ニンニクなしでは、地中海ダイエットやおいしいプロヴァンス料理を楽しむことはできません。そして、心臓病や糖尿病などの慢性的な健康問題を避けたいなら、この強力な食材を定期的に食べることがお薦めです。学術的には Allium sativum として知られるこの食材は、料理の定番というだけでなく、人間の健康に驚くべき効果をもたらす強力な生物活性化合物の宝庫です。
最近の研究では、ニンニクには血圧を下げ、ウエストを引き締める驚くべき効果があることが明らかになっています。しかし、それは氷山の一角にすぎません。ニンニクには、健康への取り組み方を一変させる秘密が隠されています。
●ニンニクが健康を守る5つの科学的根拠
1. 心臓血管の健康を守る：2007 年に米国科学アカデミー紀要に発表された研究によると、ニンニクを摂取すると硫化水素と呼ばれる生理活性化合物の生成が促進されることがわかりました。硫化水素は強力な抗酸化物質として機能し、細胞シグナル伝達を助けて血液循環を促進し、血管を弛緩させます。ニンニクがアテローム性動脈硬化症、冠動脈疾患、心臓発作、脳卒中などの心臓病の自然療法および予防法として長い間知られてきたのは、このためかもしれません。
2. メタボリックシンドロームを自然に治療する：2017 年にJournal of Dietary Supplementsに掲載された研究 では、生のニンニクを摂取すると、メタボリックシンドロームの人の空腹時血糖値、ウエスト、コレステロール値 、血圧が大幅に改善されることがわかりました。メタボリックシンドロームは、高コレステロール、高血糖、高血圧、過剰な腹部脂肪などの致命的な合併症の集合体です。
3. 胃がん（およびその他のがん）のリスクを軽減する：2011年にGastroenterology誌に掲載されたメタ分析では、ニンニク、タマネギ、チャイブ、ネギなどのネギ科の野菜を大量に摂取すると、胃がんのリスクが大幅に軽減されることが報告されています。他の多くの研究でも、ニンニクの摂取により脳、肺、食道、前立腺のがんのリスク軽減されることがわかっています。
4. 変形性関節症のリスクを軽減する：BMC Musculoskeletal Disordersに掲載された 2010 年の横断的研究によると、ニンニクやその他のネギ属の野菜を定期的に摂取する女性は、股関節の変形性関節症のリスクが大幅に低下することがわかりました。著者らは、これはニンニクに含まれるジアリルジスルフィド（二硫化アリル）と呼ばれる化合物によるものではないかと述べています。この化合物は骨格の骨基質を分解する酵素を抑制すると考えられています。さらに、ジアリルジスルフィドは抗酸化作用、抗炎症作用、抗菌作用で特に注目されており、ニンニクが心臓血管の健康を改善し、さまざまな病気から守る能力に貢献しています。
5. 糖尿病を改善する：2017年にFood & Nutrition Research誌に掲載されたメタ分析の査読者は、ニンニクを摂取した2型糖尿病患者を調べた9件のランダム化比較試験を評価しました。被験者がニンニクサプリメントを1日あたり0.05～1.5g摂取したところ、血糖値やその他の主要な糖尿病バイオマーカーに有意な改善が見られました。さらに早産、アルコールによる肝臓障害、さらには風邪のリスク軽減なども報告されています。
●どれくらい食べたらいいの？
ニンニクの効能をすべて得るには、どれくらいの量のニンニクを食べればよいのでしょうか？正確な量はまだわかっていません。2007 年に米国科学アカデミー紀要に掲載された研究では 、1 日あたり中サイズのニンニク 2 片に相当する濃度のニンニク抽出物が紹介されました。多いように思えるかもしれませんが、ニンニクはほぼすべての食事に問題なく合うことを覚えておいてください（自家製サラダドレッシング、フムス、肉、魚、鶏肉、炒め物、オムレツなど）。信じられないかもしれませんが、韓国、中国、イタリアなどの国では、1人当たりのニンニク消費量は1日あたり8〜12片にもなります。
重要：ニンニクを摂取するときは、医療従事者に相談してください。ニンニクとニンニク抽出物は、血液凝固阻止剤を含む特定の心臓薬と相互作用する可能性があります。