今日は大気が寒冷に粒立っている。
が、棘刺す肌触りではない。
日の光が暖かいからだろう。
井の頭公園の風光がおしなべて柔らかい。
ホッとした。
カズオ・イシグロでよんだ小説は三篇。
いずれも語手が「奉仕するひとたち」であった。
イシグロ氏が、黒澤明の「生きる」のリメイク脚本をかいたのは偶然ではあるまい。
未見だが、ヴィム・ヴェンダース監督、役所広司さん主演の「PERFECT DAYS」も、奉仕するひとの話なのだろう。
浄めるひとかもしれない。
清めつづけることは難く、穢れることは容易い。
軽軽な判断は避けたいが、そういう国民性ではあるだろう。
黒澤明がいまのひとなら本気でゴジラを撮るだろう。