでない歌詞が登場する。
更に、このような歌詞を明るいメロディーで歌うことで爽快感があり、頭から離れない楽曲となるのだろう。
劇中でも登場する西城秀樹
2018年に西城秀樹が旅立った際に、放送で西城秀樹の似顔絵が流れたことは印象深い。現代の子供たちが「秀樹、感激！」を聞けば、カレーではなく「ちびまる子ちゃん」のお姉ちゃんが思い出されることだろう。
そんな、西城秀樹もエンディング楽曲「走れ正直者」を歌唱している。この楽曲は日本に”スカ”のリズムを浸透させたと言われており、楽曲のあり、なしではその後の日本音楽史の系譜が変わってたかもしれない。
奇しくも、西城秀樹が旅立った数か月後、さくらももこも旅立った。
歌詞付きの手紙｜100万年の幸せ!!・桑田佳祐
せめて 100万年ほどは幸せでいようよ
（歌詞より引用）
2012年1月、桑田佳祐へさくらももこから手紙が届いた。そこには、歌詞も書かれていたそうだ。この歌詞に桑田佳祐が曲をつけて完成した楽曲がこの「100万年の幸せ!!」なのだ。
2017年には「茅ヶ崎の約束」という作品が放送され、挿入歌として「波乗りジョニー」や「勝手にシンドバッド」が使われ、桑田佳祐もアニメキャラクターとして登場した。
2018年にさくらももこが旅立った際には「茅ヶ崎の約束」が再放送され、桑田佳祐は青山葬儀所で営まれた「さくらももこさん ありがとうの会」に参列し、献歌として同楽曲を歌唱した。更に、桑田佳祐が同年12月に行った「平成三十年度! 第3回ひとり紅白歌合戦」では西城秀樹「Y.M.C.A」と「100万年の幸せ!!」をメドレーで歌唱し、大きな話題となった。
そして、今年、TARAKOが旅立ったことが公表された後、3月10日の放送では2015年4月5日に放送された「おばあちゃんの誕生日」をアンコール放送した。その際にエンディングでこの楽曲が流れた。
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