オッス！
メッチャクチャ懐かしい写真です
96年にオランダ修行に行った時、
ヨハンボスジムでトレーニングした時に当時ボスジムに所属していたK-1チャンピオンになる前のアーネスト・ホーストと撮った写真です！
ホーストも現役バリバリだったのでグッドシェイプされていてイカツイでしょ
こんなんと試合してたんやな～と思ったら、自分を誉めてあげたくなりました
この頃の僕はデビューして間がなかったので細いですね
83キロしかなかったと思います。
オランダ修行には何度か行きましたが、
初めてのオランダは特に思い出深いです。
チューリップ
と風車の街
と風車の街というイメージしか持ってなかった僕は、初めて行ったオランダで、
この国には2度と行きたくないって思う程、厳しい現実を教えられることになりました。
当時のK-1を席巻していたオランダ勢がそれぞれ所属する名門ジム3つに1週間の修行！
最初に練習しに行ったジムはボスジムでした
ホーストだけではなく、オランダのキックのビデオなんかで見た事ある選手達がぞろぞろ居てました！
オランダ人の平均身長は男が190㎝以上だとか。
女性で僕くらいはあるんじゃないですかね。
まぁ僕よりデカイ奴がゾロゾロいるわけです。
選手達は僕が道場破りとばかりに眼孔鋭く見てきましたよ
まぁスパーリングしたらガンガン来ますよ
大きい選手とのスパーリング経験も少なかった僕は、ボッコボコの洗礼を浴びました
ホーストともやって2、3回は倒されたと思います。
これをボスジムで2日間続け、
次はメジロジムに。
当時のメジロジムにはまだまだ若手で、まだK-1のリングに上がる前のレミー・ボンヤスキーが居ました！
レミーは若くて勢いがあって、この頃から強かったのを覚えています。
名キックボクサーであり、名トレーナーでもあるアンドレ・マナートが徹底的にしごいてくれました
この頃にはすでに口の中はズタズタに切れて、ご飯を食えない程になってました。
メジロジムでも2日間修行した後、残る最後のジム、
ドージョー・チャクリキに行きました。
ドージョー・チャクリキといえば当時「暴君」「20世紀最強のキックボクサー」と言われていた、K-1WGPチャンピオンのピーター・アーツが所属していたジム。
軽量級の世界王者、ギルバート・バレンティーニもいました。
名選手がたくさん所属し、「チャクリキは絶対に退かない」「チャクリキは痛みを感じない」って言われるくらいイケイケバリバリで有名だったチャクリキでのスパーリング漬けのトレーニング
フルボッコに近いくらいボッコボコにされました
ピーター・アーツにも何回倒されたか分からないくらい倒されました。
ズタズタの口の中はさらにズタズタになりました。
何度倒されたか分かりませんでした。
心は完全に折られてました
この時僕は
「日本に帰ったら絶対に辞める！」
こんな殴っても蹴っても全く効かない冷蔵庫みたいな奴等と試合していかなアカンて、
いつか殺される！勝てるわけがない！
と心に決めましたよ。
心を完全に折られ、口の中も身体も痛すぎて喋る事もできない僕は、ただ黙り込んでました。
そして帰国の日、
こんな国さっさとオサラバじゃ～ってくらいの気持ちだったんですが、
飛行機が離陸してオランダの地が離れていくにつれて、悔しさと情けなさで涙が潤んできました。
「お前このままでいいんか？こんなんで辞めたら何やってもアカン。あいつらにやり返さんでいいんか！」って、
もう一人の自分が問いかけてきました。
俺は好きでこのリングで闘う事を決めたんや！
逃げる訳にはいかんのや！
いつかあのバケモノみたいな奴等を絶対に倒したる
そして外国人に負けない体を作ろう、外国人を翻弄できるテクニックを身に付けようと決意しました！
この経験がなかったら、K-1WGP準優勝やWAKOのヘビー級王者のベルトは獲れなかったと思います。
痛い思い、怖い思い、悔しい思いをしたことで
僕は逆にこの世界でやってやると、思えました。
今、うちのチームに参加しているヘビー級ファイター、真正会空手の谷川 聖哉がオランダに修行に行ってます。
日本ではやはり大きい選手が少ないですし、このオランダ修行は凄い良い経験を積めると思います。
ボッコボコにされろ
口の中をズタズタにされろ
そして強くなれ
ヘビー級は俺が盛り上げるんや
そんな気持ちを持って、オランダで成長して帰ってきて欲しいと思います。
武蔵
押忍