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思いを力に

決戦の日、宜安に避難していた民は兵士として戦いに臨む。

彼らの家族は桓騎が相手であることに不安を抱くが、男たちは自信を見せる。

総大将李牧を中心に将達が揃い、秦軍が攻めてくることが報告されるが、皆は冷静に対応。

李牧は兵達に激励の言葉を送り、全軍出陣を命じる。

一方、秦軍は桓騎の号令で宜安に向かい、趙軍との戦いが始まる。

趙軍は数で圧倒し、桓騎軍は困難な状況に陥る。

蒙恬は策略に気づき、李牧は秦軍の敗北を確信する。

趙軍31万対秦軍14万の戦いが幕を開ける。

 

描き切られた戦い

李牧は全軍出陣を命じ、宜司平野での戦いに向けて包囲陣の配置を指示する。

馬風慈や骨珉伯などの将達は李牧の下で戦うことを喜び、宜安将軍の袁環も李牧への信頼を語る。

李牧は北部の守護者として高く評価されており、兵達の士気も高まっていた。

一方、秦軍は趙軍の包囲に驚き、蒙恬は状況を冷静に分析し「はめられた」と悟る。

李牧の計画通りに誘い込まれたことを知り、脱出を試みるが趙軍の攻勢に苦しむ。

趙軍の圧力に壁軍の陣も崩れ始める。

 

打開策の有無

通常、圧倒的兵力差がある場合、弱小軍は開戦を避けるが、桓騎軍は趙軍の策略により包囲された。

趙軍は兵力差と地の利を活かし、秦軍を追い詰める。

宜安戦では趙軍の猛攻により壁軍が崩れ、壁は辛くも救われるが状況は厳しい。

左翼の楽華軍も援軍不足で苦戦し、蒙恬は打開策を模索する。

李牧は桓騎に対し、数で圧殺すると宣言。桓騎は動じず、摩論の焦りを無視。

信は戦況を見極め、飛信隊に横陣を解いて移動を命じる。

 

優勢な場所

信は飛信隊を右翼から左翼に移動させ、桓騎本軍の右脇を無防備にする。

の行動は摩論らには理解されないが、蒙恬は信の決断を理解し、左翼の戦力が倍化したことを認める。

この行動により秦軍には優勢な場所が生まれ、李牧も桓騎軍の動きに警戒する。

李牧はこれを見て桓騎を討つ機会と捉え、軍を桓騎本陣へ向かわせる。

 

共闘の力

飛信隊が右翼を離れ、趙軍の大軍が桓騎本軍右翼を狙う。

摩論は右翼を強化するように指示を出すが、両軍は趙軍の勢いに押されていた。

楽華軍と飛信隊は共闘を開始し、楽華軍副長の愛閃と飛信隊副長の羌瘣、陸仙と那貴がそれぞれ指揮を執る。

一方、桓騎はまだ右翼を放棄することに踏み切らず、摩論の提案を却下する。

北東部軍の風范は桓騎の期待に応えて動き出し、士気が高まって趙軍に突撃する。

左翼では楽華軍と飛信隊の共闘が成功し、李牧は動じない姿勢を示す。

しかし、新たな趙軍部隊である青歌軍が現れ、蒙恬は信に確認した上で全軍に号令をかける。

飛信隊と楽華軍は大錐型の陣を形成し、李牧と信が先頭に立って趙軍に突入する。

 

錐型の陣

蒙恬の指示を受け、飛信隊と楽華軍は錐型の陣形に変えて青歌軍に突撃する。

楽彰は秦軍の突撃を見て、「最も屈辱的な破り方」を知っていると上和龍に話す。

両軍は錐型の陣でぶつかり合い、信と蒙恬が先頭に立つ。

青歌軍は同じような陣形で応戦し、衝撃の大きさに驚く。

信は馬にぶつかりながらも突撃し、楽華軍の陸仙と飛信隊の飛麃が青歌軍に向かう。

岳雷が上和龍と対峙し、敵将を討とうとするが失敗し、命を落とす。

我呂は岳雷を悼む中、信が上和龍に斬りかかり、上和龍は「手遅れだ」と告げる。

 

指示旗

我呂は岳雷に慕われるようになり、岳雷を追って飛信隊に参加。

上和龍との戦いで信を助けようとするが、雲玄と雲慶に阻まれる。

蒙恬は楽彰に包囲され、陸仙が助けに入ろうとするが苦戦し、蒙恬が傷を負ったところで楽彰が襲いかかる。

 

真骨頂

楽彰の矛の一撃で蒙恬が落馬し、楽彰は蒙恬の生存に気づき、命令を下す。

と楽華隊は蒙恬を救うために動くが、阻まれてしまい、蒙恬が救援を受けずにいるところに、愛閃が現れて蒙恬を守る。

愛閃は蒙恬のために戦い、蒙恬が十歳の頃から彼の成長を見守り、蒙武様の命令ではなく自分の意志で楽華に来たことを明かす。

そして、蒙恬を守るために先頭に立つ。

中央から抜けるために愛閃は戦い、羌瘣も一人で趙兵の壁を突破しようと奮闘する。

 

前後の呼吸

青歌軍の包囲を突破した羌瘣は、部下を引き連れて続く。

しかし、楽彰は混乱せず、青歌軍の本体にはまだ達していないと皆に伝える。

飛信隊と楽華軍は未だに包囲の中にいる限り、戦況は変わらないと認識している。

羌瘣は合流を呼びかけ、中央突破を試みる信の努力にもかかわらず、楽彰の予想通り、中央の敵は強力である。

そして、信が上和龍の前に立ち止まった瞬間、豪座公が信を討とうとするが、信の指示で、後ろから舞い戻った羌瘣が現れる。

 

飛信隊の道

羌瘣隊の挟撃により、飛信隊は趙軍の包囲を突破し、豪座公を討ち取る。

しかし、羌瘣が倒れる一幕もあったが、彼らの活躍により外への道が開けた。

貂は崇原達に道を保つよう指示し、飛信隊と楽華軍は脱出を図る。

信は楽華軍との共闘を主張し、包囲を抜ける。

尾平たち歩兵団が道を保ちながら、信達の戦いも激化。

飛信隊と楽華軍は包囲を脱出し、李牧はその偉業を称え、信の成長を感じていた。

包囲を抜けたが、打撃を受けた飛信隊と楽華軍に対し、李牧は桓騎を追い詰める決意を示す。

しかし、彼は桓騎には普通の将が持つものを持たない弱点があり、飛信隊のような芸当はできないと述べる。

 

四つの大戦

飛信隊と楽華軍が包囲を抜けたことで、桓騎本軍を守るのは壁軍と風范軍だけとなり、壁軍が危機的状況にある中、桓騎は動かず。

李牧の配下は桓騎の無反応を疑問視するが、李牧は桓騎の過去の戦い方について語り、奇策以外の手段を知らないと指摘する。

桓騎は動けない理由を考え、待ち構えることを指示。

桓騎本軍が動き出すと、趙軍と桓騎軍の配下は驚き、桓騎の新しい陣形が現れる。