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挟撃戦

秦軍が李牧軍を挟撃して勢いを増し、李牧の首を狙う。

しかし趙軍の傅抵隊が王翦本陣への突破を狙い、秦軍を惑わせる。

傅抵隊の突撃は捨て身の誘いと見た秦軍は総攻撃を続けるが、王翦は警戒を強める。

その警戒が的中し、馬南慈率いる別動隊が現れ、傅抵隊とともに王翦本陣を挟撃する。

飛信隊の挟撃成功で優勢だった秦軍だが、李牧の策で形勢が逆転し、互いの総大将が危機に陥る。

 

本陣の危機

秦軍は李牧軍への挟撃に成功しつつあったが、馬南慈軍が王翦本陣を挟撃し、事態が急変する。

王翦本陣の危機に対して、田里弥と倉央は李牧本陣への攻勢を続けることを決意。

李牧本陣では紀彗が馬呈を救援に送り、蒙恬がそれを追う。

李牧は共伯に後陣を守らせ、王翦本陣では馬南慈の猛攻に王翦自らが応戦するも劣勢に陥る。

王賁は瀕死の身体で父の救援に向かう決意を固め、関常や番陽がそれに従い共に駆け出す。

 

王翦の退路

傅抵隊と馬南慈軍の挟撃に王翦軍が窮地に。

王賁が負傷しながら登場し、王翦を救う。

王賁の登場に傅抵と馬南慈も立ちはだかる。

その最中、趙軍の楽華隊が現れ、蒙恬は馬南慈を狙う。

しかし、蒙恬は力の差を理解し、馬南慈の攻撃を胡漸の力を借りて防ぐ。

その一撃は馬南慈の右目を切り裂いた。

 

飛信隊の止め方

蒙恬が馬南慈の右目を奪い、王翦軍に戦闘の指示を出す。

李牧は王翦の討伐を焦り、自らも危機に瀕している。

糸凌が共伯を倒し、李牧を守るカイネが糸凌と対峙。

一方、飛信隊の河了貂が金毛率いる部隊に襲撃され、混乱の中、貂が矢を受けてしまう。

 

戦場への思い

河了貂が金毛率いる部隊に襲撃され、仁が命を懸けて彼女を守る。

仁の弓が壊れ、貂の前に立ちはだかる敵兵に淡の矢が命中する。

金毛は執拗に貂を狙い、その矢によって負傷するも、彼は貂に戦争の本質を説く。

貂は金毛の言葉に反論し、信を称賛。

淡の矢が金毛を倒し、貂は淡の視線に何かを感じるが、金毛の襲撃を受け、淡が放った矢が金毛を討つ。

 

李牧本陣

弓矢兄弟の奮闘により貂が窮地を脱し、指揮を執る。

金毛軍の混乱を利用し、飛信隊が急襲。

カイネは糸凌に阻まれるが、馬呈の救援で李牧のもとへ向かう。

飛信隊は本陣へ到達し、信と羌瘣が負傷しながらも最後の戦いに挑む。

李牧も本陣に到着し、龐煖の登場によって混乱が生じる。

 

武神の咆哮

馬南慈の負傷の隙をついて脱出した王翦は田里弥軍と合流を目指し、傅抵隊の追撃を受けながらも李牧本陣に迫る。

蒙恬と王賁は信の攻撃を察知し、王翦の窮地を救うために奮闘する。

一方、李牧本陣に突撃した飛信隊は龐煖の咆哮により動けなくなり、龐煖の圧倒的な力に恐怖する。

しかし、信のために立ち上がる者達が現れ、龐煖に立ち向かう決意をする。

羌瘣の奮闘により龐煖を追い詰める展開が始まる。

 

堕とす者

羌瘣は龐煖との戦いに命を賭け、奮闘するがその代償は大きく、血を吐くほどの深い傷を負う。

飛信隊の声援を背に追撃を試みるが、龐煖の攻撃に吹き飛ばされてしまう。

龐煖は羌瘣を”神堕とし”と罵り、その身体を容赦なく叩きつける。

羌瘣は何度も叩きつけられながらも意識を失わず、龐煖を狙うが、最終的には地に叩きつけられてしまう。

飛信隊は羌瘣を守ろうとするが、その姿は信に受け止められる。

信の表情は怒りに震えていた。

 

龐煖とは

前線に到着した尾平や崇原らは、去亥や羌瘣の倒れた姿を見て涙を流す。

信が羌瘣の身柄を預かり、龐煖との戦いを決着させることを告げられ、困惑する尾平。

その様子を見た信は龐煖の名を叫びながら前進し、龐煖に対する怒りを爆発させる。

龐煖は王騎の矛を目にし、信に斬りかかるが、信は一撃を受け止められずに吹き飛ばされる。

趙兵が好機を狙う中、龐煖が追撃し斬り捨てる。

カイネが龐煖の存在に疑問を呈すると、李牧は龐煖を「人」の代表として語る。

 

模を示す

李牧が龐煖を「人」の代表と評した背景には、彼らの運命的な出会いがあった。

十九年前、李牧は敗走し、臓物を引きずりながら山中を彷徨っていた。

そこで彼が龐煖と出会い、彼を人ではないと思った。

龐煖は李牧の首に刃を向けたが、李牧は何も感じず諦観の表情を浮かべていた。

しかし、龐煖は彼の役目が果たされていないと告げ、彼を導く存在であると語った。

龐煖の名を叫びながら目を覚ますと、李牧は回復しており、龐煖に助けられたことに気づく。

李牧は龐煖との出会いを振り返り、「求道者」とは人の救済を目指す存在であり、その道を示すことで争いや苦しみから解放されると信じていることを明かす。

その内容に困惑する者たちの中で、カイネは涙を流していた。

李牧は求道者たちがそれぞれの方法で神に近づこうとしており、龐煖もまた武神としての道を追い求めていると説明した。

 

人の代表

李牧が龐煖の背景を明かす中、信と龐煖の激しい戦いが展開されます。

信は何度も倒れながらも立ち上がり、龐煖に立ち向かいます。

李牧は、信が人の代表であると述べ、その言葉が真実となります。

龐煖の攻撃を受け止めながら、信はなぜ彼らが抗えるのかを問い、傷だらけでも立ち上がる強さを示します。

「天下の大将軍だっつってんだろうが!」と信が叫ぶ中、その決意と勇気が物語の中心になります。