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異様な陣形

桓騎が独自の異様な陣形を展開し、李牧がその意図を看破。

李牧の戦略に従い、桓騎の陣形を崩す作戦を展開する。

桓騎の奇策が次々と現れ、状況は緊迫。

最終的に桓騎の真の意図が明らかになり、摩論もそれに気づく。

桓騎の戦術の狡猾さに驚く一方で、彼の時間を無駄にする意図が明らかになる。

 

強くなる場所

桓騎は異様な陣形を使い、時間を稼ぎながら夜を待つ策を練る。

李牧もその意図を見抜き、桓騎の行動を理解し始める。

桓騎の陣形は敵の動きを探るためであり、一方的な突破を狙う。

彼の策は明らかになり、趙軍は全面攻撃を開始する。

桓騎は包囲を突破しようとするが、趙軍も総力を挙げて対抗し、混戦に突入する。

その中で、ゼノウ一家が登場し、戦局は一変する。

李牧は静観し、状況を見極めている。

 

桓騎の鉞

包囲を突破し、李牧の包囲線を抜けた桓騎軍。

ゼノウ一家を先頭に突破するが、矢の雨に襲われる。

それでも桓騎は包囲を突破し、李牧は残党と共に彼を追う。

李牧は桓騎の手腕を評価し、秦国の大戦略の失敗を悟る。

包囲を抜けた桓騎も逃げ切れないと語るが、彼の追撃は厳しい。

配下は桓騎よりも懸念すべきは残った飛信隊だとするが、李牧は彼らも生き残れないと指摘する。

一方、信は偵察中に桓騎軍と遭遇し、その中に巨大な井蘭車「紅春」を見つける。

その開発者、范善と共に現れた彼らの意図は?

 

最古参

李牧の包囲を突破した桓騎軍は森に潜伏し、そこで巨大井蘭車「紅春」を運ぶ桓騎軍の将、范善と出会う。

元桓騎軍の那貴が范善に声をかけるが、范善の部下は那貴を裏切り者と見なし、雰囲気が悪い。

しかし范善自身は那貴に特に思うところはなく、彼の質問に答え始める。

范善は桓騎軍は趙軍との衝突を予測し、紅春は乱戦に向かないため遅れて出発し、別の道を通って同じ目的地を目指していたことを説明する。

その目的地は宜安城であり、そこで桓騎と合流する予定だったが、突然趙軍に包囲されてしまった。

范善は桓騎が簡単に死なないと信じており、包囲状況について憂慮している。

主要な将たちは包囲の中心が手薄である可能性に気づき、宜安城への奇襲を計画する。

しかし、范善は紅春を貸さず、貂は城攻め後のことを考える必要があると指摘する。

その後、信と那貴らが森で砂鬼一家と遭遇する。彼らは桓騎軍の一員であり、信らを宜安城に連れて行くことを拒否する。

信は彼らに一歩も近づくなと警告するが、那貴は彼らと話すことを決意し、砂鬼一家の長が出てくる。

しかし、長は那貴の言葉に反論し、桓騎が砂鬼一家の最古参ではないことを明らかにする。

そして、長が被り物を外し、女性としての素顔を見せると、それこそが桓騎軍の最古参であることを告げる。

 

美しい子

砂鬼一家の長が、砂鬼が桓騎一家の最古参ではなく、実際には桓騎が砂鬼一家の最古参であることを明らかにする。

驚く尾平たちの前で、長は桓騎と砂鬼一家の出会いについて語り始める。

かつて、桓騎が十三歳ぐらいのときに山道で子供が死んでいるという報告を受け、砂鬼一家の一員としてその場に駆けつけたことを思い出し、その子供を救ったのが桓騎だったという。

その後、桓騎は砂鬼一家に加わり、一家を変え、劇的に発展させていった。

信は長の言葉に疑問を感じるが、那貴は桓騎と砂鬼一家の関係を知りたがっている。

しかし、話はここまでとされ、続きは宜安城内で語られることになる。

信が憤る中、貂は砂鬼一家の長に桓騎が十三歳のとき以前について尋ねるが、長はその前のことを知る者はもういないと述べ、話を終える。

一方、李牧の本陣では、桓騎の残党の報告が届いており、彼の行方が分からない状況が続いている。

桓騎は摩論らと共に包囲を抜け出し、川を渡る決意をするが、川に橋がなく立ち往生する。

桓騎は単身川に入って渡ることを決意し、その後、摩論たちと昔話に花を咲かせる。

一方、宜安城では夜明けが近づく中、城兵たちは警戒に励んでいたが、巨大な井蘭車「紅春」が城に接近しているのを目撃する。

 

紅春

砂鬼一家との話が終わり、信たちは宜安城攻めについて蒙恬に相談する。

蒙恬は「二つの条件」が重なれば先の道が開けるかもしれないと述べ、宜安攻めに賛成する。

李牧の本陣では、将たちが桓騎の捜索について話し合っているが、桓騎の消息はつかめず、包囲も突破されていない。

警戒が緩む者もいるが、虎白公は桓騎の首が上がるまで油断するなと警告する。

一方、信たちは紅春を使って宜安城に向かい、城壁に接近してから攻める。

城壁に到着した信たちは城攻めを開始するが、敵の将・干里は信たちの狙いを看破しており、城門前に騎馬隊を集結させていることに気づく。

しかし、信たちは敵の一点集中攻撃に対処するため、城壁に兵を集結させることで防御に成功する。

一方、宜安城では城主の北遼公が狼煙を上げて李牧に救援を要請している。

貂は城壁の戦いが激しくなる中、城を落とす前に趙軍が到着する可能性を懸念していた。

そんな中、信は怪力三人衆を集めて、城門を突破する決意をする。

信は力業で城門を突破し、趙兵の抵抗に立ち向かうのだった。

 

命懸けの歩兵団

楚水達騎兵隊が城門が開くのを待ち構える中、信達は裏から門を開けるために必死に戦っていた。

特に信を筆頭にした怪力三人衆の奮闘ぶりは見事であった。

しかし、多勢に無勢であることから攻めきれず、怪力三人衆も傷を負ってしまう。

その中で、随一の巨漢である竜川が特に奮起し、巨大な金棒を振り回して趙兵を次々と吹き飛ばしていた。

竜川は巨体をもって階段に飛び込み、趙兵の勢いを止め、信達が先に進む道を作った。

しかし、敵が後続を断とうとし、信達の中には傷ついた者も多かった。

信は自ら盾を持ち、弓兵に向かって突撃し、その隙を崇原らが利用して開閉部屋を目指す。

田有は限界を迎えつつも、開閉部屋の入口に立ち、後続を断つために敵兵を蹴散らしていた。

崇原達は開閉部屋に到着し、勢いで開閉装置を操作してついに城門が開き、楚水達騎兵隊が城内に突入した。

城門が開く音を聞いた田有は笑みを浮かべながら矛を落とし、力尽きるかのように倒れたのだった。

 

砂鬼の術

飛信隊歩兵団の活躍により、宜安城の開門に成功した秦軍。

城内を制圧し、宜安城を落とすことに成功するも、田有・竜川・中鉄の命が危ぶまれるほどの代償を払った。

砂鬼一家が現れ、彼らの治療を申し出る。

信は最初は拒否するが、砂鬼の知識と術による治療を受け入れざるを得なくなる。

一方、蒙恬は陸仙や愛閃と共に外を眺め、桓騎の残党が生き残っている可能性や桓騎が生きていることの重要性について語る。

信は衣央に礼を言い、砂鬼一家の術に感謝するが、衣央は桓騎の行動には大きな意味があると語る。

 

奪われた者

山間で倒れていた桓騎は、女頭領・偲央に助けられ、彼女の集落に案内される。

しかし、その集落は売られた人々の集まりであり、野盗団としての生業を営んでいた。

で旅人を襲撃する中、偲央や桓騎らは一家族の優しい行動に出くわす。

しかし、狼甫一家とのトラブルが勃発し、桓騎が剣を抜こうとするも、偲央に制止される。

偲央は狼甫一家との衝突を避け、その場を去るよう桓騎に懇願する。

しかし、狼甫一家は偲央を手に入れようとし、彼女に従うよう要求する。

偲央は子供たちを守るために従うことを決め、小屋に向かう中、桓騎が反応した男の目を抉る。

 

生き延びる手段

村の少年たちを守るために狼甫一家の男たちに立ち向かった桓騎。

彼は容赦なく敵を次々と討ち果たし、最後には一人の男を残す。

しかし、その男も桓騎の力を恐れずに立ち向かうも、彼の仲間たちに裏切られ、最後は少年たちによって討たれる。

偲央は桓騎が殺しても無駄であり、すぐに狼甫一家が報復に来ることを理解し、桓騎に対して安心させる。

衣央は狼甫一家の首領を殺し、一時的には勢力が衰えたものの、復讐の刃が追ってくることを理解していた。

そのため、一家を追い払うために彼らの拠点を捨てる決断を下す。

その後、桓騎は追っ手を次々に殺し、その手段は恐ろしいものであった。

彼の非情な行動には皆が驚愕し、桓騎自身も自らの精神状態を疑う。

しかし、彼は生き延びるために必要なことをやるとし、砂鬼一家の一員たちも彼のやり方を求めるようになる。

その結果、砂鬼一家は徹底的に戦い、追っ手も次第に姿を現さなくなる。

しかし、召が砂鬼一家としての始まりではなく、桓騎の根源的な怒りを知りたいと言い出し、それが桓騎が領主を襲った日の出来事であることが明らかになる。