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死に場所

信たちが趙峩龍の本陣に向け進軍する中、貂の指示を受けた渕は周囲の状況を確認しつつ任務を遂行していた。

松左は干斗たちを救出するため、敵に囲まれた新兵を助けに向かうが、重傷を負う。

干斗たちは松左に脱出を提案するが、松左は彼らを叱咤し、一緒に奇跡を起こすために戦い抜く決意を伝える。

包囲を抜けかけたとき、松左は倒れ、最後に信の近くに運んでほしいと頼む。

 

趙峩龍本陣

傷ついた松左を連れ、新兵たちは必死に進み、崇原の兵団と合流してさらに前進する。

信率いる騎馬隊は第三防陣を突破し、本陣に報告が届く。

趙峩龍は信の勢いを認め、徐肖・徐林に信の首を取るよう指示する。

信たちは防陣を抜いて趙峩龍を追撃するが、罠にかかり徐林・徐肖に足止めされる。

信は劣勢ながらも無防備になる賭けに出て、徐林を討ち取る。

 

傷を負った信が徐林を討ち取るが、徐肖の呼びかけで敵兵に包囲される。

信たちは包囲を潜り抜けようとするが、信の深い傷が足かせになる。

包囲された信たちに気づいた貂や新兵たちも不安に駆られるが、羌瘣隊と那貴一家が救援に到着。

信の負傷で脱出は困難なため、羌瘣は敵の主力をここで壊滅させると提案し、自ら楔を打つ役割を担う。

趙峩龍本陣の将達は最初は嘲笑うが、羌瘣の超人的な動きで戦況が逆転し始める。

信たちは羌瘣の後に続き、敵を討ち、戦いの輪を広げる。

趙峩龍は歯ぎしりしながらも、羌瘣の圧倒的な力に苦しむが、その代償も大きかった。

 

最高の隊

信が徐林を討ち取るが、徐肖の攻撃により包囲される。

信の負傷で脱出は難航し、新兵たちや貂も不安に包まれる。

そこへ羌瘣隊と那貴一家が救援に到着。脱出が困難と判断した羌瘣は、敵の主力をここで壊滅させる作戦に切り替える。

趙峩龍本陣の将達は最初は嘲笑うが、羌瘣の超人的な動きで戦況が逆転し始める。

徐肖が背後から襲い掛かるも、羌瘣は反応して討ち取る。

しかし、限界を迎えた羌瘣は力を使い果たし倒れるも、再び立ち上がり敵兵に向かう。

信たちもその働きを無駄にしないため奮闘する。

趙峩龍は主藺相如の言葉を思い出しつつ、この場を離れる決断をする。

信たちは犠牲を払いながらも土雀を殲滅し、羌瘣も無事だったが、趙峩龍には逃げられる。

飛信隊は勝利を確信するが、趙峩龍が再び立て直しを狙うだろうと警戒する。

信は負傷を押して趙峩龍を探そうとするが、那貴が代わりに捜索を引き受ける。

 

趙峩龍本陣

松左の死を受けて各隊が悲しみに暮れる中、趙峩龍の居場所が見つかる。

信は再び戦場に向かう決意を固め、貂は彼に趙峩龍を討ち取るように願う。

一方、尭雲は戦況を感じ取り、趙峩龍の苦境を案じる。

飛信隊は趙峩龍の部隊との戦闘を開始し、彼らの勢いを止めることができない状況下で趙峩龍は亡き主の言葉を思い出し、戦場へと向かう。

 

武運を

藺相如が病を押して趙峩龍と尭雲を外に出し、中華について話す。

彼らは馬丘の戦いで初めて対面し、王騎からの賛辞を受ける。

藺相如は中華の未来について語り、王騎はその役割を理解する。

援軍の到着で藺相如は撤退し、王騎に武運を祈る。

藺相如は中華の統一を願い、その剣が誰の手にあるか笑みながら言う。

彼は敵に対しての遺言を信に伝え、趙峩龍の攻撃に立ち向かう。

 

紡ぐ者

亜光軍と馬南慈軍の激しい戦いが続く中、亜花錦と馬南慈が相手の攻撃に対抗していた。

尭雲軍と玉鳳隊も激しい戦闘を繰り広げていた。

一方、信は趙峩龍との一騎討ちに突入し、彼の強さに押される中、飛信隊の者たちは彼の強さに驚いていた。

しかし、信は先人や藺相如の思いを背負い、趙峩龍に大きな傷を負わせた。

その一撃に趙峩龍は亡き主の言葉を思い出し、中華の統一を願っていることを信じながら、信の一撃を受けた。

 

右翼の風向き

信が趙峩龍を討ったことで、飛信隊は歓喜の声を上げる一方、趙峩龍軍の兵士たちは悲しみと復讐心に燃えていた。

しかし、那貴一家によって趙峩龍軍は阻まれる。

貂は信の戦果を喜びながらも戦いがまだ終わっていないことを認識し、全兵士にその知らせを伝えるように指示を出す。

同時に、亜光軍と馬南慈軍の戦いも激しさを増しており、貂と亜花錦は協力して馬南慈を狙う。

飛信隊と亜光軍の総攻撃により馬南慈軍は次々と討たれ、秦軍右翼は勝利を掴む。

その夜、蒙恬が陸仙の元へ向かう途中、胡漸と兵士たちが火を囲んでいたところで突然の騒ぎが起こり、龐煖の姿が現れる。

 

十四日目の夜

秦左翼本陣に襲来した龐煖が兵士たちを虐殺する中、傷ついた胡漸は懸命に立ち上がり、龐煖に立ち向かう。

胡漸は最期に蒙恬に幸せであったと告げ、龐煖によって命を落とす。

蒙恬は胡漸の死を感じ取り、本陣へと戻ることを決意する。

一方、龐煖が突然現れた秦左翼本陣では小隊が全滅し、再び姿を消した報が届いている。

李牧は龐煖が山には戻らず、ここで決着をつけるために現れたことを確信し、諸将もその行方を危惧していた。

趙軍左翼では尭雲が趙峩龍の部下からの報告を受け、明日の戦いに参加することを宣言する。

その頃、飛信隊は明日の戦いに向けて気合を入れていたが、玉鳳本陣では傷ついた王賁が兵士たちの前に姿を現す。

 

決着の日

十五日目の夜明け前、咸陽に戦場からの急報が届く。

壁と楊端和軍が犬戎軍を破り、橑陽を落としたが、朱海平原の情報はない。

政は生きて戦う信を信じ、玉座へと腰掛ける。

一方、各所では今日が決着する日と感じられており、蒙恬も憔悴しながらも今日こそ決着がつくと動き出す。

蒙恬は胡漸の弔いと紀彗の中央軍を牽制するためにも全体を前陣にし攻めに出ることを宣言する。

彼らと対峙する紀彗らもまた布陣を指示し、戦いの準備に取り掛かる。

信達も今日の戦いに気合を入れ、王賁の復活の報を喜びながらも、龐煖の動向に警戒する。

信と羌瘣はお互いを励まし合い、勝利を目指して拳を向ける。

朱海平原の十五日目、戦いの幕が開かれる。

 

李牧の陣形

日の出と共に飛信隊は全開のスタートダッシュを切った。

貂の指示により、飛信隊は一気に敵に攻めかかり、速さを求められていた。

しかし、予期せぬことが起きた。

秦の中央軍が右翼の突破を待たずに動き出したのだ。

田里弥率いる中央軍は李牧の守りに阻まれ、王翦が作戦を変更したことを貂は認識した。

貂は戦局の二通りの戦い方を語り、自らの行動が李牧の首を取ることになることを示唆した。

王翦と李牧の戦いが始まるが、田里弥の軍は李牧の守りに苦戦していた。

李牧は兵糧が尽きたことを理由に、ただ守るだけで勝てば良いと述べるが、その決断に驚く者もいた。

突如として鄴からの火急の報せが届き、李牧は陣形を変更し攻撃陣に移行した。

この変化に田里弥らは戸惑うが、王翦は相手の状況を理解し、笑みを浮かべた。