社説読み比べ | さまようブログ

社説読み比べ

 IPCC AR5 WG2に関する各新聞社の社説が出そろってきました。読み比べてみましょう。
 
温暖化報告書 排出削減策と適応策を両輪に」(読売新聞)
地球温暖化報告 被害見越した対応急げ」(毎日新聞)
地球温暖化のリスクから目をそらすな」(日経新聞)
全国紙では、朝日新聞と産経新聞からは社説が出ていません。

温暖化対策 薄すぎる政府の危機感」(北海道新聞)
IPCC大詰め 過酷な未来回避は人類の責務」(愛媛新聞)
47news加盟の地方新聞社の多くが社説を出しています。

"Climate Signals, Growing Louder(気候変動の鐘は大きく鳴り響いている)"(The New York Times)
"Climate change: smell the coffee while you can(気候変動:可能なうちに現実を直視しろ("smell the coffee"は現実を直視しろという意味の慣用句のようです)"(The Guardian)
海外の新聞社も多く社説を寄せています。

これらの新聞社はすべて、程度の差はあれど温暖化対策をとることの重要さを強く主張しています(むろん、ほかの全ての新聞の社説を読んだはずもなく、探せば例外もあるかもしれませんが)。
また、各社とも「すでに適応策を取らざるを得ない段階に踏み入っている」ことを述べているのは注目です。IPCCの危機感は各新聞社に伝わっていると言えるのではないでしょうか。

日本の新聞社だと、日経新聞が最も踏み込んでいると感じました。「温暖化はどこまで進行するのか。深刻な被害はいつどこで発生するのか。正確な予測は困難だが、不確実性を理由に備えを怠るのは許されない」という一節など、その表れと言えます。
海外誌はさらに直接的に踏み込んでいるようで、The Guardianはタイトルからして飛ばしていますねえ。

・・・朝日新聞と産経新聞、がんばれ。