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乱戦下の策

信は尭雲との激闘で、彼の強さと矛の重さに驚きながらも、互いに一撃を繰り出し続ける。

尭雲は信の「人の強さ」を認めつつ、ここで死ぬと宣言。

飛信隊本陣では、各所の戦況報告が続き、危機感が高まる中、羌瘣が策を提案。

我呂や楚水を要として敵を流し込み、中央で決戦を挑む計画を立てる。

集めた歩兵たちに檄を飛ばし、自らも先頭に立つ羌瘣は、迫りくる敵に立ち向かう決意を固める。

 

三つの誤算

楚水や我呂達は左右を任され、激戦の中で奮闘していたが、羌瘣の率いる中央は更に激しい戦場となっていた。

新兵たちは崇原の凄まじい戦いぶりに感嘆し、羌瘣の異常な戦闘力に驚嘆した。

趙兵たちは羌瘣の異常な動きに恐怖し、その隙を突こうとするも、羌瘣隊の者によって阻まれていた。

羌瘣は戦闘中に休息を取りながら、より多くの敵を倒すことを目指し、戦局を有利に進めようとしていた。

信と尭雲の一騎討ちは続き、沛浪の助けで一時的に戦況が整ったが、左の大炎の戦況が未だ不透明なままであることが報告され、尭雲はその場を後にする。

尭雲が到着した左の大炎の戦場で、信の読み、その戦況を変える羌瘣の存在に対する誤算を思い知らされ、羌瘣の強さに再認識する。

 

期限の報せ

飛信隊は尭雲率いる趙軍を辛くも退け、大きな犠牲を払いながらも勝利を収めた。

戦場では夜の静けさに死者の名が響き渡り、飛信隊の奮戦が記憶された。

一方、趙軍は食糧が尽きかけており、李牧率いる秦軍は勝利を確信していた。

 

伝者の報告

政達は謁見の間で趙の戦況を待っていたところ、ついに伝者が到着する。

出入り口の封鎖により多くの伝者が討たれた中、辿り着いた伝者から戦況を聞かされる。

戦局は互角だが、重要なのは食糧の残りが五日しかないことが判明し、政から落ち着くよう諭される。

しかし、壁軍の兵糧が焼かれたという追い討ちの報せも届く。

橑陽では八日目の戦いで食糧不足が深刻化し、楊端和軍と壁軍は劣勢に立たされていた。

楊端和は危機感を募らせ、全族長に召集をかける。

 

身を切る作戦

楊端和は部族を集めて、食糧が残り三日であることを告げると、騒ぐ者たちを黙らせて二つの選択肢を説明する。

一つは即時撤退して山界まで逃げること、もう一つは三日で敵を討ち破り食糧を奪うことだ。

山の民たちは後者に異論はなかったが、敵の実力を把握しておらず奇跡的な戦いが必要であることを理解していた。

楊端和は重い犠牲を覚悟する必要があると説明し、明日の戦略として三人の敵首を取る作戦を立てる。

壁は自責の念を抱きながら、自身の提案で明日の戦いに挑むことを願い出る。

 

ルーディン

楊端和は壁軍に主攻の一部を任せ、壁は山の民と共に出陣の準備を進める。

メラ族のカタリとキタリは壁を支持し、山の民全体が壁を尊敬していることを示す。

壁は山の民の言葉で出陣を宣言し、全軍が動き出す。

一方、楊端和は猿手族のエンポじィに特別な依頼をする。

出陣した三軍は敵将と対峙し、戦闘準備に入るが、敵の兵力が予想以上に強力であることに困惑する。

 

壁軍の攻防

壁軍は予想以上に多い敵兵に動揺するが、カタリの提案を断り、壁は兵士たちに奮い立たせる。

ブネンは騎馬隊を差し向けるが、壁は基本戦術により着実に対処し、騎馬隊を撃退する。

ブネンも歩兵を前進させるが、壁は陣形を変えて対応し、歩兵戦に突入する。

同時に、山の民軍も出撃準備を進める。

楊端和はブネンの首を狙う準備を整えつつ、戦場で大きな音が鳴り響き、九日目の激戦が幕を開ける。

 

個別撃破

開戦九日目、桓騎軍は鄴を包囲しながら趙の討伐隊を待っていたが、敵は攻勢を仕掛けてこず、摩諭が鄴の兵糧事情を報告する。

王翦と楊端和の勝利が不可欠とされ、桓騎は兵糧が一日でなくなったら包囲を解き、撤退することを約束する。

一方、朱海平原では兵糧戦が激化し、信たちは軍議を開き、三日で敵を破り鄴に向かう作戦を練る。

王賁は略奪を提案するが、信は反対する。

虞寧の仲介で王賁の提案が採用され、王賁と亜光はそれぞれの任務に向かうが、秦軍の作戦は趙軍の策略により裏目に出ることとなる。

 

王翦の守り

朱海平原九日目。岳嬰は飛信隊を慶舎の仇と認識し、士気を高めていた。

信は王賁からの作戦で前進するが、岳嬰軍の強さを再認識していた。

戦場では亜光軍が三軍の攻勢に対し堅固な防衛を展開。

王賁らはその守りに驚きつつ、亜光の戦術の素晴らしさを称える。

李牧は亜光を重要視し、その討ち取りが大局を左右すると判断する。

馬南慈は亜光の守りを崩す策を受けて動き出し、趙峩龍もその情報を受け取るが、同時に岳嬰軍の攻勢も始まっていた。

この緊迫した状況の中、信はどう対処するのかが焦点となる。

 

関節粉砕

九日目。飛信隊は岳嬰軍に押され、信は自ら出ることを決意するが、貂に止められる。

王賁は岳嬰の首を狙い、信も飛麃を引き連れて行動を開始。

一方、亜光軍は未だ防陣を維持し、馬南慈が攻撃を開始。

馬南慈は防陣の関節を破壊し、亜光は新たな戦術を指示するが、趙峩龍と尭雲もまた動き出していた。

 

人外の武

九日目の戦い。馬南慈が亜光の防陣の”節”を次々に破壊し侵入する。

亜光は虞寧の提案を断り、敵三軍を引き止める決意を示す。

一方、信は岳嬰軍の前線を突破し、岳嬰との直接対決に向かう。

亜光と馬南慈の戦いが激化する中、虞寧は尭雲との戦いで命を落とし、尭雲が亜光と馬南慈の戦いに介入する。