気象庁からの2つのデータ | さまようブログ

気象庁からの2つのデータ

 今月に入って、気象庁HPに2つの重要なデータが公開されました。

・海洋内部の水温上昇
これまでも、海洋の表面付近の水温については分析公開されていました。しかし今回は推進700mまでの水温の推移を示したものです。


上段:海洋表層の水温の経時変化
下段:水深700mまでの水温の経時変化(今回新たに発表された)
気象庁HPより。

 水は大気より熱容量がはるかに大きく、わずか0.02℃/年という上昇幅でも蓄積された熱量は膨大なものになります。
 0.02℃/年なんて測定誤差範囲なんじゃないか?という疑問を持つ人も多いかと思います。その疑問はもっともなものですが、水温測定は多数の地点で何度も何度も測定されています。測定回数が増えるほど測定の信頼度は高くなるものです。

 下段のグラフで藤色に網掛けされた部分は、「95%の確率で水温の推移はこの範囲内におさまる」ことを示しています。

・対流圏上部の二酸化炭素濃度の公開


上段:地表付近の二酸化炭素濃度の推移
下段:高度6kmの二酸化炭素濃度の推移
気象庁HPより。

 上空6kmでも、二酸化炭素濃度は着実に上昇を続けています。また、地表と同様の季節変化が見られます。
 大気(対流圏内)は十分に混合されているわけで、これはまあ当たり前の結果ではありますが、人類の活動が大気上層にまで強い影響を与えていることを示す訴求力のあるデータであると思います。
 改めてこのグラフを見ていて思ったのですが、全球平均の二酸化炭素濃度はあと数年のうちに400ppmという大台に到達します。その報道を、我々はどんな気持ちで受け取ることになるのでしょうか?