新体制後の両A面シングル。今回も愛を伝えるという行為を金田康平が独自の洞察力で表現した歌だ。メンバーが増えたことによるサウンドの重層化以上に、楽曲の瑞々しさをがより顕著に感じられ、ポップソングとしての機能を十二分に発揮している。
金田の、愛に向う一場面をカットする歌詞、生々しさとリアルを捉えるその方法論は彼にしか出せない味だろう。『じゅんあい』の”好きっていわれたら”や『幸せのゴミ箱』の”錆びたギターで”の一節はともすれば古典的で、こんな表現を開けっぴろげに歌い回し、今のポップミュージックとして伝えられるところに、THEラブ人間の正しさがある。
ただ、ポップとしての価値が高まれば高まるほと、ロックとしての泥臭い部分は、洗練されていく。それは、音楽ビジネスの面から考えても仕方がないことである。今、このバンドはその転換期に来ている気がする。アーティストとして上を目指すほど、そのジレンマは増えていくだろう。
僕は金田の毒々しさが好きだ、愛を語る上で綺麗ごとだけを歌うだけでなく、その裏側もしっかり示しつつ、それでも愛って素晴らしいんだよと叫ぶ。そんな奴が今どれ位いるだろう。だからこそ、彼らはロックバンドなのだ。いつもながら、恋愛至上主義音楽集団よ永遠に。