『阿吽-ハムレット奇譚-』
先日遂に本番(撮影)の日を迎えました。
此処まで本当に長い道のりでした…
プロデューサーの長谷川さんに初めてお会い
したのは2018年の11月。
『久屋ぐるっとアート フォーラムシアター』
と言う企画に参加をしており、
正にその本番当日のリハーサルの最中、
たまたま近くを通りかかった長谷川さんに
興味を持って頂き、お声を掛けて頂いたのが
全ての始まりでした。
それから約2年。
本当に様々な事を経て、
ようやく此処までやって来ました。
「公演用にグループLINEを作る」
と言うのは大体何処でもある事だけれど、
その人数は今や24人にまで膨れ上がり、
更に映像班やダンサーさんや衣装さんや
制作陣など、様々なセクションも含めたら
その数は優に30人を超えています。
本当に多くの人達に支えられながら
此処まで辿り着く事が出来ました。
本当に感謝の気持ちで一杯です。
ゲストアーティストの皆さんについて。
コレはプロデューサーの意向でもある
「他ジャンルとのコラボレーション」
から実現した出会い。
正絃社の皆さん。
尾張万歳今枝社中の皆さん。
大治太鼓の皆さん。
本当に皆さん素晴らしく、美しく、
カッコ良くて、チャーミング(?)でした。
出演者の皆さんについて。
本当は一人ひとりについて書きたい事は
一杯あるけれど気恥ずかしいので控えます。
理沙さん、上田さん、尚美さん、池戸さん、
藤岡くん、藤夏さん、もみーさん、
藤瀨くん、安井くん、
皆んなと一緒にこの作品が創れて
本当に良かったです。
小屋入り中は皆んなのあまりの仲の良さに
軽い疎外感を感じたけれど其れも含めて
良い思い出と言う事で(根に持つタイプ)。
作品の内容について。
アレコレ語るのは得意では無いし、
そもそも未だお客様には届けられて
いないので多くは控えつつちょっとだけ。
プロデューサーの意向として
「本筋は弄らない」と言うお達しを頂いて
いた為、今作「阿吽-ハムレット奇譚-」
も原作のハムレット同様に、
ハムレットも、オフィーリアも、
ガートルードも、クローディアスも、
レアティーズも、ポローニアスも
皆んな死にます。
なんかもう「これでもか!」ってぐらいに
皆んな死にます。
ハムレットを一度でも観た事がある人ならば
「この先何が起こる」かの
所謂ストーリー展開的な事だけで言えば全て
解ってしまいます。
此れは実際に自身が作品に取り組んだから
こそより強く実感した事の一つとして、
「古典を楽しむ」って事は「解釈を楽しむ」
事が前提に在って、
誰しもに知られている様な名作を
"敢えて演る意味"は其処にあるのかな?
とも。
勿論、現代劇として新たな試みにも
チャレンジしながらではあるんだけれども。
なので、
未だハムレットを読んだ事も無ければ
観た事も無いって人は、
敢えて一度「別のハムレット作品」を
観てから今作を観て頂くのも有りかも
知れません。
結果「ストーリーが解ってしまったから
楽しめ無かった」って言われても困るので
お勧めはしませんが。
ただ、
普段から台詞の一言一言になるべく多様な
意味合いや解釈を持たせられる様に
書き上がりを意識していたりするんですが、
その点に於いて言えば
今作は過去の自身の作品の中でも
一番の出来になったんではないかと、
自負していたりします。
タイトルからして何となく
読み取って頂けるかも知れませんが、
日本語の「発語した時の美しさや
同音異議の多様性」には細心の注意を払って
書き上げた作品でも有ります。
折角の映像配信作品なので、
是非とも繰り返し何度も観て頂けたら
そんなに幸せな事は有りません。
演者の動きを観る度、放つ台詞を聴く度、
新たな発見がきっとある筈です。
ただ、一回観るのに2時間半も掛かるので
中々に大変な事かとは思いますが…
ずっと残しておけるからこそ、
ふと思い出した時にまた観たくなる様な
そんな作品に仕上がっていると良いなぁとは
思っています。
本当は実際の本番(撮影)の様子などなど、
書きたい事はまだまだ有るんですが、
もうそうなって来ると軽いエッセイぐらいの
文字数になってしまいそうなので
此処らで終わりにします。
今作『阿吽-ハムレット奇譚-』が
皆様のお手元に届けられる其の日まで、
今暫くお待ち下さいませ。
小屋入りして4キロ痩せた
丸蟲御膳末吉