寒くてゾクッとする森を抜け、大きな岩の橋を渡ると、目の前に砂糖のように広がる白色の雪みたいな花の王国があります。
その王国では毎年の冬に「ネオンフラペチーノ」と呼ばれる森でパーティーが行われており、王国の妖精たちは訳あってそこで暮らすお姫様と踊ることが一番の楽しみでした。

ネオンフラペチーノにはお空に今日も願い星が輝きに満ち溢れています。
どうしてネオンフラペチーノと言われているか。というと、その場所から見える星座がまるでネオンのように色めきフラペチーノのように混ざることからそう名付けられました。
そこで暮らすお姫様は年に一度行われるパーティーに向けて、飾り付けを始めている頃でした。
「お姫様危険ですので・・・。私たちが代わりにやります」
「そんなことは言えないわ。お父様とお母様は私の魔法で飾るこの森が好きなのよ」
スノー・カラーという名のお姫様は努力家で一人で何でもやってしまう女の子でした。
そのため、女王様と王様は人と助け合うことでイベントが達成すると自分の力で気づかせようとここで暮らすことにさせたのです。

そして明日は年に一度のパーティーの日です。王国で暮らす者たちはスノー姫にまた会えることにウズウズしています。
女王様も王様もスノーがそろそろこの事に気がついてもいい頃だと思っていました。
でも、そのことはお姫様にわかるはずはない事は承知なのです。

その夜ネオンフラペチーノで待つスノーは次の日が待ちきれず、広場の階段に座りこむと王国のみんなを待っていました。
「はぁ、早く明日にならないかな?私が飾った物を早くみんなに見てもらいたいの。そう思うでしょ?ミス・リンク、ミス・スマイル!」
「さようです。ですがスノーお嬢様・・・、もうこんなに遅いのです。寒いですし早く家に入りましょう」

すると空が急に暗くなり、星たちがポツポツと現れるとスノーの目の前に大きな蕾が現れました。
「どうして、こんなに大きな蕾が・・・。ねぇ、ミス・スマイルは分かる?」
振り返るとそこにはミス・リンクもミス・スマイルもいません。誰もいないのです。
「ミス・リンク!ミス・スマイル!・・・二人がいなかったら何もできないのに」
スノーは周りを見渡すとその場で泣いてしまいました。

その時、蕾の中から妖精の女の子が現れました。
「そんなに泣かないで、私はあなたの為にきたの」
「・・・あなたはだれ?」
「私は願い星の光で目覚めた青いオキシペタラムの妖精。ブルースター」
「ブルースター・・・」
「花言葉は、幸福な愛と信じる心」
「幸福な愛、信じる心・・・?」
「私は願い星からスノーのお母様とお父様のお願いを聞いて目覚めたの。そしてスノーには人と助け合い、人を信じる心を学ぶ必要がある」
「・・・それはどうして。私が作ったものじゃ楽しくないの?」

ブルースターは悩むといいことを思いつきました。
「それじゃあ、スノーの過去を冒険してみましょうか!」
「・・・えっ?」
「ほら、私の手を繋いで!」
スノーは勇気をだして手を差し伸べると反射的に手が繋げません。まだ怖いのです。
ブルースターはスノーを優しく見守り、手を繋ぐと優しく握り返します。
その瞬間まるで台風にでも巻き込まれたような空間に変わりました。
「スノー、これから見るのは何があってもあなたの心次第で。未来を変えるのはスノー自信よ」

気がつくと台風のような空間は消え、空に浮いていたシャボン玉には王国で暮らしていた頃の家族が写っていました。
「ここは?」
「スノーが王国で暮らしていた頃のことよ。女王様と王様が椅子に座りスノーが二人に本を持ってきている時ね?」

「お父様!本をお持ちしました」
「よしよし、スノーはいい子だな」
「まぁ、お父様ったら!」

女王様と王様とスノーはとても笑顔でいました。そんなある日事件が起こったのです。
スノーはお友達の大事にしていたぬいぐるみを取り上げると得意な生地の縫い付けをして二人に見せました。
「お母様、お父様みてみて私が作ったの!」
すると二人は顔を歪めて怒りだしました。
「どうしてお前はそんなことをしたんだ!」
「そうよ、すぐに誤りなさい!」
スノーはその姿を見てどうしていつもみたいに頭をなでてくれないの?自分はもっと頑張らないと認めてもらえないの?
そう思ったスノーは止まることを知らず自分だけの力で乗り切ろうとしていました。

これを見ていたお母様と王様は話し合うとスノーを部屋に呼び出しました。
「お母様、お父様どうされましたか?」
「・・・実はお母さんとお父さんで考えたんだ。スノーはこれから森にある小屋で、あることについて学んでもらおうとおもう」
「何を学ぶの?」
すると女王様はスノーの肩を優しく触ります。
「・・・それをスノー自身で気がついてほしいの」
「・・・わかったわ」

そして成長するごとに王国のみんなはスノーの様子を見るために、年に一度のパーティーを行われることになったのでした。

スノーはこれを知ると背中を向け涙が溢れてきました。
「そんなこと知らなかった・・・。私が、みんなに迷惑をかけていたなんて!」
「あっ、スノー!!まって今戻ったら・・・」

スノーが暮らす小屋の広場では、沢山の妖精たちが集まり飾り付けを手伝っています。
「それはそこにして!」
「はい。分かりましたリーダー!」
小屋に戻ってきたスノーはこの様子を見て驚きました。
「この飾りはどうしたの?あなた達はだれ!」
「僕達は白鳥の妖精。近くの池に泊まっていた時、ここに楽しそうなことをしていたと聞いて駆けつけてきたんだ!」
それを聞いてスノーはまた怒りました。
「私のためのパーティーをめちゃくちゃにしないで!」
白鳥たちは慌てて逃げ出しました。
その時スノーの後ろにはブルースターが見ていました。
「スノー、まだわからないの?好きや嫌いはあるかもしれない。でもね・・・」
ブルースターはスノーの前まで行くと顔を見ながら苦しそうになりました。
「ブルースター!?・・・大丈夫?」
「えぇ、少し夜明けが近づいてきたみたい」
よく見ると空にあった星たちは段々と消えていきます。
ブルースターは床に座りスノーの方を見ました。
「あなたなら絶対にできるから。スノーにはアイディアと優しさが溢れている」
「そうなの?」
「えぇ、その力を使えば一人じゃなくても周りの人にお願いすることだって・・・」
スノーは星を確認するべく空を見上げました。
見上げてみると、どこにも星がありません。
言い終える前にあと一つの願い星の光が消えてしまったのです。

「ブルースター・・・!!」
スノーはお空を見ると強くお願いをしました。
「願い星よ、もしも私のお願いも聞いてくれるのなら聞いてください!これからは一人で物事を考えずに周りにも気を配ってお手伝いをしてもらうから!」
スノーの目は涙でいっぱいになり溢れそうです。スノーは気持ちを振り絞り、願い星に頼みます。
「・・・だからブルースターを私から離れ離れにしないでください!」

すると空から沢山の妖精の光が溢れ、スノーは目をつぶりました。
そっと目を開くと、森の奥から女王様と王様の声が聞こえてきます。
「スノー聞こえるかい?」
スノーは慌てて立ち上がると、振り返りました。
「お母様!お父様!」
「スノー元気だったかい?」
王様はスノーに優しく抱きしめます。
女王様も優しく抱きしめました。

その時小屋の中からいい匂いのする料理をを持ってミス・スマイルが出てきました。
「お姫様!美味しそうなパンですよ。これだけの沢山料理があれば盛り上がりますわ!」
「えぇ、そうね?・・・でも」
その様子を見ていつもとは違う雰囲気のスノーを気を使い王様は声をかけました。
「でもなんだ?言ってスノーごらんよ」
スノーは考えましたが言うのをやめました。
「いいわ!お父様一緒にご飯を食べましょう」
それを見て王国のみんなはスノーの成長にとても喜ぶと王様と女王様はとても安心した様子になりました。

王様と女王様はスノーにどうしてそんなに代われたのかと聞くと答えました。
「さっきまでブルースターという妖精の女の子と冒険にでたの!でもブルースターは突然の夜明けで倒れたの。それで私は願い星に必死にお願いすると空から妖精たちの光が降ってきて・・・。」
すると王様はそっとスノーに言いました。

「そんなおとぎ話より、成長したスノーに新しい召使いを入れてやったぞ!」
王様は後ろにいた女の子の背中を押すと、スノーの前まで歩いていきました。
その子はさっきまで一緒に冒険にでたブルースターに瓜二つです。
スノーは掛け合いました。
「お父様この子がなんでここに?!」
「実はさっき、森の入り口でこの娘と出会っていろんなことを聞いたんだ。するとこの娘は親もいないし親戚もいない。そこで、お前に新しい召使いとして王国に招待したんだ」
「そうたんだ・・・」
スノーはそっと彼女を見つめ返します。
その女の子はスノーと目が合うと笑顔で微笑みました。
「始めまして。私の名前はルリ!」
「ルリ?始めまして。私はスノー!」

こうして、スノーは女王様と王様に許しをもらうと、王国に戻ってから二人はずっと大切に信じる心で結ばれた中となりいろんなことを相談し合えるようになったのです。