父が元気になって帰ってきた。
また、畑仕事が出来るのを生きがいにし、
あれこれと口出しを始めた。
言い争っても無理なので、好きなようにさせておく。
しかし、従兄弟にトマトの苗は頼んである。
どうしても、大玉のトマトが作りたいのであった。
届けられたトマトの苗を前にし、父は悩んだ。私は知らん振り。どうにか、畝を作り、苗を植え、
その後の世話は私に任せた。ビニールのマルチの畝で育てたが、確かに雑草は生えない。
でも何かが間違っている。そんな疑問を持ちつつ、世話をしていた。
発酵していない菜種の油粕を混ぜている。葉っぱだけが茂りだした。
とホホ・・・・葉っぱを剪定し、風の通りを良くすると、トマトが大きくなり始めた。
なぜ、トマトかというと、栽培が難しいと父が反対するのだった。
一番、性格が父に似ている私は、その言葉に反発し、やって見せると言ってしまったのだ。
完熟トマトの味を知ったら、とても普通に売ってあるトマトは食べられない。
友人に土作りから、気を使って栽培している人がいた。
この友人が先生で、その人が作るトマトの味は絶品だった。
ミニトマトを自慢する父を見ては いつか、追い越してやると心に決め、苗の手配をしていたのだ。
その年、母が大腸がんで手術、大過なく退院して、菜園に復帰。
自分なりの菜園が欲しくて、裏の庭を開墾するが、そこには、コンポストに入っていた生ゴミを投入した。
臭いが気になったが、土をかぶせ、どうにかしのいだ。
出来上がったばかりの自分の畑です。