花火。
まずは、花火大会のような打ち上げ花火ではなく、スーパーで買って来るような花火について。

実際、つまらないものである。
花火というのは、「花火しない?」という声が上がって、「いいねーー!!!しようしよう!!」と盛り上がるためのものだと理解している。
花火の山場は、「花火をしようと言い出す」→「同意する」という場面であり、
花火という単語を打ち上げたら、もう楽しみはほぼ終わっている、そんなものだと理解している。

元来感情表現が豊かでない私のような者は、
棒の先端からシューっと火を噴く物体を持って、
その物体をどうしていいのかほとほと困るのである。

とりあえず、きれいだねーと言ってみる。
とりあえず、8の字に回してみる。
とりあえず、誰かに火先を向け、ちょっとーやめてよ!と逃げられてみる。

その3つを為し終えたら、棒の先端から火が消えるまでの時間を、持て余す。
いや、まあ火は好きなんだけど。
火は神秘だし、危険で美しいと思うけれど。
でもなんだかなー、スーパーの花火の楽しみ方はよくわからない。
「盛り上がらなきゃいけない」「感動しなきゃいけない」みたいな強迫観念で疲弊する。


とか、花火の悪口を言っていると、
私の中のまっとうな部分が痛み始める。
小さな私が喜ぶと思って、花火を買ってくれたお母さんやおばあちゃんに思いが至り、
彼女たちの愛情を無下にした気がして悲しくなる。
いや、ちがうよお母さんおばあちゃん。
あの頃は無邪気に喜んで楽しんだはず。


やっぱり心が痛むので、これ以上花火の悪口は書けません。やめます。