長期的な健康を支える善玉菌 | 加藤 豪(Go Kato)

加藤 豪(Go Kato)

1人でも多くの人が救われるように、聖書の福音を述べ伝えています。

 最近の研究で、腸内細菌叢に含まれるビフィズス菌が代謝機能と免疫機能を改善することにより、肥満、高脂血症、糖尿病などの心血管疾患(CVD)の危険因子を低減する上で重要な役割を果たしていることが判明しました。UCLA医学部の先行研究も同様の結論に達し、心血管系の健康、気分、病気と闘う免疫系の能力における腸の健康の役割を強調しています。

 

 しかし、医師のうち、腸の健康に焦点を当てている人は何人いるでしょうか? 答えは明白で、非常に少ないのです。腸内には文字通り何兆もの微生物が存在し、内分泌系、消化、代謝、免疫系など、数多くの身体機能の調節に役立っています。 つまり、多様なマイクロバイオームが健康で長生きするための鍵であることは明らかです。

 

●ビフィズス菌は腸の健康の要

 米国国立衛生研究所(NIH)が立ち上げたヒトマイクロバイオーム・プロジェクトは、ヒトの腸内細菌叢に関する知識の科学的進歩を促すために作られました。特にビフィズス菌のバランスが最適であることが、腸の健康と全身の健康の重要な領域において極めて大切であることが判明しています。

 

 腸内細菌の中でもビフィズス菌グループは、人間の体にとって最も有益なもののひとつです。ビフィズス菌は、呼吸器疾患やアレルギーとの闘い、ストレスの影響への対抗など、さまざまな健康機能を発揮してくれます。また、過剰なコレステロールを低下させ、不安を予防する上でも極めて重要です。ビフィズス菌の量は、生まれた時には多い傾向にありますが、年齢とともに減少していきます。しかし、プロバイオティクスの摂取を増やすことで、ビフィズス菌の量を回復させ、生涯を通じて健康的な腸内細菌叢をサポートすることができます。

 

●食物繊維とプロバイオティクスは、ビフィズス菌の量を維持し、腸全体の健康を維持するために非常に重要

 健康なビフィズス菌量の回復を促進するための選択肢を探す中で、UCLA医学部の研究者たちは、非遺伝子組み換えトウモロコシの穂軸から作られるユニークなプレバイオティック食物繊維であるキシロオリゴ糖(XOS)に注目しました。 XOSは、健康な細菌が消化管内で自然に増殖するのに理想的な環境を提供することで知られています。

 

 研究者らは、XOS がわずか 14 日間でビフィズス菌の増殖を促進し、腸の健康を回復させたケースがあると報告しています。さらに嬉しいことに、有害な細菌の増殖につながることなく、この効果が実現しているのです。

 

 食物繊維はビフィズス菌の一番の食物源ですが、一般的なアメリカ人の食生活では食物繊維が著しく不足しています。食物繊維を十分に摂ることは腸内細菌叢の健康にとって極めて重要ですが、プロバイオティクスも大きな違いをもたらしてくれます。プロバイオティクスの効能は、ビフィズス菌量の低下を相殺し、加齢に伴う腸内細菌叢バランスの維持に役立つことです。しかし、忘れてはならないのは、乳幼児は生まれた時は平均で60%のビフィズス菌を消化管に持っていますが、その量は高齢になると5~10%にまで減少する可能性があるということです。

 

 しかし、プロバイオティクスを摂取することで、この減少を相殺し生涯を通じて健康な腸内細菌叢を育むことができます。プロバイオティクスを摂取するのに最適な食品としては、オーガニックの生サワークラウトや味噌などがあります。良質のプロバイオティクス・サプリメントも必要となるかもしれません。