気候変動と柑橘栽培
先日、ワインと気候変動の関係を紹介しました。当然ながら、気候変動の影響を受ける果樹はブドウだけではありません。柑橘類の栽培も、すでに影響を受けはじめています。
愛媛県南予地方は、ウンシュウミカンの大産地です。品質も最高級とされ、24個で5,000円という超高級ミカンまであります。
このあたりでは昔から、海に近い急斜面でよいミカンができると言われてきました。しかし近年、海に近い畑では日焼けが発生しやすくなるなど品質が低下傾向で、標高の高い畑でよいミカンができるようになってきた、とは多くの農家の言葉です。
将来的には、南予地方の現在のウンシュウミカン主産地は、ミカン栽培に適さない地域になってしまうことはほぼ確実です。たとえば、国立環境研究所から先月発表されたばかりの報告には、地球温暖化がウンシュウミカン栽培に与える影響にも言及があります。
https://www.nies.go.jp/whatsnew/2014/20140317/20140317.html
ちょっと図が小さく見づらいですが、今世紀末になると、現在の栽培適地は、愛媛に限らずほぼ全域が「高温すぎて栽培には向かない地域」になってしまいます。
ブドウもミカンもそうですが、果樹は植えてから収穫できるようになるまで何年もかかるし、一度収穫できるようになると十数年~数十年も収穫が続くという事情があります。気候変動に柔軟に対応するのは、他の農産物に比べても難しい事情があります。
このような事情もあり、愛媛県の果樹試験場などは、高温に強いブラッドオレンジなどの栽培研究を始めており、実際の果樹農家でも栽培が始まっているようです。「気候変動は、遠い未来の誰かの問題ではなく今まさに私たちの問題なのだ」という認識を持っていない農業関係者は少ないのではないかと感じています。
愛媛県南予地方は、ウンシュウミカンの大産地です。品質も最高級とされ、24個で5,000円という超高級ミカンまであります。
このあたりでは昔から、海に近い急斜面でよいミカンができると言われてきました。しかし近年、海に近い畑では日焼けが発生しやすくなるなど品質が低下傾向で、標高の高い畑でよいミカンができるようになってきた、とは多くの農家の言葉です。
将来的には、南予地方の現在のウンシュウミカン主産地は、ミカン栽培に適さない地域になってしまうことはほぼ確実です。たとえば、国立環境研究所から先月発表されたばかりの報告には、地球温暖化がウンシュウミカン栽培に与える影響にも言及があります。
https://www.nies.go.jp/whatsnew/2014/20140317/20140317.html
ウンシュウミカン栽培には、青:寒すぎる 黄:適当 赤:暑すぎる 地域を示す。左が2031~2050年、右が2081~2100年。
「温暖化影響評価・適応政策に関する総合的研究」2014報告書より
ちょっと図が小さく見づらいですが、今世紀末になると、現在の栽培適地は、愛媛に限らずほぼ全域が「高温すぎて栽培には向かない地域」になってしまいます。
ブドウもミカンもそうですが、果樹は植えてから収穫できるようになるまで何年もかかるし、一度収穫できるようになると十数年~数十年も収穫が続くという事情があります。気候変動に柔軟に対応するのは、他の農産物に比べても難しい事情があります。
このような事情もあり、愛媛県の果樹試験場などは、高温に強いブラッドオレンジなどの栽培研究を始めており、実際の果樹農家でも栽培が始まっているようです。「気候変動は、遠い未来の誰かの問題ではなく今まさに私たちの問題なのだ」という認識を持っていない農業関係者は少ないのではないかと感じています。
・・・実は、これと似た記事を、このブログ開設の最初期に書いています。この時に比べ、ウンシュウミカン離れと新規柑橘の上市が続いています。もちろん、この主因は消費者の嗜好の変化や労働力不足にあるのですが、果樹の更新の際に温暖化を考慮して別種の柑橘を導入、という例も今後増えてくるでしょう。
ひょっとしたら、ウンシュウミカンが貴重なものにになる時もくるのかもしれません。