摘出手術の翌日、いつも通り子供がミルクをせがむ声で目が覚めました。

夜中に電話が鳴った様子はなく、今のところ妻の容体は変わりないのだなと安心していました。



ところが10時頃に病院からの電話がありました。


・妻がぼーっとしている時間が長く呼びかけへの反応も悪い。


・CTを撮ってみたところ、水頭症になりかけている。今後症状は悪化するだろうと思われ、本日再手術をする。


・再手術の説明をするので急いで病院はきてほしい。ICU横の診察室を利用して説明するので、そこなら子供を連れてきても大丈夫。


水頭症になる可能性があるとは事前に聞いていたものの、それでもまさかの気持ちでした。

手術前には術後起こりうるありとあらゆるリスクを事前に聞かされており、中にはそんな簡単に起こらないでしょと思うものも多くありました。

水頭症についても、それほど起こる確率は高くないのでは?と勝手に思い込んでいました。



急いで義両親にも連絡を入れ、一緒に病院へ向かいました。

ICU前に着いた時、ちょうど先生は別件で離れていたので先に妻に会わしてもらうことができました。

1人ずつならICU病棟に入ってもいいということでしたので、義両親に娘を預け、1番に私が会いに行きました。


妻はもちろんベッドで寝たままだったものの、会話自体は普通にできているように感じました。

私自身はあまり深刻な顔を人に見せるタイプではないため、「手術お疲れ様、元気そうじゃん」みたいなことを言った記憶があります。



ただ正直妻の姿はかなりショッキングでした。

手術の間中うつ伏せだったためか顔をひどくむくんでおり、部分的に髪の毛は剃られて手術の痕が見えていました。

そしてなにより眼球障害によって、右目と左目は全く別の動きをしており、こちらに視線が合うこともありませんでした。



いずれ良くなるはずと思い直したものの、昨日までの自分は手術を簡単に考えすぎていたんだなとその時に気づきました。



そしてそのまま妻の横で過呼吸のような症状が現れ、私はその場でうずくまってしまいました。

そばにいた看護師さんにすぐに声をかけられ、あっという間に車椅子が準備され、座らされ、血圧を測られていました。

低血圧になっていたので、たまたま空いていた妻の横のベッドに寝かされ、少し休んでくださいと言われました。



正直車椅子に座ったあたりからもう大丈夫だったのですが、看護師さんが有無を言わさずという口調だったので大人しく寝ていました。

夫婦で並んでICUのベッドで寝ることになるとは、、と大変恥ずかしい気持ちでいっぱいでした。



これまで急に立ち上がれなくなるようなことなど1度もなく、それなりに健康に過ごしてきたつもりですので、なぜこのようなことになったのか未だにわかりません。

ただやはり自分自身で気づかないほどに妻の様子がショックだったのかもしれません。



5分ほど経って、もう大丈夫ですからと言って診察室に戻りました。


(後日談ですが、妻は全くこのことを覚えていないそうです。ベッドで並んで会話してたのに。。会話は普通にできてもやはり水頭症の症状が出てたみたいですね。)



続きます。