10代が紡ぐ音楽たち

 

 人が人生の中で好む音楽が形成される年齢は13歳から14歳の時期だそうだ。また、人生の中で最も力がみなぎっている年齢は17歳だそうだ。

 これらの観点から、音楽という芸術では10代の頃に創り出したものが素晴らしいことが多くあるということになる。今回は「10代音楽史」と題して4年代(1990~2020年)を10代が紡いだ音楽で見ていく。

 

’90|”自分らしさ”の表現

 1990年代は今でも注目となるとともに、語りるがれる歌手が花咲いた時代だ。安室奈美恵、浜崎あゆみ、宇多田ヒカル...それぞれの音楽でムーブメントを引き起こした。

 さらに、安室奈美恵を彷彿とさせるファッションをしている人を「アムラー」、浜崎あゆみを彷彿とさせるファッションをしている人を「アユラー」などと言われるほど、歌手が社会を動かすほど大きな存在となった。

 音楽界で言えば松任谷由実からブームを引き継いだ小室哲哉がプロデュースした安室奈美恵が話題を集めた。この小室哲哉に「ブームが終わる」と感じさせたシンガーソングライターが宇多田ヒカルだ。

 宇多田ヒカルは12,3歳までは小説家を目指していたほど文学を居場所としていた中でリリースした1枚目のアルバム「First Love」が空前のヒットとなった。

 

 

最後のキスは

タバコのflavorがした

ニガくてせつない香り

(「First Love」歌詞より)

 このような、出だしからびっくりさせられる歌詞は、未だ生まれることはないだろう。

 また、アイドルを見ても社会を作楽曲や独自のスタイルを持ったモーニング娘。がデビューした。20年以上前の楽曲が現代でも通じる。このような楽曲を歌わせ、アイドルらしからぬ「三の線」が入った振り付け相まって独自のスタイルが完成している。

 このように自分、ないし自分たち”らしさ”を表現した楽曲が多く世に提供された。

 

'00|誰でもわかる”恋”ソング

 2000年代に突入するとサザンオールスターズ、桑田佳祐を筆頭にベテラン歌手のヒットが続く。そんな中、ZONEやYUIといったバンドやシンガーソングライターがヒット曲を生み出す。

 

 

出会いは ふっとした 瞬間 帰り道の交差点で

声をかけてくれたね 「一緒に帰ろう」

(「secret base~君がくれたもの~」歌詞より)

 ZONEは物語性が強く、多くの人が共感しやすいラブソング「secret base~君がくれたもの~」で「第52回NHK紅白歌合戦」に初出場を果たす。一方、2004年から活動を開始したYUIも同様に分かりやすく、共感しやすい歌詞で恋を描いた「CHE.R.RY(2007年)」がヒットした。

 この時代のアイドルを見ても、AKB48も「♬会いたかった」や「♬大好きだ 君が大好きだ」など分かりやすい言葉で歌った。そして、分かりやすい振り付けで多くの人が真似をした。

 つまり、誰もが共感できる「恋・恋愛」をテーマの楽曲が生み出され、当然ながら多くの人から共感を得た。

 

’10|葛藤を歌う

 2010年代に入ると、目まぐるしく社会がデジタルへと変化していく。多くの人がスマートフォンを持ち、学校でもコンピューターが活用された授業も多くなってきた。そんな中で、葛藤を抱えたり、やるせなさを抱えたりすることが多くなったように感じる。

 ’12年にデビューしたシンガーソングライター・家入レオは自分が抱えたそうした気持ちを楽曲に込めた。

 

 

いつだって いつだって 現実は闇にとけてく

言葉の静寂にうちのめされても

(「サブリナ」歌詞より)

 桑田佳祐は「ロックとは悲しみを大声で歌うこと」と言っているが、正に悲しみを大声で歌うことが多くなった時代だともいえる。

 同じように欅坂46も嘆き苦しむ若者の声のような歌詞の楽曲を多く歌唱した。モーニング娘。も同じような暗い内容を含んだ歌詞の楽曲を歌うこともあったが、メロディーは明るかった。しかし、欅坂46はメロディーも暗かった。

 つまり、嘆きを乗せた歌詞を暗いメロディーにのせることで安心感と安定感をリスナーへ与えた。

 

’20|時代を顧みる

 2020年代に突入して未曽有の事態が起こり続けている。それも相まって、デジタル社会が完成しつつある。加えて、SNSの浸透により人とのつながりが強くなり、人から逃げられないような社会になってきた。

 そんな時代に流行しているものは、アナログ的なレコードやカセットテープだ。それと共に、シティポップや昭和歌謡、演歌が再評価されている。ブームは必ず戻ってくる。つまり、K-popの次には演歌・歌謡曲がブームになってもおかしくない状況が出来ている。

 そんな中でデビューした演歌歌手・梅谷心愛はテレビ朝日系の番組「サンドイッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん」で”美空ひばり博士”として話題となった。そんな、梅谷心愛は同番組で”昭和歌謡博士”こと左合桂三と、”エレクトーン博士”こと井上暖之が作詞作曲した「軌跡」をリリースした。

 

 

雲雀の飛ぶ 先へ駈けていた

幼い日々の面影

夢見た歌への道

(「軌跡」歌詞より)

 10代3人が協力して出来た楽曲は昭和歌謡のリスペクトが伝わる楽曲となっており、懐かしさと新しさが同居するメロディーに、歌への情熱と人生の軌跡を綴った歌詞が美しくも力強い歌声が映し出している。

 この他にも今年リリースされた僕が見たかった青空の楽曲「卒業」はシティポップをオマージュしたような楽曲となっている。

 このように、現在までの20年代は時代を顧みる楽曲が多く世に提供されている。

 

 

予想調査を行っています

 MUSIC LIFEが提供する話題の中心にもある「NHK紅白歌合戦 出場歌手&曲目予想」を今年も行います。

 

 昨年同様、「NHK紅白予想調査」も行い、予想に反映させます。

 実施方法は昨年同様でありますが、大変わがままなことだと思いますが、回答は以下の凡例に従って頂けるとこちらの集計が行いやすくなります。

 調査フォームは「Google Forms」と「Microsoft Forms」の2種類(内容は同じ)を利用しております。

 皆様の「推しの魅力」などもどうぞお書きください。

 皆様のご協力の程、よろしくお願いいたします。

〇Google Forms

 

〇Microsoft Forms