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十五日目の異変

趙軍が急に陣形を変更し、将達は困惑。李牧は鄴からの急報を受け、賊が兵糧を焼いたことで暴動と陥落が迫っていると知らされるが、猶予はあと二日あると冷静に判断する。

その間に王翦軍を倒し、鄴を取り戻す計画を立てる。

一方、秦軍の王翦も李牧を討つ準備を進め、全面攻撃の指示を出す。

中央の局面が変わる中、秦右翼は趙左翼に圧勝し、馬南慈軍は後退。貂はこれが戦略的撤退と見抜き、警戒を続ける。

しかし、尭雲軍と趙峩龍軍は前進し、飛信隊の信と玉鳳隊の王賁を狙う動きを見せる。

 

李牧の戦術

飛信隊が李牧本陣に迫る中、尭雲軍が立ちはだかる。

信と羌瘣は体力が回復しておらず、隊の勢いは不完全だった。

尭雲は十槍の三人に信を討つよう命じるが、王賁率いる玉鳳隊が尭雲を狙い出現する。

一方、中央では王翦軍と李牧軍の激しい戦いが展開。

田里弥率いる秦軍は個々の戦闘能力が高く、柔軟な戦い方を見せるが、李牧軍には通用しない。

王翦も李牧軍の強さの理由を見抜けず、強力な兵を送り探りを入れるが、傅抵は李牧軍の謎を解かない限り、この戦術もすぐに通用しなくなると笑う。

 

王翦の読み

王翦の指示で第四軍が一千騎を派遣し、糸凌が進軍中に盾兵に阻まれる。

李牧軍の戦術に苦戦する秦軍。倉央は援軍を出すが、分断攻撃に遭い進めない。

田里弥は全軍に撤退を指示するが、王翦が一万の兵を率いて前進し、敵軍の雷伯も一万を率いて応戦。

戦場の情勢が大きく動こうとしていた。

 

起こり

王翦が陣形を変えずに前進し、田里弥らは驚きを隠せない。

交戦が始まり、李牧の兵は王翦の行動の意味を理解する。

田里弥と倉央は王翦軍が動かずに互角の戦況を作る理由を考える。

王翦は「起こり」について語り、李牧の戦術を分析。

部下たちは驚愕し、王翦は李牧と同じく怪物だと認める。

王翦は敵の動きを読んで優勢に戦い、その様子を見て「起こり」とはと呟く。

 

総大将の対話

王翦は雷伯軍に勝利し、田里弥軍に奇襲を仕掛ける。

混戦の中、倉央も参戦し、趙軍は混乱する。

李牧は王翦の行動を読み取り、王翦も布陣を整える。

両軍の総大将が対峙し、王翦は李牧に協力を呼びかける。

王翦は新しい国を作る提案をする。

 

中央軍の勝ち目

王翦の提案に李牧が厳しい言葉で応じる。

李牧は趙国の命運をかけて戦う決意を示す。

両軍が戦闘を開始し、王翦と李牧は互いの勝算を見据える。

一方、信は戦いで苦戦する中、兄弟の絆が描かれる。

王賁と尭雲も相まみえる。

 

中華のうねり

王賁率いる玉鳳隊と尭雲軍が対峙する中、王賁は尭雲に直接挑む。

一方、飛信隊は尭雲の本陣に玉鳳の旗を見て驚き、王賁の不利な状況に奮起する。

尭雲は中華の武力統一を説き、王賁との対話の最中に飛信隊が接近する。

尭雲と王賁の戦いが始まり、飛信隊も本陣へ向かう中、決戦の幕が開けられる。

 

藺相如の遺言

手負いの状態で相対する王賁と尭雲。

尭雲は主である藺相如の言葉を思い出し、王賁を撃とうとするが、王賁は自らの身体を犠牲にして一撃を受け止め、尭雲に致命傷を負わせる。

尭雲は最後の言葉として藺相如の遺言を二人に伝え、中華の統一を切望して息を引き取る。

その死に際の言葉から、尭雲の忠誠心と中華への信念が感じられる。

 

王翦の分

玉鳳隊の勝利により、趙左翼が総崩れになり、秦右翼が勝利を確信する中、王賁は本当の勝利を掴んでいないと述べる。

飛信隊は前方に進軍し、李牧と王翦の中央軍が対峙し、互角の戦いを続ける。

しかし、王翦の秦右翼が趙左翼を押し、李牧の本陣に迫る。

李牧は金毛に対処を任せ、那貴率いる先陣は敵の伏兵を見破り、違う方向に進軍する。

飛信隊の本隊の登場で状況は変化し、金毛は亡き慶舎の無念を晴らすために本隊を動かす。

一方、中央軍の戦いの中、副官の糸凌が李牧のいる場所に向かう中、カイネは糸凌を阻止しようとしている。

 

答えを持つ者

糸凌が李牧の本陣に突撃するが、龐煖が現れて瞬く間に糸凌の部隊を蹴散らす。

龐煖の雄叫びで敵味方が恐慌に陥る中、龐煖は李牧の居場所を尋ねる。

糸凌は龐煖を狙うが、カイネ隊の到着で一旦撤退する。

龐煖は李牧に会いに来たと宣言し、今日が決着の日であることを告げる。

李牧は龐煖が王騎に出会ったことを指摘し、答えを持つ者は別にいるはずだと述べる。

一方、飛信隊と亜光軍は李牧本陣に挟撃を仕掛けようとするが、金毛軍に阻まれる。

金毛軍の強さと士気に圧倒されながらも、貂は突破を考える。

段茶は亜花錦に援軍を率いて行かせ、自ら馬南慈軍を止めることを決意する。

亜花錦は段茶の決意を理解し、援軍を率いて飛信隊に向かう。

 

必勝戦略

飛信隊と亜光軍は金毛軍によって李牧軍への挟撃を阻まれていたが、亜花錦の援軍で事態は変化し、飛信隊の攻勢が強まる。

亜花錦は段茶の命令に従い、飛信隊を助けるために部隊を派遣する。

金毛は飛信隊の攻勢に怒りながらも、竹進の助言で李牧軍への支援に集中することを決意する。

飛信隊の猛攻が続き、十五日目には秦右翼が趙左翼を突破し、趙中央軍の真横に出る。

これにより、王翦の必勝戦略である挟撃が成功した。

趙軍は飛信隊との激戦の中、傅抵の奮戦で立ち直りを図るが、傅抵は何やら李牧からの指示を受けている様子で、趙軍の勝利を確信している。