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矛盾の答え

糸凌と馬呈は激しい戦いを繰り広げ、その隙に倉央たちは趙軍を押し込む。

王翦は田里弥軍から逃れ、李牧は信と龐煖の戦いを見守る。

信は龐煖との激戦を繰り広げ、その過去の戦いの謎が明らかにされる。

李牧は龐煖と信の戦いを通じて、彼らの異なる力と絆を理解する。

再び立ち上がる信の姿に、カイネや李牧は驚愕する。

そして、龐煖もまた信の異なる力に戸惑いを見せる。

 

残酷な現実

信は龐煖との戦いの中で、漂達の存在を感じながら龐煖の刀について考える。

龐煖は自らの力に自信を持っており、その力を示すために戦っているが、信は彼の力に疑問を投げかける。

李牧は龐煖の矛盾を指摘し、その矛盾が答えであると語る。

彼は龐煖が武神であると主張するが、過去の戦いを見るとその主張は崩れる。

戦いは互角だが、信の体は傷つき始め、羌瘣と貂も不安を感じる。

李牧は龐煖が武の極みにいることを認めつつも、その否定の力が命を奪うことを述べる。

 

道の行方

長い戦いの中、赤い夕日が頭上に現れ、戦士たちは異様な寒気を感じる。

十五日目の朱海平原で、貂と那貴は先陣へ向かう。

信と龐煖の戦いは激しく、信は意識を失いながらも立ち上がり、仲間の声に応える。

龐煖は信の抵抗に疑問を抱く。龐煖は道について考え、信との戦いで敗れる。

趙の兵士が介入しようとするが、龐煖は信に背を向ける。

信の一撃が龐煖の身体を両断する。

 

命の火

小さな村で龐夫妻と呼ばれる夫婦が不思議な力を持つ。

しかし、彼らの子供が誘拐され、母親は涙ながらに息絶える。

信が龐煖を討ち取り、喜びの声が上がるが、李牧は龐煖の方法では人を救うことはできないと語る。

彼の思想に反対するカイネは、秦王嬴政を指すと気づく。

李牧は全軍に撤退を命じ、鄴を解放しに行くと告げるが、飛信隊の中で信の異変に気づかれる。

信は倒れ、羌瘣の言葉が正しかったことが明らかになる。

 

信の夢

信が龐煖を討ち取った後、李牧は脱出を開始し、王翦たちもそれに追随する。

しかし、飛信隊が動かないことに気づき、困惑する。

一方、飛信隊は崩れ落ちた信を囲み、声をかけながらも彼は動かない。

信の心臓は停止し、彼の死に皆が嘆き悲しむ中、羌瘣は何か覚悟を決めたような表情で彼の傍らに立つ。

 

天地の間

羌瘣が飛信隊の中に入り、信の傍らに座り込む。

一方、李牧を追いかけない飛信隊の異常に気づく蒙恬達。

羌瘣は蚩尤族の禁術を思い出し、それを使って信との繋がりを感じ、皆で呼んでくれるように言い残し、意識を失う。

意識を失った羌瘣は白い世界にいて、幽連と出会い、術を行使することを決意する。

その後、幽連から寿命の取引を提案され、象も介入する。

羌瘣は全ての命を使ってでも信を助けたいと決断する。

しかし、幽連からは高いリスクが警告される。

最終的に、羌瘣は全ての命を使って信を助けることを決意し、それに応じた幽連によって異なる場所に送られる。

 

朱い階段

信を呼び戻すために命を懸けて天地の間へと辿り着いた羌瘣。

彼は信に声をかけようとするが、信はまるで自分の声が聞こえないかのように前へ進み、朱い階段が現れる。

羌瘣は必死に信を引き留めようとするが、自身の身体が沼のようなものに捕らえられ、どうにか信を呼び戻そうと奮闘する。

信は再び階段の前に現れ、漂に案内される。

しかし、漂に問われるままに話をしていた信の記憶には抜け落ちがあり、信は夢の中の出来事を思い出せない。

漂は信に、光の穴から向こう側へ行けば戻れると告げる。

そして、漂が役割を果たし姿を消した後、光の穴から現れた信に羌瘣は涙を流しながら抱きしめ、光の穴へと送り返す。

信が無事に戻った後、沼の中で沈もうとする羌瘣を二人の男、松左と去亥が救い出し、再び光の穴へと送り返す。

同時に、飛信隊の面々は必死に信の名を呼び続け、突然信が起き上がり、涙を流しながら彼の名を呼ぶのだった。

 

再始動

信の蘇生によって喜びに包まれた飛信隊の中で、未だ目を覚まさない羌瘣は白い世界の中で象と再会し、禁術を使った代償として自身の寿命が縮んでしまったことを告げられる。

さらに、禁術の使用は二度とできなくなること、そして仲間の助けによって幸運に戻れたことに感謝しなければならないことを伝えられる。

そして、信達の姿を目にした羌瘣は目覚め、彼らの安否を心配する信に対し、蒙恬や王賁らも加わり、戦況の説明が行われる。

李牧が逃げたことを知った信は責任を感じるが、蒙恬はそれに限らないと指摘し、李牧の戦略について語る。

趙軍の全軍退却を知った後、蒙恬は李牧が鄴を解放しに向かうことを伝え、王翦の号令で秦軍の勝利が宣言され、歓声が響き渡る。

 

十の二

食料不足で鄴で暴動が起こり、桓騎軍は李牧軍の急報を受ける。

一方、李牧軍は食料と速さを考慮し、選抜隊を結成して李牧を追うことになり、信も志願する。

残る者は食料が問題だが、田里弥は秦の領土として考え、残る楽華隊を頼む。

選抜隊は王翦の指揮のもと鄴へ向かう。

 

戦略の破綻

食料不足で暴動が鄴で勃発し、李牧軍は王翦軍に追いつかれる。

李牧は王翦軍を抑えるために奇襲を仕掛け、王翦軍を後退させるが、李牧軍は疲弊して鄴に到着。

しかし、桓騎軍の待ち構えに苦戦し、王翦は李牧の作戦について語り、李牧の手駒の差が勝敗を左右したと指摘する。

桓騎軍と李牧軍の攻防が続く中、ついに鄴の城門が開かれる。

 

宝の山

李牧軍は城門が開かれ、桓騎軍が鄴に侵入。

ゼノウ一家の暴れにより混乱し、桓騎軍は城内に突入し、鄴は陥落。李牧軍は敗北を受け入れ、難民とともに撤退する。

一方、王翦は城内を目指し、飛信隊は喜びつつも食料不足を憂う。

しかし、王翦は驚くべき方法で食糧問題を解決すると信じられていた。