平和の琉歌/サザンオールスターズ
Kiroro、HY、三浦大知。3人に共通することは沖縄県出身であること。もう一つは沖縄県を舞台にした「NHK連続テレビ小説」の主題歌を歌っていることだ。そして、昨日は沖縄が本土に復帰して51年となった。
沖縄の歌手は「平和」への想いを歌にして歌ってきている。しかし、沖縄出身でない歌手も沖縄に関連付け「平和」への想いを歌にしている。その代表的歌手はこのブログでも取り上げた森山良子「さとうきび畑」だろう。一方で、今回紹介する曲もその中に含まれるだろう。
平和の琉歌/サザンオールスターズ 作詞・曲:桑田佳祐 編曲:Southern All Stars
沖縄だけで歌われた曲
上のSpotifyのリンクは1998年リリースのベストアルバム「海のYeah!!」だが、その前にはこの曲は完成していたとされている。その証拠が1997年にDVD、VHSとしてリリースされた「平和の琉歌〜Stadium Tour 1996”ザ・ガールズ万座ビーチ”in 沖縄〜」の存在だ。サザンオールスターズが1996年に行ったツアー「ザ・ガールズ万座ビーチ」の沖縄公演で披露されていたのだ。
「アメリカの傘の下 夢も見ました 民を見捨てた戦争(いくさ)の果てに」(歌詞より)
当時、沖縄の在日アメリカ軍が立て続けに事件を起こしていた。そして、桑田は沖縄に関連する舞台を観劇した。そのようなことが重なり、ツアーの沖縄公演でのみこの曲を披露したのだろう。
この曲は、通常運行のサザンの曲とは違い、歌詞が聞き取りやすいほどゆっくりとした曲となっている。このような点も、時間の流れが本土とは違う沖縄色を出しているようにも思える。
これだけじゃない、沖縄曲
サザンオールスターズは「平和の琉歌」以外にも沖縄に関する曲をリリースしている。それは原由子がボーカルと務めた「ナチカサヌ恋歌」だ。この曲は1990年にリリースしたアルバム「SOUTHERN ALL STARS」に収録されている。そのため、「平和の琉歌」以前より沖縄に焦点を当てていたことになる。
「待ちわびる男性(ひと)は帰らない 離ればなれて戦(いくさ)の果てに」(歌詞より)
この曲名にもあり、歌詞にも出てくる「ナチカサヌ」とは沖縄の言葉で「悲しい」と言う意味だ。直訳すれば「悲しい恋歌」となる。
なぜ悲しいか、それは上に書いた歌詞で想像できるだろう。恋人(彼氏)は戦争へ招集されたのだ。この曲の物語からすると、沖縄戦だろう。サザン桑田のこの曲での表現方法は全て沖縄の言葉で表している。そこに、原由子の浮遊感漂う歌声が加わることでより曲の世界観が広がっている。
2曲に共通して言えることは「平和」への想いを広く共通理解を図ろうとしていることろだろう。それが、サザンオールスターズ意図して行っているかは不明だ。だが、この曲を通してリスナーが思いを巡らせることができるのは確かだろう。
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