「アメリカの代議士たち米国連邦議会の素顔 The Representives on Capitol Hill」と「アズ・ア・タックスペイヤー政治家よ、こちらに顔を向けなさいAs a Taxpayer」を読んだ。それは現高市首相の原点は何か? と思ったからだ。

 

 1987年秋、ワシントンDCのダレス国際空港に降り立ったのは、松下政経塾の援助でアメリカ政治の体温を肌で感じる経験を求めた26歳の高市早苗がいた。本には時代背景の詳細は書いていないが、ドナルド・レーガン政権の末期で、1988年にはレーガン政権の8年間を副大統領として務めたジョージ・HW・ブッシュが、民主党のマサチューセッツ州知事マイケル・デュカキスを破って第41代大統領に就任している。イギリスはマーガレット・サッチャー首相で、日本では自民党の竹下登が首相だった。

 

 アメリカ連邦政治の中心地ワシントンDCにある民主党所属の議員パット・シュローダー女史の事務所を目指す。採用の通知が来るまでのいきさつは「アズ・ア・タックスペイヤー」に詳しいが、CNNの画面に映るパット・シュローダーの立ち居振る舞いや話し方などに感銘を受けたという。

 

 そのあとは猪突猛進、履歴書を送ったり、日本の国会議員の紹介を求めて議員会館を戸別訪問したり、自分を売り込むために全身全霊のアピールをしてようやくパット・シュローダーからの採用通知が届いた。そもそも何故親戚はおろか親友・知人もいない地に降り立ったのか。パット・シュローダーの立場から見ても正当な理由がないと採用はしない筈だ。

 

 この辺は、本ではつまびらかではないので、ネットで情報を拾いながら推察を交えて考えてみた。経営の神様という異名を持つ故松下幸之助が主宰する「松下政経塾」の第5期生だったのが高市早苗だった。年間300万円から500万円の手当をもらい寮生活をしながら自主的に学習するというものだった。

 

 そういう境遇の早苗にとってテレビで見たアメリカの代議士に閃いたのではないかと思う。アメリカ政治を勉強しようというわけで、思い立ったら吉日なのだ。政治には経営感覚が必要だと主張する松下幸之助を信奉する高市早苗は必死だった。松下幸之助が言い放った「塾生14人のうち一人か二人、ものになったら御の字だ」高市早苗は励みの言葉と受け取ったのだろう。

 

 パット・シュローダー事務所での最初の仕事は電話番だった。これが大変だったらしい。読み書きは出来ても会話となれば話は別。喋り方や話すスピードも一人一人違うし訛りなんかが入ればお手上げ状態。それでも2週間ほどで付いていけるようになったという。

 

 そんな苦労のかいもあって二か月後、Congressional Fellow(国会特別研究員)として政策研究、立法案の分析・作成、議員への助言、委員会公聴会への支援など、立法プロセスに直接関与する業務を担うことになる。道理で「法律の原案を書くのが趣味だ」と言い放ったのも頷ける。

 

 パット・シュローダーに会ったことが政治の原点の気がする。二冊の本を通じて幾多の問題点を提起している。おそらく実現したいと思っているはずだ。それを期待したい。昨今、世界情勢は混沌としている。日本国のかじ取りに頭を悩ませる日々が続くことだろう。

 

 さて、息抜きに音楽を……高市総理の22世紀に届ける素晴らしい日本をという意気込みに沿ってラブソングではあるが、イタリアの三人組IL VOLOが歌う「Eternally」を聴いていただきましょう。この曲は、チャップリンの作曲で映画「ライムライト」の主題曲。I'll be loving you eternallyから始まる歌曲だ。なお、ライムライトの片鱗もアップしておきますので味わってください。