ジャズセッションで使う譜面って？

セッションホストをやると、よく直面するのが「譜面問題」。

セッション参加者が準備しておいてホストに渡して演奏してもらうための譜面です。どんな譜面を用意したらよいのか、悩んだり、分からなかったりするという声をちょくちょく耳にするので、まとめてみました。あくまで僕の個人の考えです。

セッションで使う譜面とは、ズバリ「C譜」です。C instruments 用の譜面、in Cの譜面、コンサートキーの譜面、、、、などとも言います。これが必要。

そして、譜面にはメロディーとコードが必要です。コードだけを書いているものでも大丈夫ですが（例　iReal）、メロディーとコードの関係を理解するには、やはりメロディーも書いておいてほしいものです。

iReal https://apps.apple.com/jp/app/ireal-pro/id298206806

次のものを持参されても、セッションホストとしては困惑します。

(1) 歌詞にコードが付記されているもの

いわゆる「歌本」ですね。昔、雑誌「明星」にこんなのがあったような記憶があります。これは、「曲を知っている」ことが前提です。知っていれば、歌詞に付記されたコードを弾くことができますが、コードチェンジのタイミングや、小節数などが書かれていないので、知らない曲はまったく弾けません。

(2) 自分用のパート譜

オーケストラ、ビッグバンドなどでは、全体がたとえば32小節の曲でも、「自分は後半の17小節目から演奏するのであって、前半は休み」という場合、前半16小節は長休符が書いてあるだけで、一切コード進行が書いていないという譜面があります。これはあくまでも自分のパート譜であって、これをセッションホストに渡しても、曲全体の構成が分からないので弾けません。（知ってる曲なら弾きますけどね）

(3) 移調譜

アルトサックス（in Eb、Es管）、テナーサックス（in Bb、B管）など、ドレミファソラシドのつもりで吹いても実はEb, F, G〜だったり、Bb, C, D〜という楽器があります。移調楽器ですね。そう鳴っているのに、譜面にはドレミファソラシドと書いていることがあります。これが移調譜。

その移調譜をセッションホストに渡すと、違うキーの演奏になってしまします（ホストはギターやピアノなど移調楽器でないことが主なので）。アルトサックスは自分の移調譜に対して、ホストに渡すのは短三度上の譜面にしましょう。例えばAキーの移調譜の場合、ホストに渡すのはCキーになります。テナーサックスの場合は、移調譜の長2度下の譜面をホストに渡してください。例えばDキーの移調譜の場合、ホストに渡すのはCキーです。

セッションの現場では、管楽器用にin Bb, in Eb の移調譜を必ずしも用意していないことも多いので、in Cの譜面を読めるようになっておくと良いでしょう。

(4) カポ譜

上の(3)と同じ理屈です。ギターでカポを使う人の場合、たとえば「3カポplay G」の譜面はGで書かれていますが、実際に演奏しているのはBbキーです。ホストに渡す譜面はBbキーとなります。

(5)バンドスコア

数ページにわたる市販のバンドスコアのコピー。これも困ります。演奏しながらページをめくることができないし、かといって全ページを譜面台に並べることもできないし、リピート記号が出てきたら、数ページ前に戻ったり、、、、とにかく読みにくいのです。

これはメロディとコードだけを1〜2ページにまとめてめてからセッションに持参してください。

・・・・ということで、譜面についていろいろ書きましたが、譜面の準備が難しい方、ご自身で譜面を作れない方は、ご相談ください。ご依頼いただければ作成します（有料）。← ちゃっかり宣伝

ちゃんと譜面を持っておけば、どこのセッションに行っても、ホストに演奏してもらえるので、結局はご自身の良い実践経験になるわけです。

あと、余談ですが、イントロやエンディングを譜面に明記しているのも見かけます。ポップスなどはそれでよいのですが、ジャズではやめたほうがよいでしょう。毎回決まったイントロとエンディングでしか歌えない（弾けない）ことになってしまうので、即興音楽ではなくなってしまいます。