この章は、古代中国の戦国時代における「長平の戦い」と、それに続く政の脱出劇を描いています。以下に詳細な要約を示します。

### 1. 長平の戦い
- **背景**: 紀元前262年、秦と趙が「上党」の地を巡って戦う。長平が決戦の地となり、秦の白起と趙の廉頗が指揮を執る。戦いは2年にわたる膠着状態が続き、趙王は廉頗から血気盛んな若将・趙括に総大将の座を譲る。
- **戦の結果**: 紀元前260年、趙括が討たれ、趙軍は降伏し、約40万人が投降。秦軍の白起は、食料と反乱の問題を理由に40万人を生き埋めにするという決断を下す。この大虐殺は「長平の戦い」として歴史に刻まれる。
- **その後**: 長平の戦いの数か月後、趙の国都で秦の王子が誕生。赤子は政と名付けられる。

### 2. 趙からの脱出
- **九年後**: 趙の国都、邯鄲に秦の役人が到着。闇商人の柴夏とその仲間が話し合いをする。秦の昭王が崩御し、次期王に安国君が決まる。子楚(趙に人質としていた秦の王子)は呂氏によって脱出させられ、その子供である政を秦に送る依頼が出される。
- **政の状況**: 政と母親への秦からの仕送りが途絶え、趙での仕打ちがひどい。趙王が政の暗殺を企てる可能性があるため、政を脱出させる決断をする柴夏たち。
- **脱出の決定**: 政がコソ泥をしているところを見かけ、柴夏は政を助け、脱出の準備を進める。

### 3. 脱出劇
- **途中のアクシデント**: 趙から秦に至る道中、5つの関を越える必要がある。第二の関で政が隠れている米俵から血が出ていると判明し、政が気絶しているのではと心配する柴夏。しかし、政は耐え忍んでいることがわかる。
- **政の精神状態**: 第五の関を越えた後、政が馬から降り、自分の腕を木の枝で突き刺す。政は自分に王の資格がないと感じ絶望するが、柴夏の励ましで再び前進する決意を固める。
- **危機一髪**: 趙の騎馬隊が追いかけてきて、紫夏が時間を稼ぐために体当たりをして助ける。政が夢の中で亡霊と対話し、秦に帰る決意をする。追い詰められた状況でも、秦の援軍が到着し、政たちは無事に秦に帰ることができる。

### 4. 信、甲冑を買う
- **信の新たな挑戦**: 魏との戦いの報酬で得た金と位を使って甲冑を買いに行く信。各店で「兄貴のものか?」と聞かれ憤慨する。最終的に、戦での功績を認められ、一番高い甲冑を手に入れる。

### 5. 本当の目的
- **暗殺の黒幕**: 昌文君一派のもとに肆氏が現れ、暗殺者の主目的が大王・政の暗殺であると判明。信と貂が王宮に向かい、「賢仙」や「赫力」といった刺客と遭遇する。
- **貂と信の活躍**: 貂が政の寝室に向かう途中、「赫力」と戦い、羌瘣が登場し「赫力」を皆殺しにする。信と貂は政の寝室に到達し、最終的に政の安全を確保する。

この章では、戦の悲劇と人間ドラマが織り交ぜられた緊張感溢れる物語が展開され、主要キャラクターたちの成長や決断が鮮やかに描かれています。