ウンシュウミカンと温暖化 | さまようブログ

ウンシュウミカンと温暖化

 愛媛県の主要産業といえば、誰もが答える「みかん」。みかん栽培も、昨日紹介した ブドウ栽培と同様、気候変動の影響を免れることはできません。

 環境省報告 (PDF開きます)の2ページ目図2を見ると、現在のウンシュウミカン栽培適地である九州・四国・本州太平洋側はほぼすべてが高温すぎて不適になる、と予想されています。

 その分、適地は高緯度あるいは標高の高い地域に移行し、東北地方の沿海地域まで適地となっています。実際、佐渡島のみかんが初出荷 された、という記事もありました。

 私の故郷は、ミカンどころ愛媛県の中でも最優良ミカンが栽培されている地域なのですが、「今まで質が悪かった山間部のミカンの味が格段に向上している」という声はよく聞きます。

 そのほか、温暖化との関連は未確定ではあるもののカンキツグリーニング病 という、ミカンにとっては致命的な病気の北上傾向 も見られます(これは日本に限りません、アメリカなどでも同種の報告が見られます(DOI: 10.1126/science.312.5773.523


 さて、これをどう見るか。大変だ、温暖化を止める行動をするべきだ、と考える人も多いでしょう。が、反論する人も多いでしょう。

A:温暖化を否定する科学者もいる。温暖化自体証明されたわけじゃないのだから、先に温暖化は間違いないと証明すべきではないか。

B:もし温暖化が本当でもミカンの栽培地が変わるだけでたいした問題ではない、今のミカン栽培適地はマンゴーでも作ればいいのではないか。

C:栽培適地の変化にせよ、病気の北上にせよ、温暖化以外の影響も考えられるのではないか。例えば栽培技術の発達や、人の往来の活発化などがあるのではないか。

 などがあるでしょうか。いずれも一理あるのですが、再反論もあります。再反論については後日また。