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一つの覚悟

魏軍の襲撃で什虎城は混乱し、秦・魏連合軍と楚軍の戦場では騰軍が敵本陣へ迫る。

騰は白麗の狙撃を躱し、項翼軍の奇襲を受ける。

寿胡王は配下に城まで退却を命じるが、満羽の変化に注目し、蒙武との戦いが続く。

満羽は蒙武に覚悟を促すが、寿胡王にとって最大の誤算は満羽の異変と、騰の圧倒的な突破力だった。騰が寿胡王に剣を向ける。

 

次会う日まで

騰軍が楚軍本陣を急襲し、秦・魏軍は勝鬨を上げる。

玄右は本陣の陥落を知ると撤退を指示し、蒙武と満羽の戦いが続く。

満羽は蒙武に撤退しながら話しかけ、蒙毅は什虎城の陥落を知り驚く。

呉鳳明は何か気がかりがある様子。

一方、騰は寿胡王を捕え、秘密を聞き出そうとする。囚われた寿胡王は蒙武に会いたいと要求する。

 

善か悪か

寿胡王は捕らえられ、秦の諸将の前で自らの過去を語る。

満羽と千斗雲は故国を失い、楚軍と戦い続ける中で絶望に打ちひしがれる。

その過去に触れ、諸将は言葉を失う。

寿胡王は什虎城の重要性と満羽の変化に言及し、蒙武が何かを変えたと指摘する。

儂は人の愚かさと戦いの中での善悪の複雑さを語り、満羽の悲劇の先に何かがあることを願う。

そして、寿胡王は騰に自らの首を斬るよう命じ、その結末を任せる。

 

利有り

寿胡王は騰に首を斬るよう命じるが、騰はそれを拒否し、彼を生かして情報を引き出すことを選ぶ。

什虎軍は城を取り戻すことなく、王都へ向かう。

一方、秦と魏の王都でも同盟の勝利が報じられ、将たちは国家の利益について議論する。

勝利した蒙武と騰は城に入り、両軍の将たちは対峙する。

呉鳳明は同盟の効果について警告し、将来の戦いに備える。

騰と呉鳳明は次の戦略を議論し、秦と魏の将たちは将来の戦争に備える。

 

苦戦の理由

魏は什虎を確保し、韓への侵攻を開始し、西方への領土拡大を目指す。

秦は同盟国として静観し、趙攻略に注力する。

両軍の前線では激しい戦闘が続き、秦側からは楽華軍と玉鳳軍が前進し、趙を圧倒する。

しかし、趙軍も援軍を送り続けて対抗する。

一方、苦戦する秦の飛信隊では歩兵団の不調や副将の問題が浮上し、信が羌瘣を訪ねる。

羌瘣は深い瞑想の中で回復の兆しを感じるが、突然何かに気付き、驚くような反応を見せる。

 

羌瘣の噂

最前線の楽華軍は敵に圧される中、謎の声が現れて敵を一掃する。

一方、情報部隊の義考が本陣に友軍の戦況を伝え、飛信隊が苦戦していることを知る。

その中で羌瘣の噂が広がり、飛信隊は再び戦闘に巻き込まれる。

尾平達は窮地に陥る中、羌族の衣をまとった何者かが現れて敵を殲滅し、飛信隊だと名乗る。

彼らは羌瘣の元へと尾平達を案内する。

 

妹分

羌瘣は静養中だったが、邪悪な気配を感じて飛び起き、天幕の外で礼と遭遇する。

礼は飛信隊に入隊したいと申し出るが、その姿勢に幹部達は難色を示す。

尾平達は羌礼を部隊に迎え入れることになり、羌礼は突如作戦を乱して勝利に貢献する。

しかし、羌礼の行動は作戦に従わないものの、勝利には繋がった。

竜有は沛狼に謝罪し、羌礼の振る舞いに警戒する。

翌日、再び戦場で干斗と羌礼が対峙し、羌礼は蚩尤族の力を誇示する。

その後、羌礼は敵陣に突入し、戦闘が激化する。

 

礼の目的

礼が飛信隊に仮入隊する際、羌瘣は信と貂に、礼が実は六年前の幽連であり、彼を倒したと思ったが実は生きており、再び「祭」が行われていることを懸念する。

礼の暴力的な振る舞いに隊員たちは驚愕し、干斗は彼を飛信隊から追い出すべきだと主張する。

飛信隊は羌礼の存在によって勝利を収めるも、彼の行動に我慢の限界を迎える。

崇原は礼に出て行くよう命じるが、礼は抵抗し、羌瘣が割って入り彼の狙いを明かす。

 

闇の淵

羌礼の目的が羌瘣の命であることが明らかになり、飛信隊は騒然とする。

羌瘣は幽連の言葉を思い出し、彼が「祭」を再び行うことを恐れる。

羌礼は自身が蚩尤族で生き残る唯一の者であり、羌瘣が回復中であることを知って少しだけ待つことを約束する。

羌瘣は礼に何が起こったのか尋ね、その瞬間、羌礼は彼の体内の気の流れが乱れていることに気付く。

信と羌礼は対峙し、羌瘣が自分の命を引き戻すために「呼び戻しの術」を使ったことを知る。

信は羌瘣が自分のために禁術を使ったことに驚き、羌礼に羌瘣を殺すよう求める。

羌礼は羌瘣を三日後に殺し、それから隊長を含む飛信隊の全員を殺すと宣言する。

飛信隊は羌礼の行動に動揺し、崇原は彼に出て行くよう命じるが、羌瘣はその場に割って入る。

羌瘣は羌礼と対峙し、その目的を尋ねる。

羌礼は自分の闇の中にいると語り、羌瘣を殺すことで彼が闇に堕ちることを防ぎたいと述べる。

尾平らは羌瘣が殺されたら終わりだと主張し、我呂は彼が三日後に勝てるか疑問視する。

羌瘣は三日間の瞑想で気の流れを回復し、羌礼を倒すことを決意する。

貂が識のことを尋ねると、羌瘣は彼女と同じく礼と一緒に育ったことを明かし、識が祭で亡くなったことが礼の闇の深さの原因であることを語る。

貂と羌瘣は礼が識を殺した可能性に気付き、恐るべき真実に直面する。

 

三日後

羌礼が入隊する際、羌瘣は信と貂に彼のことを話し、羌礼が彼を狙っていることを明かす。

羌瘣は手を出さないように頼み、信は全て彼に任せることを約束する。

三日後の戦いに備え、羌瘣は瞑想し、過去の日々を回想する。

三日後、羌瘣は装束を纏い、羌礼との対決に臨む。飛信隊の面々は羌礼を警戒する中、羌瘣と信、貂は彼に近づく。

羌礼が羌瘣に斬りかかるが、羌瘣は巧みに避け、岩を切断される。

羌礼の攻撃に対し、羌瘣はまだ剣を抜いていない。羌瘣が一撃を加え、羌礼を打ちのめす。

貂は羌瘣の強さを認めるが、羌瘣は礼が本気でないと述べる。

羌礼は巫舞で決着をつけようとするが、羌瘣もまたそれに応じる構えを見せる。

 

裏切り

羌瘣と羌礼は巫舞で対決することになり、激しい戦いを繰り広げる。

礼は自身が識だったら羌瘣はもう死んでいるだろうと語るが、羌瘣は自分の力がまだまだ足りないと挑発する。

その言葉に貂は識のことを思い出し、羌瘣に礼を救う鍵は識が持っていると告げる。

互いに斬り合いながら、礼は白鳳と共にもっと深いところへ行こうと語り、羌瘣は劣勢に立たされる。

礼は祭での戦いを思い出し、狂気的な貌で混沌を語る。

識が持っていた深さを問われ、礼は彼女が天才であり、正々堂々と挑んだと語る。

礼が識を殺めたかもしれないという疑念に、羌瘣は識は裏切ったからと答える。

礼は祭の時、識が生き残るために自分と対峙したことを語る。

その後、礼は祭での凄惨な戦いを明かし、識との最後の一撃を思い出す。