演り人知らズ 2020晩秋シーズン

【レパートリー作品】

『via Ethiopia』観劇。


①「劇評」では無く「感想」なので、
良いも悪いも感じた通りに素直に感想を書く
②偉そうな事や知った風な事は書かない
③感想文は作品内容についても触れる

上記3点のルールに従って、感想。



うんなまの繁沢さん作!
って事で最近の観劇は関西づいてる。

ずっと気になってたうんなまさんだし
観れるの嬉しい。やった。



初めて訪れたAHAアトリエ・ギャラリー。
こんな所にあったんだ。と驚き。
なんか古民家+ブティック(古い)+アトリエ
みたいな創りで面白い。

受付でアルコール消毒&検温を済ませて入場。
どんな事にでも慣れるもんだな、と思う。

受付周りも色々と飾りがされてて
へーっと思いながらキョロキョロしてしまう。
楽しい。



前説。
物腰柔らかそうな独特な髪型(褒め言葉)の男性
(恐らく主宰の紺野さん)が企画趣旨などをお話しされる。紺野ぶどうってお名前めっちゃ好き。



で、本編開始。

あ、そっから入ってくるんや。
て所からIN。
各自アップの様な所作からシームレスで本編へ
突入。


大体いつも作品の一言目でもうハマれるかどうかを早急に判断してしまう悪い癖があるんだけれどこれは当たりだ!とニヤリ。


毎度観劇をする時にはなるべく先入観を持ちたく無くて必要最低限の下調べで向かう様にしてるんだけれども、今作もほぼ何の前情報も無く行ったので勝手に男性3人芝居だと思ってたけど
綺麗な女性も一緒に入って来て、
おや?と思ったら普通に女優さんだった。
(全面的にこちらが悪い)。


当然あらすじ的なモノも知らズ(オマージュ)に
話しが展開してゆく。



冒頭のスピード感がめちゃくちゃイイ!
台詞展開的には静かトーン&テンポなんだけれ
ども場面転換のリズムが小気味よく心地良い。

冒頭5分くらい観ただけでもうワクワク感MAX。
やっぱ冒頭ってめちゃくちゃ大事。


14歳の奥手な少年と陽気で社交的な友人。
奥手な少年が密かに憧れる少女。

少女は少年から見ると少し大人びて見えて
コーヒーもブラックで飲める。

幼さと大人の割り合いが男女で差が出る、
そんな思春期真っ只中の
ロードムービー的静かな暴動訓(勝手に命名)。


過剰なリフレインの中、
日常か非日常か段々と曖昧になって来る展開。
これは元々の作品なのか演出手法なのかが
気になる所。

台詞的には詩的な感じで「綺麗だけど横着」
って言う好みど真ん中な雰囲気で
ずっと聴いてられる。



正直、
誰しも味わって来た様な思春期あるある
(もしくは少年少女の妄想)みたいな雰囲気では
あるんだけれど、真っ当な思春期時代を過ごして来なかった身としてはピンと来ない情感もチラホラと。でも綺麗で横着だからヨイ。




作品について。
繰り返されるリフレインは思春期特有の
良くも悪くも永遠に続く学校生活や、
自分にはきっと何か出来る、と毎日毎日思いながらも大した事は何も出来ないし何も起きないし、結局何者でも無い自分に苛立ち続ける永続性の象徴なのか。
(特に象徴的なのはランニングの掛け声)

舞台中央に置かれたブラックコーヒーが大人の
象徴なんだとしたら、
最後にひと息でコーヒーを飲み干したのが
主人公でも少女でも無くて陽気な彼なのは、
彼だけが(肉体的に)大人の階段を登れていない
事への彼なりの焦りなのかな。と解釈。



正直、リフレインは少しずつでも変化が無いと
あの回数はキツい。途中でどうしても集中力が
途切れて他の事を考えちゃったけど、
リフレイン好きだから観てられた。



役者さんについて。
役者さんも皆んな良かったなー。

ぐーじさん(初見)。
歯を見せてニコッと笑う、は最早擦り込み。
声のトーンと立ち振る舞いだけでセンス感じる。今作のヒロイン枠へのマッチング良すぎだろ。
マックのSEはもう一回ぐらい聴きたかったなー。少年2人が歯の色について話す度にゾワってなるのは彼女自身の美しさと相反してるからこその
絶妙な台詞でぐーじさんだからこそ活きてくる
台詞だよなー、とも思う。
他の出演作品も観てみたい。


相羽企画さん(ほんとに個人名なのか!?)。
達者な感じが有り有りと。
作中では起爆剤的な立ち位置だったけれど、
爆発力もさることながら細かい所作に目を見張る。オクラホマミキサーと自販機ズルい。
多分こう言う役者さんが一人居たら演出的には
めっちゃ助かる存在。


照くん。
照くん出て来ると、
さぁどんなん観せてくれるの?って期待感しか
無いのは果たして良い事なのか悪い事なのか…
でも今作も流石の一言。
台詞を発する時の音にハズレが無いのはもう
安心感なんだけれど、頭抜けているのは所作。
一挙一動を観せられるってのは中々出来る事じゃない。やっぱ痺れるなー、とニヤける。
なんでそんな雰囲気あるの?
不気味にさえ感じる。
メガネのズレを手で掴んで直す癖は
狙いだったとしたらアレはもう反則だよね。



なにはともあれ観に行って良かった。
スタンプカード貰えたし、
次回もあったら行きたいな。