こんにちはー!
最近はガストに行くと、ライス大を2つ注文することが当たり前になってしまっている虫歯天使です!
ミニ地球の歴史
密閉された瓶の中の生命
- 1771年: イギリスの科学者ジョセフ・プリーストリーが、植物が「汚れた空気」を浄化する能力があることを発見し、密閉された容器の中で植物とネズミを共存させる実験を行いました。
- 1829年: Nathaniel Bagshaw Ward が、密閉されたガラス容器の中で植物を栽培する「ウォードの箱」を発明しました。これは、長距離輸送中の植物の枯死を防ぐために開発されたものですが、閉鎖環境下での植物の生育が可能であることを示すものでもありました。
- 1960年代: 動物行動学者 コンラート・ローレンツ が、自然の生態系を模倣した水槽の研究に取り組み、「ローレンツの水槽」と呼ばれるバランスドアクアリウムの原型を開発しました。外部からのエネルギー供給や水交換を最小限に抑え、魚や水草を長期間飼育することに成功し、後のバランスドアクアリウムの発展に大きな影響を与えました。
宇宙開発時代
生命維持システムへの挑戦
20世紀に入り、宇宙開発競争が激化すると、閉鎖生態系研究は新たな局面を迎えます。
BIOS-3 - 人類の宇宙進出を支える閉鎖生態系
BIOS-3は、シベリアのクラスノヤルスクにある生物物理学研究所に建設された、世界で初めて人間が居住可能な閉鎖生態系実験施設です。1965年から実験が開始され、1972年には、3名のクルーが1年間の閉鎖環境滞在に成功しました。
BIOS-3は、3つの区画に分かれており、それぞれが異なる役割を担っています。
- 植物区画: 藻類や高等植物を栽培し、酸素の供給と食料の生産を行います。
- 人間区画: クルーの居住空間であり、生活に必要な設備が備えられています。
- 微生物区画: 人間の排泄物や植物の枯死体などを分解し、物質循環を促進します。
BIOS-3実験では、閉鎖環境下における人間の心理的・生理的影響、物質循環の効率、生態系の安定性など、様々な課題が検証されました。その成果は、後の宇宙ステーションや月面基地における生命維持システムの開発に大きく貢献しています。
「人間-クロレラ」共生実験
閉鎖空間での生存への挑戦
BIOS-3実験に先立ち、生物物理学研究所では、「人間-クロレラ」共生実験が行われていました。
この実験では、底面積4.5平方メートル、高さ2.5メートルの密閉された部屋に、被験者とクロレラを培養する装置が設置されました。クロレラは、光合成によって酸素を供給し、人間の呼気から排出される二酸化炭素を吸収する役割を担います。
実験の結果、クロレラは、人間の呼吸に必要な酸素を供給できることが確認されました。また、人間の排泄物は、クロレラの培養液の肥料として再利用され、物質循環の一部が実現されました。
バイオスフィア2
地球を模倣する試み
1990年代、アメリカで建設されたバイオスフィア2は、閉鎖生態系研究の頂点と言えるでしょう。3.15エーカーの広大な敷地に、熱帯雨林、海洋、砂漠など、地球上の様々な生態系を模倣した巨大なガラスドームが建設されました。
バイオスフィア2実験は、閉鎖生態系の中で人間が長期間生活できるか検証することを目的としていましたが、酸素濃度の低下や食料不足など、様々な問題に直面し、当初の目標を達成することはできませんでした。
閉鎖生態系研究
流行と衰退、そして新たな方向性
バイオスフィア2以降、同様の大規模な閉鎖生態系実験は行われていません。
しかし、閉鎖生態系研究そのものは、決して終焉を迎えたわけではありません。むしろ、より現実的な目標を設定し、新たな方向へと進展しています。
バイオスフィア2のような大規模な実験は下火になりましたが、閉鎖生態系研究は、より小規模で、具体的な課題解決を目指す方向へと進展しました。
MELiSSA
ヨーロッパの挑戦
ヨーロッパ宇宙機関(ESA)は、1989年からMELiSSA(Micro-Ecological Life Support System Alternative)と呼ばれる閉鎖生態系研究プロジェクトを進めています。MELiSSAは、宇宙における長期滞在を目的とした、生物学的要素と物理化学的要素を組み合わせたハイブリッド型の生命維持システムです。
MELiSSAは、5つの区画から構成され、それぞれが異なる役割を担っています。
- 液相区画: 廃棄物を分解し、栄養塩を回収します。
- 光合成区画: 藻類を培養し、酸素を供給します。
- 硝化区画: アンモニアを硝酸塩に変換します。
- 高等植物区画: 食料を生産します。
- クルー区画: 宇宙飛行士が生活する空間です。
MELiSSAプロジェクトは、現在も進行中であり、将来の月面基地や火星探査における生命維持システムへの応用が期待されています。
日本の閉鎖生態系研究 - 六ヶ所村の挑戦
日本では、宇宙航空研究開発機構(JAXA)を中心に、閉鎖生態系研究が進められています。特に、国際宇宙ステーション(ISS)における植物栽培実験や、月面基地における食料生産システムの開発などが注目されています。
また、大学や研究機関でも、閉鎖生態系に関する基礎研究や、環境教育への応用などが行われています。
中でも、日本の閉鎖生態系研究で最も有名なのは、青森県六ヶ所村で行われた**「閉鎖生態系実験施設(CEEF)」**です。CEEFは、1993年に建設され、2005年まで運用されていました。
CEEFは、居住区画、植物区画、微生物区画の3つから構成され、人間の生活に必要な酸素、水、食料を、閉鎖環境下で循環させることを目的としていました。実験では、ヤギや鶏などの動物も飼育され、人間を含む多様な生物種による閉鎖生態系が構築されました。
CEEFもまた、技術的な課題や資金的な問題に直面し、2005年に運用を終了しました。
中国の閉鎖生態系研究
中国は、近年、宇宙開発に力を入れており、閉鎖生態系研究も活発化しています。特に、月面基地建設を視野に入れた、閉鎖環境下での植物栽培実験や、資源循環システムの開発などが進められています。
虫歯天使のミニ地球実験
2010年頃
29歳でようやく定職についた虫歯天使は、学生用の共同アパートから、分不相応なかなりいいマンションに引っ越す(元嫁さんがかなりのお嬢様だったため)。そして、当たり前のように、ミニ地球についての実験を始める。
2011〜2013年頃
ミニ地球の作り方を確立し、サカマキガイ、レッドラムズホーン、ミナミヌマエビについて、「孫基準」での世代交代を成功させる。
2014年
ブログ「ミニ地球世界のプチ神様を目指して」を開設
2023年9月30日
1トン級ミニ地球「バイオキューブ」の実験開始
グッピーを主役とし、ミナミヌマエビ、ヨコエビ、ヒメタニシ、レッドラムズホーン、サカマキガイ、カワニナ、シジミ、アブラムシ、トビムシ、アリグモ、ヒドラ、さらにアクシデント的にカワムツ1匹、タカハヤ1匹、フナ1匹、ジャンボタニシ1匹が入った状態でスタート。あと水草多数。
2024年9月30日
グッピーは全て、子供世代以降に交代し、実験は順調に継続中。シジミは残り1匹にまで減り、絶滅は時間の問題となり、ジャンボタニシによって水草の多様性は低下したが、上記の生き物は未だすべて生存しており、高い生物多様性が保たれているといえる。
今後の展望
- グッピーの累代繁殖: あと何日、何年にわたってグッピーを維持できるか。目指すはギネス!
- エコロジカルフィッティングと、生態系の自己安定化システムの研究: ミニ地球では、本来の生息場所から考えると、絶対に出会うはずがなかった生き物達が、見事なバランスをつくりあげています。ミニ地球をつくるには、「絶妙なバランスの調整」が必要だと誤解している人が多いのですが、ミニ地球づくり第一人者である私からすると、「生物はバランスを構築すふ能力をもっている」ように見えて仕方がありません。
- 南海トラフ大地震を乗り越える: 私が確認した限り、過去につくられたミニ地球(魚入り)の最長維持記録は、1850日。つまりあと4年と18日である。虫歯天使のバイオキューブでは、既にグッピーの親世代が完全に入れ替わっていることが確認されており、ある意味ではもう超えているのだが、やはり5倍以上の維持記録には最大限のリスペクトを払わざるをえない。この記録を超えるために、最大のリスクとなるのは、南海トラフ巨大地震と、それに伴う大規模停電である。
体重100kgまであと、3kg!
note更新しました!
1トン級ミニ地球「バイオキューブ」の
観察•考察シリーズ! 前回はこちら!
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