IPCC AR5 WG2
IPCCは3つの作業部会からなっています。そのうちの第2作業部会の報告書が発表されました。
http://www.ipcc-wg2.gov/AR5/
http://edition.cnn.com/2014/03/30/world/un-climate-report/index.html?hpt=hp_c1
http://www.cnn.co.jp/world/35045907.html
第2作業部会は、温暖化が人類に与える影響を検討するための部会です。
気温変化や海面上昇など物理的な影響を検討する第1作業部会報告が去年の10月に発表されましたが、その結果が人類に与える影響を評価したのが、今回の第2作業部会報告ということになります。
何しろ、計30章、1,000ページにもわたる報告書です。まだざっと眺めてみた程度ですが・・・。
報告書冒頭に「温暖化の影響はすでに現れている」と明記されています。もはや「温暖化は本当かどうか」という段階はとうに過ぎているのです。CNN.comでは"気候変動(が起きていること)は議論の余地がない"と記載されていますね。
そして、CNNの記事によると、「温室効果ガス排出を抑制することで、温暖化に適応するための時間稼ぎができる」という論調になっているようです。もはや私たちは温暖化を止めることが可能なポイントを過ぎてしまっているのです(正確には、今すぐ温室効果ガス排出量を減少に転じさせることができれば産業革命前に比べ+2℃以内という目標を達成できる可能性があるのですが、今の世界情勢を鑑みるにそれはかなり難しそうです)。
いかに温度上昇幅を小さくするか、いかに対策を取り被害を少なくするか―。これらが、全人類に突き付けられた課題になっているのです。
http://www.ipcc-wg2.gov/AR5/
http://edition.cnn.com/2014/03/30/world/un-climate-report/index.html?hpt=hp_c1
http://www.cnn.co.jp/world/35045907.html
第2作業部会は、温暖化が人類に与える影響を検討するための部会です。
気温変化や海面上昇など物理的な影響を検討する第1作業部会報告が去年の10月に発表されましたが、その結果が人類に与える影響を評価したのが、今回の第2作業部会報告ということになります。
何しろ、計30章、1,000ページにもわたる報告書です。まだざっと眺めてみた程度ですが・・・。
報告書冒頭に「温暖化の影響はすでに現れている」と明記されています。もはや「温暖化は本当かどうか」という段階はとうに過ぎているのです。CNN.comでは"気候変動(が起きていること)は議論の余地がない"と記載されていますね。
そして、CNNの記事によると、「温室効果ガス排出を抑制することで、温暖化に適応するための時間稼ぎができる」という論調になっているようです。もはや私たちは温暖化を止めることが可能なポイントを過ぎてしまっているのです(正確には、今すぐ温室効果ガス排出量を減少に転じさせることができれば産業革命前に比べ+2℃以内という目標を達成できる可能性があるのですが、今の世界情勢を鑑みるにそれはかなり難しそうです)。
いかに温度上昇幅を小さくするか、いかに対策を取り被害を少なくするか―。これらが、全人類に突き付けられた課題になっているのです。
本報告書の中で印象深い図をいくつか提示しましょう。

図1 環境への影響(水色)・生態系への影響(緑)・人類への影響(赤)を示した図。各記号の横にあるバーの高さがリスクの大きさを示す。影響の出ない地域など存在しない。図TS.2. より。

図2:「100年に一度の洪水」が、2080年にはどの程度の頻度で起きるようになるかを示した図。青で回数が増え、赤で回数が減少する。日本では5~25年に1度の頻度にまで増える地域が多い。南・東南アジアでは2~5年に1度の頻度で起きるようになる地域もある。図TS.6. より。

図3:農業による収量変化。青系が増加する地域の割合を、赤系が減少する地域の割合を示す。今はまだ農業に対する影響は功罪半ばだが、2030年以降になると、明らかに収量は減少していく。図TS.9. より。

図1 環境への影響(水色)・生態系への影響(緑)・人類への影響(赤)を示した図。各記号の横にあるバーの高さがリスクの大きさを示す。影響の出ない地域など存在しない。図TS.2. より。

図2:「100年に一度の洪水」が、2080年にはどの程度の頻度で起きるようになるかを示した図。青で回数が増え、赤で回数が減少する。日本では5~25年に1度の頻度にまで増える地域が多い。南・東南アジアでは2~5年に1度の頻度で起きるようになる地域もある。図TS.6. より。

図3:農業による収量変化。青系が増加する地域の割合を、赤系が減少する地域の割合を示す。今はまだ農業に対する影響は功罪半ばだが、2030年以降になると、明らかに収量は減少していく。図TS.9. より。
心胆寒からしめるデータが並んでいますが、むろんこれは確定した未来などではありません。影響をゼロにすることはできませんが、影響を小さくすることはまだ可能なのです。