2011年の気候 | さまようブログ

2011年の気候

 NASAによると、2011年の世界平均気温は、観測史上 9番目に高い値となりました。



 一方、イギリス気象庁によると、2011年の気温は観測史上第11位の高温となったようです。NOAAも、まだ正式な発表はないものの第11位としているようです。
 去年末、イギリス気象庁は2011年を「2010年ほど高温にはならない、しかし観測史上のトップ10には入るだろう」と予測しました。この予測は、よい精度で的中したと言えるでしょう。
 
 さて、今年はどうなるでしょう?イギリス気象庁の予想では、トップ10には入る高温になるだろう、ただしトップになるようなことはないだろう、としています。現在、ラニーニャ現象が起きていますが、この影響がもう少し継続すると思われます。これが地球平均気温を引き下げる方向に働いているのです。


 この10年ほど、全球平均気温は上昇していないように見えます。実際、この10年のみを抜き出してグラフを描くと、近似直線はむしろ低下傾向すら示します。

 この10年間に限定した全球平均気温の推移および回帰線。NOAAデータを用いて描画。回帰線(青)はむしろ低下すら示す。

 これにはさまざまな要因があるでしょう。先日紹介した北極振動の変化や、ENSOの発生具合などが考えられますし、太陽活動の低下もある程度の影響を与えているかもしれません。しかし、それにも関わらず、依然平均気温は高い水準を維持していることこそが、状況の深刻さを示していると言えます。