隕石の中の生命
http://jp.reuters.com/article/oddlyEnoughNews/idJPJAPAN-19847920110307
夢がある話題です。
私が学生のころ、火星から来た隕石(アランヒルズ84001 )の中にバクテリアの化石らしきものがあった、と大騒ぎになりました。それを思い出します。結局、これが生命の化石という確信は、いまだ得られていないとは思います。
さて、今回はどうでしょう。Journal of Cosmology, 2011, Vol 13 を見てみます。 以下に示す図はすべて同報告を出典とします。
SEM-EDS(電子顕微鏡とセットになった元素分析装置)によるマッピング(元素の分布が分かる)結果
うーん・・・。確かにSEM写真は生物的なものにも見えます。が、やはりSEM画像と元素分析だけでは、生物化石と言い切るのはちょっと難しい気がします。
マッピングからは、生物的に見えるところはC・O・Mg・Sといった親生元素(生物に多く含まれる元素)に富み、Si・Feなど、親石・親鉄元素に乏しい傾向はありますが、これも決定的な情報とは言えない気がします。
必ずあるとは限りませんが、バイオマーカー(コレステロールやクロロフィルなど生命が作り出す特有の物質のこと、以前紹介したアルケノン もその一例)の存在が確認できれば決め手になりえます。近年はTOF-SIMS などの強力な分析装置もあるので、ぜひそのような機械で分析した結果を見てみたいですね。
3/8追記
NASA本部も「ちょっと待て!」という感じですね。
http://mainichi.jp/select/science/news/20110308k0000e040024000c.html