背伸びする南極大陸
南極大陸は分厚い氷床に押し付けられ、そのかなりの部分が海面下にあります。
氷を取り除いた場合の南極大陸の標高。かなりの部分が海面下にある。wikipedia より。
もし氷の重みが取り払われれば、南極大陸は「背伸び」しますが、実際に南極大陸がゆっくりと隆起している、という報告がありました。
http://www.newscientist.com/article/mg21128235.300-antarctica-rising-as-ice-caps-melt.html
隆起速度は年間4mm。非常にゆっくりしたものではありますが、これは氷床の融解(南極における融解速度は200Gt/年と見積もられている)に伴いその重みが減りつつあることの有力な証拠になります。
ただ、これは今おきつつある氷床融解によるものではなく、前回(5,000~10,000万年前)に起きた氷床融解による可能性もあるとのことです(ヨーロッパ大陸は今でも隆起を続けています)。
しかし、現実に氷が大規模に融解しつつあること、グリーンランドでは同様の現象がさらに早い速度で進んでいることから、やはり今起きつつある氷床の喪失の影響が大きいと思われます。