これは
6年前に吉本を辞めて飲食店をやり始めた
1人のオオカミの話である。




【ご報告】

吉本には47都道府県住みますプロジェクトというのがある。

各県に一組芸人が住んで街を明るくするというやつだ。

僕は四月から、山形に。


前任者が住みます芸人から離れるにあたり僕にその話がきた。


基本はその土地出身の芸人が住むことになるのだが何故か福岡出身の僕に回ってきた。


話を聞くと

うまく地域の方と仲良くなれれば

かなりの仕事量らしい。


ちなみに聞いた話だが前任者の先輩芸人さんは

いくつものCMに出るなど

かなり人気者だったという。


僕は受かれば運命だと思い

面談してもらうことにした。


面談当日

5組の芸人の中から選ぶと聞き

受かったと思った。


なぜなら

僕はこの何年も

面接という類は落ちたことがないからだ。


そして、

履歴書である。


僕は履歴書を

書かない。


その代わり一冊のアルバムをつくる


そのアルバムには

写真や絵を使って

わかりやすく自分のやってきたことや

特技やアピールを載せるというものだ。


この手法を使い出して

面接100%受かってきた。


自称

100%面接受かるけど

コンテスト一回も受かったことの無い芸人


だ。


僕は面接で華やかに話をまとめる


山形の食をプロデュースする企画など

端的にべしゃる!


自分でもその能力はいつもすごいと感心する。


そして面談終了前に

「もう君で決まると思うから準備しといて」


をいただき


わかりました!


と、簡単に決まってしまった。


んなわけで

四月から僕は東京を離れ

山形住みます芸人になります。


でも住みますって言っても準備が

大変だわ。


まず家を3月いっぱいで解約の電話をいれる。


引越し業者に予約をして


バイト先にも挨拶に行った。


お世話になってる先輩にも挨拶し、


仲の良い友人やお客さんとかにも別れを言った。


あとはダンボールに荷物を入れていこう


と、


今朝片付けはじめていると見慣れない電話番号から


そうだっ

いつ移動するのかの

連絡くるの今日だった!!


僕「はい、井上です!」


担当『えー、山形住みます芸人の件でご連絡しました!』


僕「はい!よろしくお願いします!」


担当『井上虫歯二本さん山形住みます芸人

落ちました。』


・・・落ちました・・・


電話を切る。


一回、窓から飛び降りそうになる。


だが踏みとどまる。


ここは一階だからだ。


僕は切れかけの蛍光灯をみながら


涙を堪えていた。


は、

は、

はずいぞ。


これは、

恥ずかしすぎるぞ!!


家、解約したぞ!


バイト、辞めましたぞ!


みんなに、挨拶したぞ!


さくらんぼのギャグまで考えてたぞ!


はずいぞ!!!


ちきしょーーーーーーー!!!!


はずーーーーーー!!!!!!


ということで

まだ東京にいます。



ご報告でした。


みなさん、

これだけは言わせてください。


何事も

確定するまで動かないほうがいい。


「さくらんぼを裂くランボー」


これがさくらんぼのギャグです。


さよなら


〜完〜


あれから吉本を離れ早6年


さくらんぼを裂くランボーをもって



タイにいます。


オオーーーーーーウっ!


おしまい